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ねこのこと後編

異変

昨年の秋頃、初めて長期での出張が決まりました。 

1週間以上家を空けることは初めてで、車で1時間のところに住んでいる親にお世話を依頼しました。

内容としては、お水とごはんとトイレ掃除をして、適度に可愛がること。部屋に入る時は脱走を目論む猫に備えて身を屈める。ごはんの戸棚を開けっぱなしにすると食べられるから気をつける。など細かに記したマニュアルを作って渡すなどして、準備は万端でした。(親心)

出張先で食べた、人生で一番美味しかったチキンカツ


結局トラブルが起き、出張は約1週間伸びてしまいましたが、親から送られてくるネコの画像を見ながら何とか持ち堪え、帰宅しました。
帰った時、ネコはごはんよりわたしを選んでくれて、執拗に甘えてくれました。
こんなに嬉しいことはねえ!と強く思いました。

良かったのはここまで。

後日感謝を伝えた際に親から「ネコめっちゃ水飲むけど大丈夫?」と言われました。

このとき、言われてみれば確かにそうかな〜と思いつつ、「まだ暑いのかな?でもいっぱい飲むなら飲まないよりもいいじゃん!」と思っていました。
ごはんもガツガツ食べてたし、💩も問題なかったし、元気もあったのでな〜んにも気にしていませんでした。馬鹿野郎です。

丸々としていた頃


そんなこんなで冬になり、多飲多尿が激化してきました。
とにかく水を飲みたがり、今まで飲むことがなかった風呂場の水や台所の桶の水を飲みたがるようになったため、ここでやっとおかしい!と気づき、動物病院に連れて行ったのでした。


腎不全ですね

動物病院に連れて行った結果、一時的な体調不良などではなく、腎不全でした。

実家の猫は老衰で亡くなったので、ピンと来ませんでしたがネコの腎不全はメジャーな病気だそうで。

現代においても治すことは出来ず、ただ進行を遅らせることしかできない説明を受けました。
令和なのに。信じられん。

血液検査で出てきたクレアチニンの値は4.1。(通常は0.8〜1.8)
腎臓が悪いと、この値が高くなるそうです。平均値より高いことは分かりましたが、
「7歳でこの数値は進行が早いですね」と獣医さんに言われて初めて深刻さを理解しました。

この頃、キャットタワー買い替えたてだった



しかも治ってなかった白血病

さらに、どうやら治ったと思っていた白血病は治っていないようでした。3歳半までに死んでしまう子が多いのは事実ですが、その後の「発症」の中央値は7歳とのことでした。それがまさしく悪さをしているだろう。とのことでした。

雑な説明をすると、本当にとにかく腎不全は治らん、血が作れんので、栄養も酸素も運搬できん。おしっこしても毒素が外に出せん。だからいっぱい水飲む。でも気持ち悪くてごはん食べられんし水も飲めん。だからどんどん脱水してスポンジみたいにへしゃへしゃになる。とのことでした。

そんな話を聞いて黙って指を咥えて見てるわけにはいかないので、この日から投薬(フォルテコール)をはじめ、腎臓ケアの高級フードに切り替えました。
少しでも長く一緒にいられるように。

サメの抱き枕を踏んづける



風呂場の水しか飲まん

腎不全発覚から4ヶ月。ごはんに時折文句を言うようになっていましたが、別のものに変えれば機嫌は直っていました。

ただ、やたら風呂場に入れろと催促します。
そして開けてやると、風呂場の床に溜まった水を舐めるのです。
というか、それしか飲まなくなりました。
不衛生だから嫌だな〜と思っていましたが、本当にそこからしか飲みませんでした。

しかしながら溜まってる水には限りがあるし、わたしも日中仕事でいないので、朝家を出る前と昼休み帰ってきた時などは浴槽にシャワーで水をぶっかけて、そこの水滴も舐められるようにしていました。

