未練

これは僕が大学生の頃のお話。

僕は未だに鮮明に覚えている。
彼女と出会ってからのことを。

 僕と彼女の出会いは冴えない僕には出来すぎていた。入学して、授業の為移動していると、必ずA棟からB棟につながる階段を通るのだが、毎回すれ違う女の子がいた。その子は有村架純似の女の子で元気で明るかった。どタイプ直球ど真ん中ストレートだった。
話しかける勇気もなかった僕だったけど、Twitterでフォローが来た。知らない女の子だった。
周りの友人に「この人知ってる?」なんて聞くと、「その子学部で有名な子だよ!可愛いって噂の子!」
内心特大ガッツポーズしけど、クールを装ったし、すれ違う子が僕にはいるからって思ってた。
 後日、サークルの勧誘コンパで僕は部室棟で友達を待ってた。すると階段ですれ違ってた子が近寄ってきた。「はじめまして、〇〇くん、私のことわかる?」僕は美人すぎる彼女に空返事をしてしまった。
そんな態度を見兼ねて、Twitterでフォローした〇〇だよって、教えてくれた。なんと、学部で有名な子だったんだ。内心特大ガッツポーズを100回した、それ以上かもしれない。
 そこから、だんだん仲良くなった。間違い電話のフリして電話かけて声聞いたり、アイスの当たりが出たことをわざわざ報告したり、なんとか気を引きたかった。デートに誘おうとずっと思ってたけど、なかなか誘えなくて、2ヶ月LINEしてるのになんもないのはヤバイなって思ってたら、LINEが終わった。絶望した。けど、今考えれば素直に引けばいいものを「散歩が趣味だから誘って」なんてLINEしてしまった。
やっぱりLINEは返ってこなかった。失敗した。
 3日後、「今週の金曜日散歩しよう」って言ってくれた。僕はスキップで帰宅した。初めてのデートが散歩って、、なんて思ってたけど、超絶楽しかった。
そんなこんなで、リードしてもらいながら僕が3回目のデートで告白しようと思い、線香花火しながら告白大作戦を立てた!直接言うつもりがなかなか言い出せず、線香花火がなくなり歩いて帰ってる時、チャンスは何度もあった、しかし言えなかった、彼女を家まで送り、歩いて100mくらい進んだ頃だろうか、後悔したくないと電話した。100m先の小さい彼女を見ながら告白した。返事はOKだった!5キロの帰り道をダッシュ&スキップで帰宅した!
 それから、学食、勉強、休みの日とか2人で過ごす時間が増えた。何をしてても可愛い、ポテト食べる姿、考え事してる姿、なんでもかんでも、可愛くて愛おしかった。しかし僕は記念日とかTwitterとかにあげたり自慢する様になった。馬鹿だなぁ叱ってやりたい。彼女をアクセサリーみたいに、してしまったのだ。それに気づくのは大分先のことだけど。
 僕は人生で初めて結婚したいなって思ってたけど、彼女のお母さんに怒られてしまった。門限を破ってしまったからだ。翌日夜、唐突に別れようってLINEが来た。僕は、バイト終わりに真っ直ぐ彼女の家に向かった。近所迷惑になるとか考えきれず直情で動いてしまった。また彼女を苦しめた。結局別れた。
 1ヶ月経ち僕は諦めきれずアタックした。親に隠れて付き合う様になった。けど、全然楽しくなかった。今までの自由な時間はなく、怯えながら付き合っていた。そうして1年半たって、別れた。
理由は僕の浮気って事になっている。彼女が浮気していたのに、知名度の差的に濡れ衣を着せられた。
Twitterでも、インスタでも僕の悪口はいっぱい書かれた。自殺も考えた。大学で生きていくのが辛かった。
 けど、僕は未だにちょっと気になるんだその彼女のこと。友人には恥ずかしくて言えないけど。あの時こうしていれば、選択を間違えなければって、後悔もするんだ。4年も経つのに。

思い出は時が経つほど美しくなる。
しかし、今を苦しめることもある。
思い出を考える時間があるって事は、今を生きてるから。今を生きなければどうしようも無い。

そのどうしようも無い事も僕の人生だから。

粘っこく納豆みたいで気持ち悪い男、とか自分で思いながらさ、弱いとこも自分で晒して把握して人間って弱ぇーって思いながら頑張ってさ、すげーよ、自分。

みんなコロナ乗り越えような!(笑)