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キューブラッシュの出現ライン

それぞれのキューブが一体どのラインで出現するのかということに関しては一応ランダムではあるのだが, デタラメの度合いがかなり緩いランダムであり, 予測の方法が理解できると, それがかなり有効である場合が多い.
結論から言ってしまえば, [1]のキューブを見ただけで, さらに精度の高い予測をするならば[3]のキューブも見ることで, その後の運命はほぼ予言することが可能である.


仮想的な出現ライン

ミノ座標を導入するときに説明したように, 画面上では出現ラインは次の図(再掲)のように12本あるのだった.

画面上での12本の出現ライン

しかし, 出現ラインの法則を説明するためには, 次の図のように16本の仮想的なラインを考えた方が説明がスムーズにできる.

仮想的な16本のライン

両者を区別したい場合は, 前者を「画面上の(出現)ライン(on-screen  (appearance) lines)」, 後者を「仮想的な(出現)ライン(virtual  (appearance) lines)」と呼ぶことにする.

本数の差異が発生する理由

前者が12本で後者が16本, この4本の差異がなぜ発生するのかというと, 仮想的な出現ラインの上の4本と下の4本を除いた残りの8本のラインが2本ずつ重なるので, 画面上の出現ラインでは12本となると考えるのである.

2本ずつ重なるライン

上の図において赤で引いたラインが2本ずつ重なる.

仮想的な出現ラインの命名規則

仮想的な出現ラインは次の図のように命名を行う.

仮想的な出現ラインの命名規則

上の4本と下の4本, すなわち重ねないラインは, ミノy座標をそのままラインの名称として用いる.
2本ずつ重なるラインについては, ミノy座標に上下の区別を表すH(High)とL(Low)を付加したものを名称とする.

出現ラインの基本的な性質

使用するラインの本数

同時に使用するラインの本数は4本である.

常に全てのラインを使ってキューブが出現するのではなく, その中から選ばれた4本のラインだけからキューブが出現し続ける.
ただし, 後述するが, ライン変化という現象がある.

使用するラインの組合せ

同時に使用する4本の出現ラインは, 仮想的な出現ラインで言うと等間隔に並んでいる. すなわち, 間隔は4本となる.

よって, 同時に使用する仮想的な出現ラインの組合せは

  • {0, 4L, 6L, 8}

  • {1, 4H, 6H, 9}

  • {2, 5L, 7L, 10}

  • {3, 5H, 7H, 11}

これら4種類しかない.

例題
[1]が画面上の出現ラインで1[mino]の高さから出現した.
このときの, 同時に使用する仮想的な出現ラインの組合せとして考えられるものを述べよ.

[解答]
画面上の出現ラインで1[mino]を使用する組合せは
{1, 4H, 6H, 9}
の1種類しかない.

つまり, この例題から分かるように, HとLの区別がないラインでキューブが出現したのを見れば, その時点で即座に, 仮想的な出現ラインの組合せは唯一つに定まる

例題
[1]が画面上の出現ラインで4[mino]の高さから出現した.
さらに, 後続のあるキューブが, 画面上の出現ラインで8[mino]の高さから出現した.
このときの, 同時に使用する仮想的な出現ラインの組合せとして考えられるものを述べよ.

[解答]
画面上の出現ラインで4[mino]を使用する組合せは
{0, 4L, 6L, 8}
{1, 4H, 6H, 9}
の2種類あるが, そのうち画面上の出現ラインで8[mino]を使用する組合せは
{0, 4L, 6L, 8}
しかない.

一方, HとLの区別があるラインでキューブが出現したのを見ただけでは仮想的な出現ラインの組合せで考えられる候補の個数は2つになり, 組合せを1つに絞り込むためには, HとLの区別がないラインで出現する他のキューブも併せて見る必要がある.

ライン変化

上で述べた同時に使用するラインの組合せは, キューブラッシュをやっているうちに変化する.
いつどのように変化するのかは, 残念ながら外形から予測することはできない.
つまり, この章で述べている法則は, ライン変化を起こす前の初期状態に関する性質であり, それは今後も同じとする.

ライン変化は一概に悪影響を及ぼすというわけではない.
悪影響を及ぼす場合もあれば, ライン変化が起こったことによってかえって良い形に収束する場合もある.

繰返しになるが, キューブラッシュはデタラメの度合いがかなり緩いランダムであり, ライン変化の要素を除けば予測可能な要素でかなりの割合を占められている.
予測可能ということは言い換えれば, ランダムとは言いつつも「完全なデタラメ」ではなくて「場合分け」という意味であり, ライン変化を起こす前であれば, それぞれの場合について行動をあらかじめ決めることができることはぜひ知ってもらいたい.