7年一緒にいたのにここにきて初めての行動で驚いたのと、このように、腎不全の猫は食や物の好みが急激に変わることを実感する出来事でした。

ちなみに風呂場ブームが去った後は煮沸して冷ましたお水しか飲まなくなり、先日までは机の上のマグカップか、普通の水入れから飲んでいました。今はどこの水も飲みません。

未確認生命体


フードジプシー突入

さらに、同時期にごはんにも飽きるという事象が発生しました。
だんだん飽きてくるとかではなく、パッタリ飽きるのです。
これも腎不全の症状らしいですが、かなり悩まされました。

腎臓が悪いため普通のごはんではなく、リンやらなんやらの値が調節してあるごはんを食べさせる必要があります。

想像していたよりは種類があり、特に高齢猫用は腎臓に配慮しているものが多いことを知りました。そのくらい腎臓悪くなるのはあるあるなんですね…。
また、おやつとかちゅ〜るにも腎臓用があるようでお世話になりました。
猫は約6年間ずっと同じごはんで全く文句を言わなかったので、新発見でした。

しかしながら爆速で飽きるので、西へ東へごはんを求めて三千里。おかげでうちの戸棚はペット用品売り場並みに商品が充実しています。(食べ切る前に飽きちゃう)

今はすべて食べなくなりましたが…。

不満げな顔もかわいいんよ


さいきんのこと

具合が目に見えて悪くなったのは7月末。食欲が明らかに落ちてきたので再度血液検査をしたところクレアチニンの値は8.0。(通常は0.8〜1.8)
2倍近い数値になっていました。

「毎日投薬して、半年でこの数値なら順調という言い方は悪いですが、順調に悪くなってます」とのことでした。

そこからは動物病院で週1で輸液(皮下注射)をしてもらっていましたが、数日前からごはんを全く食べなくなりました。そのため100均のシリンジでペースト状のごはんを強制給餌しています。
ただ、抵抗する元気はあるので1日の必要量を与えることはできず、可能な範囲でしか与えることができません。
自力では絶対に食べないため体重は2.2キロまで落ちました。
元気な頃は3.5キロあったので1/3を失っています。

さらに水も飲まなくなったので与えようとしますが、それはごはんよりも嫌がり抵抗します。今日最後の綱のロイヤルカナンのリキッドが届きますが、果たして飲んでくれるのでしょうか。。。

以上のことからもう長くないことは明白で、粗相もするし、ジャンプして高所にのぼろうとして落ちるし、足取りもふらふらしています。

あとは昨日と一昨日はわたしの入浴時、空の浴槽の中からなぜかずっと監視されました。じ〜っと真顔でこっちを見てたけど、何を思っていたんだろうか。
前もお風呂場探検に来ることはありましたが、水がかかると嫌がって逃げていました。
しかし今となっては無心不動で、足や尻尾がびしょ濡れでしたが、あんまり気にならないみたいです…。

風呂監視以外は下駄箱でずっと寝てる



弱っていくのを間近で見るのは辛いけど、わたしよりネコの方が辛いに決まっています。
そのため、なるべくストレスなく、苦しまずに最期を看取ってあげる…方法を、ネットで調べています。なにぶん自分の育てたネコを看取るのは初めてなので。
気持ち作るためにも、飼い主がしっかりしないと。
と思って調べますが、みんな考えることは同じなので、質問している人も回答している人も、気持ちがわかりすぎて泣いてしまいます。辛いよなあ。
そんな感じで毎日を過ごしています。

ちなみに、動物病院の意向で自宅での点滴も勧めていただけましたが、自分一人で保定しながらしてあげられる自信がなくお断りしました。もしできてたら、もう少し進行が遅かったんだろうな…。不甲斐ない。


さきほど苦しそうに大きな声で鳴いてたのでその声で起きましたが、今は落ち着いて眠っているようです。

わたしは不安やらなんやらで眠れなくなったので、吐き出したかったのと、状況整理での更新でした。

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