世界の医療課題の解決に臨む。スタンダードな医療サービスの普及をめざして
世界のアンバランスな医療需要を解消するために、そして世界の人たちから必要とされる企業になるために、CUCは2019年より海外展開を開始しました。その第一歩として進出したのが、近年医療需要が急増しているベトナムとインドネシアです。
東南アジアでは、著しい経済成長を遂げる反面、医療の提供体制は富裕層を対象とする民間病院と、国や省などの公的機関が運営する公立病院に大きく二分されており、増大・多様化する中間層の医療需要の受け皿が不足しています。また、生活習慣の変化による生活習慣病の患者人口の急増が影響しており、近い将来に大きな社会課題となると想定しています。
こうした医療の不と負を解消するために、2019年12月よりベトナムで始めたのが現地の医療機関支援です。ベトナムでは、医療グループHoan Hao General Hospitalを支援先として、2023年7月現在、ふたつの総合病院とひとつのクリニックの運営を支援しています。民間の医療グループでありながら、中間所得層を対象にリーズナブルで適正品質の医療を提供することを特徴としています。インドネシアでは、2020年1月より現地パートナーとの合弁会社を通じて現地医療機関向けに透析オペレーションを支援する事業を開始。2023年3月には2社目の合弁会社を立ち上げ、インドネシアの透析治療の環境整備に寄与していきます。
また、新たな変化への挑戦として、2023年度中にはベトナム・ホーチミンにおいてCUCのベトナム子会社による総合診療クリニックを立ち上げる予定です。今後ホーチミン周辺を中心に、同様のクリニックを立ち上げ、地域の医療を支えるネットワークを構築していきます。インドネシアにおいても、今後は透析領域以外にも眼科や介護といった新たな領域での事業を展開していく計画です。
私たちの使命は、高齢化先進国である日本から予見される世界各地で起きうる医療の不と負を減らし、より良い社会の実現に貢献することです。そのために今後は、世界各国のさまざまな課題にアプローチしていく予定です。ひとりでも多くの患者様に良質な医療を届けるために、新たなスタンダードとなる医療サービスの事業モデルを構想し、世界各地で実行していきます。
株式会社シーユーシー
取締役COO 海外事業部 部長
田邉 隆通
東南アジアの医療課題に取り組む社員
言語や価値観の壁を乗り越えて
地域の方が安心して受診できる医療体制を支援したい
ベトナムの医療グループHoan Hao General Hospitalに対して、安心・安全な医療を提供するための経営支援を行っています。例えば、快適な診療空間を目指した院内のリノベーションや患者様への満足度アンケートの実施と現場へのフィードバックによる改善活動、日本の医療現場で浸透している衛生管理の考え方や5S(※)といった職場環境改善活動の実施など、医療の質を高めるための取り組みを進めています。ベトナムの医療機関に日本のノウハ ウを導入するにあたり大切にしているのは、現地で暮らす人にとって最適な医療とは何か考え抜くこと、またベトナムのスタッフが今後拡大していくベトナム事業の主体者になれるよう。ともに能力開発を進めていくことです。文化や価値観の基準が異なる前提を理解した上でコミュニケーションを密に取りながら、地域の方が安心して受診できる医療体制を支援していきたいです。
※ 5S:職場環境の維持改善で用いられるスローガン(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)
株式会社シーユーシー
海外事業部
三橋 咲那子
グループ初の直営クリニックを立ち上げ
ベトナムの健康寿命の延伸に貢献する
医療の品質に向上の余地があるベトナムで良質の医療を展開したいという想いでCUCグループに参画しました。ベトナムでは医療需要が増える一方、医療体制は旧来のままの部分も多く、都市部の公立病院に患者が過剰に集中するという課題を抱えています。国民の多くは高度な医療機器や優秀な医師が集まるとされる大病院を好む傾向があり、地域の民間医療機関に対する信頼性が低く、病状が悪化するまで病院に行かない人も少なくありません。 2023年開設予定の「Tokyo Family Clinic」は、CUCグループ初の直営クリ ニックとして、ベトナムで日本品質の医療提供を目指します。地域の人がちょっとした健康トラブルの際に気軽に足を運べる、新しい社会の医療インフ ラをつくりたいと考えています。CUCグループの強みであるスピード感と現場主義を大切にしながら実践していきます。
CHANGE UNTIL CHANGE
HEALTHCARE COMPANY LIMITED
Vice Development DirectorVu Manh Kha