見出し画像

Here is the real Filipino banana - フィリピンで見つける本当のローカルバナナ

日本で見かけるバナナの80%はフィリピン産である。昔は台湾バナナとかあったように思うが、もう見かけない。今、日本人が接するバナナと言えば圧倒的にフィリピンなのであった。

よくスーパーで売られている黄色くて長い種はキャベンディッシュという。Doleのシールを貼っているアレである。Doleはミンダナオ島に広大な農地を抱えていてそこで生産される。Doleのアジア事業は伊藤忠商事に売却されたので日本にこれだけ入ってきているのも納得である。

なので、フルーツパーラーのシェイクも、縁日のチョコバナナも、アニメで滑って転ぶバナナの皮もすべてキャベンディッシュなのだが、フィリピンではそんなことはない。

話はちょっと変わるが、先日東京に行った時久しぶりに友達と会って呑んだら、最近、カンボジアからバナナを輸入しているという。彼は、「カンボジアのバナナは味が濃くて、フィリピンのバナナなんかよりよっぽどうまいぞ」と吹いた。たまたま、東京に行った帰り道、プノンペンでポーカーをすることにしていたので、それならとプノンペンの露店でバナナの房をまるっと買って、一週間おやつはバナナにした。

カンボジアのバナナはキャベンディッシュよりも短くて太くゴロっとしている。キャベンディッシュがスリムな都会派なら、こちらは如何にもダイエットもしていない自然派である。しかし、キャベンディッシュがあっさりしていてどこか物足りなさを感じさせるのに、こちらは酸味もあってその分甘みも深まるように思えた。

そのまま、バナナを一日に3本も4本も食べていたら、妙に腸がぐるぐる動いておならが止まらなくなったのは困った。下痢でポーカーができなくなってもまずいので、ネットで調べてみたところ思っていたのと全然違う目からうろこの事実が。。。。

バナナは消化のいい食べ物ではない

よく、アスリートが間食にバナナを食べているので、チョコレートと同じように消化が良くすぐにエネルギーに変わる食物だと思っていたが、実は、食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチが含まれ、これらは消化酵素で分解されずに大腸まで届くのだそうだ。その成分は善玉菌の餌になるので便秘解消や整腸作用に大いに効果があるという。おならが止まらなかったのは、疲れていた胃腸で善玉菌が活発化して整腸効果が出ていたためだったのね。

東南アジアに来ると、誰でもたいていお腹を壊す。それも、一回限りではなく、定期的にやってきて生活の一部となる。水が悪いのか?食べ物が古くなっているのか?高温多湿で胃腸が弱まるのか?ストレスで自律神経がやられるのか?理由はいろいろだろうけど、「調子いいな~」と思っていたら、突然下痢をしてしまうものなのである。ここら辺は油断大敵なアジアだが、警戒しても来るものは来るので、もはや下痢した時の対処の方がノウハウとして大切だったりする。

僕ももともと胃腸が弱いので、来た当初は苦労した。よくお腹は下るし、一度は膀胱に膿が溜まって入院するという洗礼も受けた(この話は過去のnoteに書いた)飲料水を軟水のミネラルウォーターに限定したり、毎日納豆やヨーグルトを食べたりしてきたが、それでもこれといった決定打がなかった。

そこで出会ったこのバナナ。ピンときて、マニラに戻って速攻で買いに走った。プノンペンの経験で行くと、スーパーで売っているようなキャベンディッシュやラカタン(シーズンバナナとして売られてるのがこれかな?)のような黄色くて長い品種よりずんぐりとして青みの残ったローカル物がいい。

住んでいる部屋の大通りを渡った反対側は小さな小売店が並ぶ下町である。そこには店頭でバナナを売っている八百屋が何軒かあったので、初めてそこを回ってみた。あるわあるわ、プノンペンと同じように軒先にぶら下げられたバナナの房が大量に。こうした店はキロいくらで商売していて、一房丸ごと買う必要もなく、必要な分だけ頼むとその分を切って量り売りをしてくれる。大体キロ100~110ペソくらいだろうか(ここ最近のマニラ価格です)

バナナの種類もいろいろとある。

ラトゥンダン →太目でずんぐりとした庶民派バナナ。酸味もあって味も濃厚(最近食べてるのがコレ)

セニョリータ →別名モンキーバナナと言われる小振りなバナナ。甘味が強くておいしい

サバ →そのまま食べるより調理用に使われる角ばった大型のバナナ。まだ食べたことはないが、風味が薄く食材として使った方がいいそうな。いつか炒め物に使ってみたい

今、朝晩1本ずつ食べているが、おかげさまで胃腸は好調。熟したものよりまだ茎の部分に青みの残っているブルーチップと呼ばれるものの方がレジスタントスターチが多いそうなので、こまめに買っては食べていきたいと思う。思えば、日本にいた頃はバナナなんてたまにしか食べなかったのに、環境が変わればそれこそ日常的な食べ物になる。自分の中の免疫や雑菌や細胞まで少しずつ入れ替わってるんだろうなあ。

これからも、スーパーと市場を使い分けて、風土に適したローカルフードを開拓したいと思う。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?