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さいごの二日間

9/12(月)

月曜といいつつ日曜日の夜中のことから書きます。
玄関に布団を敷いて、下駄箱の中にいるネコのそばで寝ることにしました。

夜中、フラフラしながらわたしを踏み越えて、水を飲みにか、出ないおしっこをしに行くのか、を物理的に感じました。
別に踏む必要はないのにネコって進路に人がいたらとりあえず踏みますよね。可愛いなあ。

ずっと下駄箱からは動かないし、常に何かにもたれてないとしんどそうでしたが、なんとか踏み越えて歩く元気があることに少しほっとしたのを覚えています。
すごい軽かったけど。

夜中離れた場所で寝ていたら分からないことだったので、もっと早く一緒に寝てあげればよかったなと思いました。
ネコは見られたくないから下駄箱にいたんだろうけど。

朝起きて、相変わらず具合は悪いものの呼べば尻尾で返事はしてくれたので、仕事に行きました。

お昼休憩で家に帰った時、量はごく僅かでしたが、ネコ用のトイレで数日ぶりにうんちをしていました。
あんなにフラフラしながらもふんばって、ちゃんと砂の上でしていることに、愛おしさを覚えました。

なお、おしっこはシーツでしていたので、替えてやりました。
親、ありがとう。ナイスタイミング。

また、よだれがたくさん出て、口周りや胸元の毛が束になって固まるので、シャンプータオルで拭いてあげるなどしました。
何回も拭きましたが、まったく嫌がらなかったので、ネコも汚いのが嫌だったのかなあ。。


夕方は動物病院に行き、前日あったことと、血液検査の結果を伝え、強制給餌と輸液を続けるべきか尋ねました。
獣医さんとしては、輸液をした方が楽であると信じたい。とのことでした。ネコ喋んないから、分かんないけど。

また、先日の出血は粘膜が傷つきやすいせいで、おそらくシリンジでついた傷ではないと思います。と言われました。
真偽は分かりませんが、少しだけ心が軽くなりました。

また、以前から勧められていた自宅での点滴を行うことにしました。
懸念は一人だと抑えられないことでしたが、この頃にはネコは抵抗する元気はありませんでした。

点滴の指導を丁寧に行ってもらい、動画も撮らせてもらいました。親身になってくれてほんとうに良い獣医さんです。。

ネコはまったく動じなかった


残りできることとして、もっと強い痛み止めは処方できるが、、と言われましたが先日血を吐いたこともあり、それはやめました。
最後まで提案いただいてありがたかったです。

薬も色々あげてましたが全部やめて、ごはんも欲しがる分だけ指であげて量にこだわらない。
自宅で二日に一回100cc点滴を行う。
この3点で、残りの日を過ごすことに決めました。

夜中、様子を見ていると突然立ち上がり、フラフラとした足取りで、倒れそうになりながらもごはんと水のある場所へ向かいました。
ここで最後にごはんを食べたのは8月末です。

水は寝床の近くにも用意してたのに…


水をじっと眺めるので、飲みたいんだなと思い器を近づけたり水を含ませたコットンで口周りを湿らせたりしますが、口内炎が痛いのか飲む気配がありません。

さらに、この頃からたまに痙攣が起こるようになりました。
1時間くらい、時折痙攣しながら水を飲もうとして飲めない状態が続き、その場にぺしゃりとへたり込んでしまいました。。 

力なく、、、

動けない様子だったので床だと冷たかろうと思い、下駄箱の定位置に運んであげました。

おしっこも出ないし、よだれは止まらないし、さぞかし気持ち悪かったろうと思います。
何もできなくてごめんね。。


9/13(火)

翌朝、いつもなら返事だけはする尻尾の元気がなく、頭も上がらず、ごはんもいよいよ受け付けない状態でした。

点滴をしようと思いましたが、自分で行うのは初めてだった上いくつか確認してからやりたかったので、動物病院が開く9時を待って電話で聞いてから行うことにしました。

そのため一旦出社して、9時半から仕事を1時間抜けて、はじめて自宅で点滴をしてやりました。
許してくれた上司に感謝です。。

お利口だったな


無事点滴を終え、持ち上げた時に重たくなって、ちゃんと首周りもタプタプになりました。
うまくできるか不安でしたが、なんとかできたので、これなら家で続けられると安堵しました。

