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【レビュー】KZ ZAR

買って大満足の多ドラ低価格界のハイエンド機

数万クラスを買う前に、値下がりして6000~8000円くらいで買えるこいつとDACとケーブルと高級イヤピの検討をオススメしたいリスニングイヤホン
明瞭軽快ドンシャリだが、それが行きすぎないバランス感覚もある

高音はレモンに砂糖を加えたような鋭さと濃厚さがあり
ボーカルは一歩下がるがフォーカスすると前に出てくるような感覚で、曇りともたつきが無く
締りのいい低音で全体を纏めて、重低音は微かに揺らすようなそれが足元を丁寧に支えている

最近買った低価格イヤホンは音の分離感に優れたものが多かったが、これはダントツ
アルコールが回り始めた瞬間の高揚感みたいなものがそこにある
どのジャンルを聞いてもいいが、特に高音キラキラで、整った低音がズンズン鳴り、高音の女声ボーカルの曲と相性がいい感じ

一方SFC~N64みたいな音数が少なくメロディの主張が強いゲームミュージックも粒立ちが良くなって気持ちがいい
どんな曲も探せば探すほどしっかりと音が独立していて、深みにハマっていく
程よく脚色されているので、収録や音質が悪い音源も気持ちよく聞かせてくれるタイプ

1DD+1BA機種にありがちな歯擦音は無く、元気な機種にしては生っぽく鳴らせるので明確な弱点は無い万能選手
音量を下げても豊かさが失われにくく、寝る前に静かな音楽を聞いてリラックスするのにもいいかも

とにかく全領域に旨味があり、バランスが完璧という表現も何だか違う感じ 濃厚ラーメンでしょっぱいチャーハン食って麦茶で流し込むみたいな、濃密さと清涼感を兼ね備えている

装着感はかなり良好だが若干重く、耳に当たる面の出っ張りをしっかり固定してくれる部位と捉えられるか、嫌な出っ張りと捉えられるかは耳の形に左右されるかも
そういう装着面ではPR3に軍配が上がる

ボーカルの分離感と近さを上げたいならバランス接続は欲しい所 SpinFit系のイヤピで浅く入れるとドンシャリになり、深く入れるとボーカル寄りになるので、そういう使い方もアリ
ZARは音楽を楽しく聞かせる名手なら、PR3はとにかく繊細でASMRなんかで凄まじい破壊力を発揮する

つまり下手に高いやつ買うより、この二台を使い分けるのがオススメ
「この機種の次どうするんだ」という不安感と「もう流石に買わなくて済みそうだ」という安心感がある
それはそうと、AS24 PRO気になるな……

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