よって, 実際に攻略するにあたっては, ライン変化を起こす前, すなわちあらかじめ決めておいた行動を予定通りにできるうちに, ある程度以上カマクラが完成しているのが理想的である.

ちなみに, 同じラインでばかりキューブが出現し続けると, 同じ高さにキューブが溜まり続けることを意味するので, 全避けはライン変化があってこそ可能になるという面もある.
全避けでは, キューブを一箇所に溜めずに分散させて, 回避のための空間をいかに広く残すかが重要となる.

同じラインを使用するキューブ

[25]までのキューブを, 同じラインを使用するもので分類すると次のようになる.

  • [1], [4], [7], [9], [10], [15], [17], [19], [23], [25], ・・・

  • [2], [8], [11], [18], ・・・

  • [3], [5], [6], [13], [16], [21], [24], ・・・

  • [12], [14], [20], [22], ・・・

これらを全て暗記する必要はないが, 各ラインの先頭のキューブが
[1], [2], [3], [12]

であることは, 話を進める上で必須なので, すぐに暗記されたい.

バンド

使用するラインの組合せと, 同じラインを使用するキューブについて述べたので, 今度は, 同時に使用する4本のラインに[1], [2], [3], [12]の各キューブ(とそれに続いて同じラインで出現するキューブ)を配置するのだが, ライン単位で考えるよりももう少し考えやすくするために, ここで「バンド(bands)」という概念を導入する.

バンドの概念

「バンド」とは「帯」という意味であり, 仮想的な出現ラインを4本ずつまとめたものである.

上にあるものから

  • H(High)

  • MH(Middle High)

  • ML(Middle Low)

  • L(Low)

の4つある.

例えば, 使用する仮想的な出現ラインのうちの1本が1のラインだったとする. このラインはLバンドの下から2番目のラインである.
すると, 使用する仮想的な出現ラインは等間隔に4本間隔で並ぶのであったから, 残りの3本のラインは, 各バンドの下から2番目のラインを1本ずつ拾って,
{1, 4H, 6H, 9}
が同時に使用するラインの組合せとなる.
このように, バンド内の何番目のラインを使用するかについては, どのバンドも同じになる, という性質がある.

また, それぞれのバンドから1本ずつラインが選択されることになるため, 各キューブを画面上で見たときの相対的な上下の位置関係を, 一々ライン単位で細かく見ることなく把握するのに役立つ.

各バンドへのキューブの配置

キューブを各バンドへ配置するにあたって, 次のような, キューブの上下の位置関係を把握するためのバンドの表を用いる.

キューブの上下の位置関係を把握するためのバンドの表

[1]の配置

[1]は仮想的な出現ラインのどのラインにでもランダムで出現するため, [1]のバンドへの配置は次の4通りある.

[1]を配置する

[2]の配置

[2]の[1]に対する位置は固定で, [1]から2つ離れたバンドで出現する.

[2]の[1]に対する位置は固定

[3]と[12]の配置

残った2つのバンドに[3]と[12]を配置するのだが, [3]と[12]の上下はどちらのパターンもある.

例えば, [3]が[12]よりも上になるように配置すれば次の図の左半分のようになる.
また, [3]と[12]の上下を入れ替えると表の右半分のようになる.

[3]と[12]の上下はどちらもあり得る

完成したバンドの表

あとは残りのキューブを配置すれば表が完成である.
ここでは重要なキューブを抜粋して表を作ってある.
ここで表に載せていないものも配置したい場合は, 必要な理論は述べたので, それは各自でチャレンジしてみてほしい. 筆者からの宿題ということにしよう.

残りのキューブ(抜粋)を配置して表が完成

この表は今後も用いることになる.
特に, キューブラッシュをするにあたって最初の難関になるであろう[12]~[17]がどの高さで出現するのかを説明するのに必要不可欠なものである.

デタラメな場合との比較

バンド単位

バンドの表より分かる通り, バンド単位で考えた出現ラインの配置のパターンは$${8}$$通りしかない.

もし出現ラインを各バンドにデタラメに配置するのが許されるのなら
$${4! = 4 \times 3 \times 2 \times 1 = 24}$$通り
になってしまう.

ライン単位

これがライン単位だとどうなるか.

各バンドが4本の仮想的なラインから構成されていることを考えれば, 出現ラインの配置の実際のパターンは
$${8 \times 4 = 32}$$通り
とすぐに求められる.

もし, 12本ある画面上の出現ラインからデタラメに4本選ぶのであれば
$${_{12}P_4 = 12 \times 11 \times 10 \times 9= 11880}$$通り
になってしまう.

パターン数の比較から分かること

つまり, 大事なのは
「デタラメではない」という観点からすると, キューブラッシュのパターンはそんなに多くはない
という点である.
そこを過大評価してはならない.

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