行ってくるね、と言うと尻尾を振ってくれました。
そのため、少し安心して仕事に戻りました。


お昼休みに家に帰り、ペットシーツをひとまず新しいものに変えて、別の部屋で猫と自分の昼食の支度をしているときでした。

可愛い声でニャー、と鳴いたのです。


そもそも鳴くのは日曜の夜ぶりで(前回のnote参照)
ここのところはまったく鳴かず、鳴いたとしてもなにか訴えた苦しそうな鳴き方しか聞くことはありませんでした。

明らかにわたしを呼んでいる鳴き声でした。
そのため、どうしたの〜と言いながら向かうと、追加で何回か鳴いたので、抱き上げました。


目がお昼なのにまんまるで、真っ黒な、大きな目でこちらを見つめていました。
名前を呼んでも、話しかけても、尻尾を振りません。

首も座っておらず、全身に力が入ってません。
もともと体温は低かったけど、身体も肉球も、いつもより冷たくて。


あ、これヤバいなと思った矢先、痙攣が始まりました。


ガッガッ、とえずいて、苦しそうな声でウーウー鳴いた後、手足をバタバタさせて、尻尾を膨らませて、目の前で息を引き取りました。

すごく長く感じたけど、恐らく2〜3分の出来事でした。

ちゃんとお昼、わたしが家に帰ってくるのを分かってて、待っててくれて。
ごはんも食べられず水も飲めず、苦しかっただろうに、最期に力を振り絞ってわたしのことを呼んでくれました。

どこまでも飼い主孝行のネコでした。

留守の時だけはやめてね、と伝えていたのが分かっていたのでしょうか。

最後に点滴もさせてくれて、本当に賢い子でした。

大好きって、うざいくらいに、いっぱい伝えました。今も毎日伝えています。
お利口さんだから、わかるよね。


新たな事実


火葬時にのどに大きな癌があったことがわかりました。
骨と一緒にドス黒い塊があり、普通はこんな大きいのはありません、食道も塞がって、、と言われ、どれだけ苦しかったことだろう、と悲しくなりました。

癌は焼くとビニール袋を焼いた時みたいに縮んで固まる性質があるそうです。

そのせいで、焼却炉のコンピュータが頑張って焼こうと温度を上げた結果、頭蓋骨はあまり残りませんでした。
首周りの骨は癌で砕く他なく、きれいな骨はあまり残りませんでした。

腎不全と白血病のせいで数値が悪すぎて気づけなかったけど、いつからだったんだろう。。

この癌の話をネットで調べると、真偽は半々くらいで、お礼しに動物病院に行った時も「よく言われます、、」と獣医さんが言っておられたので本当のところは分かりません。
しかし、黒い塊の中身が肉っぽいのを実際に見たので、癌だったんじゃなかろうかとわたしは思っています。


もうすぐ1ヶ月


わたしたち仲良しだったね


このnote自体は記憶整理のため半分以上はなんとか亡くなった直後に書いていましたが、なかなか気持ちが落ち着かず、また仕事も忙しく公開するのに時間がかかりました。

まだ忘れてはないけど、割と細かいところまでちゃんと書いてて、過去の自分に感謝しました。

ネコに対してできることは全部したし、ごはんもいろんなお店を探し回って、点滴もできるだけ連れて行って、薬も毎日あげて。
大変だったし心労はあったけど、今の心の穴に比べたら愛しい日々だったなと思います。
後悔はないから、そこは本当によかった。

大して広くないはずの部屋が広く、静かです。
ネコがいなくても時間は経って、秋が来て、また冬になりますが、もう寒い日に一緒に眠れないんだな、膝にも乗ってこないんだなとか思うと、これを書いている今も涙が出てしまいます。

普通の短毛の子よりちょっと長くて、さほど毛艶は良くないけど密度の濃いフワフワの毛が恋しいです。
季節ごとに毛色が変わってて可愛かったし、匂いも恋しい。
あったかくてぽちゃぽちゃしたお腹の感触、皮膚と唇で覚えてて、ずっと忘れられないです。

表情も豊かで、嫌がる顔が可愛くて好きだった。嬉しいと目を閉じるけど、顔が黒いから、目がどこにあるかわかんないのも可愛かったなあ。

顔どこ〜


いつかいなくなるのは分かってて、だんだん弱っていくのを見てたからそれなりに覚悟もできてたつもりでしたが、まだまだネコのいない生活に慣れません。

最後の日々を過ごした下駄箱はずっとそのままでネコのためにスペース開けてあるから下駄箱として機能してないし、トイレも足跡がついてるから片付けられません。爪研ぎもそのまんまです。存在証明。

ネコが生活のすべてだったから、今完全に虚無の人間になってしまいました。
ネコ吸って解消してたストレスの行き場がない。なんか生きがい探さんとな。

あとは、別にもう二度とネコを飼わんとは思ってなくて、昨日久々に実家のネコたちに会いましたがやっぱりネコは可愛いな〜と思いました。
心の底からネコが好きだし、わたしのネコが一番大好きだな〜〜〜。


辛い日々は続きますが「忘れないことが一番の供養」と職場の人に言われて納得しました。
毎日、思い出さないことがないです。
ちゃんとずっと一生覚えてるからね。

どの写真見ても可愛いし、動画見てるとネコがわたしのことを好きなのがよくわかります。誇張じゃなく仲良しでした。
妹いないから分からんけど、妹みたいな存在でした。

出会ってから7年と3ヶ月、いっぱい幸せをくれたね。ありがとうね。
わたしを飼い主に選んでくれてありがとう。
世界で一番大好きだよ。天国で会おうね。

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