デュエプレの話#3 誰も使わなくなるほど下方修正をするなら殿堂入りでいいのでは?


6/8、4枚のカードの調整が発表された。


うち1枚が殿堂入り、3枚が下方修正。
調整には誰も異論ないほど強烈なカードたちではあるものの、その内容があまりにも酷かったので記念に書き残しておこうと思う。

なお去年のドルバロムカップでマスター入りして以来ほぼ触っていないカス目線なので的外れな意見も多分に含まれているであろうことを予めお断りしておきます。それはちゃうやろという突っ込みがあればぜひ下さい。


《連珠の精霊アガピトス》

「アガピに対抗するにはアガピが必要」に足を踏み入れつつあった、現環境最大の問題児。

すべての能力の対象が2コスト以下になったことで、鉄板セットだった「ウルコス」や「アラゴライト」と絶交。即死に近いレベルだが、「サンゾン」デッキにて「ムルムル」や「エル・カイオウ」を呼び出すのに使われることが予想されている。

下方修正は当然すぎるほどの汎用性の塊であり、ビートダウンが好きな自分にとっては幾度となく辛酸を舐めさせられた相手なので喜ばしい出来事ではあるものの、これは弱体化しすぎで素直に喜べない

そもそもこのカードの汎用性の高さの原因は、《居合のアラゴナイト》にあると思う。あちらのスピードアタッカーを削除すればそれで良かったのでは? なぜ「レモン」がダメで「アラゴナイト」は許されるのか?

それに、こちらはあくまでもSRなのでこれくらいのぶっ飛んだ能力は持っていてほしい。
誰も想定していなかったほどの強さを発揮してしまったというのなら、ユーザーの情熱が生んだその栄光として殿堂入りにしてくれたほうがまだ納得ができる。引いたもの勝ちレベルのカードではないので、便利なカードとして引ければラッキー、引かれても一度処理すれば巻き返せるくらいの立ち位置のほうが似合うと思う。

使われなくなって嬉しいとか、使えなくなって残念というよりも、アガピに頼らずアガピを越えるためにあれこれ試行錯誤していたのがバカらしくなった哀しさのほうが大きい。


《驚天の超人》

一番やりすぎだと思う。即死。

コスト3から6になったが何を想定して6になったのかがまるで分からない。これくらいのタイミングなら相手の手札も尽きているしフィニッシャーに使ってねってことだろうか。デュエマやったことある?

このカードの問題は、相手の手札から2体出るというハイリスクハイリターン部分が意外とローリスクすぎることを誰も事前に予想できなかったこと。

なので、cipを発動するようにすれば良かっただけだと思う。コスト6では何が相手だろうと1ミリのリターンも無い。

「こいつ対策のためだけに使う予定のない超大型を入れる」という環境さえ無くなればよかったはずなのに、使う価値すら見出せないカードにされたのは酷すぎる。これは"調整"と呼べるのだろうか?
そもそも《運命の選択》とのデザイナーズコンボで3に設定したんじゃなかったのか?

しかしながらcipスルーを無くすということくらいは誰でも真っ先に思いつく調整のはずなので、それをしなかったということは将来のプールを見据えてのこと… と、ユーザーとしては受け入れるしかないのでしょうな。


《超鎧亜キングダム・ゲオルグ》

一番驚いた。オールタップ&アンタップがどちらも単体のみへ。

今季はマルコビートしか使っていなかったので、使ったこともないが、使われたこともほとんどないカード。たしかに出てくれば為す術もなくオラオラされてしまうが、たいていはマナゾーンに置かれているカードという印象が強い。

つまり、出すのは簡単だが活躍させるには下準備が必要、しかし場が整っていれば無双できるという、高レアリティのお手本のようなカード。
ということで正直調整しなくていいのでは?と思った。

カードパワーとしても3色最低レベルのパワー、6コスト、進化という凄まじい枷を付けられているので特別ぶっ飛んでいるほどではない。
そして調整理由にも挙げられている通りこのカードが入っているデッキにはまず間違いなく「アガピ」も含まれているので、あちらで容易に下準備ができてしまう"土台"(進化元のリクルートや時間稼ぎ、「アガピ」自身が打点要因になる点)が無くなれば、こちらも使用率は自然に落ち着くのでは?という気もする。

まあこれも今後のため、と言われれば何とも言えないが…。


《インビンシブル・テクノロジー》

一番ひどい。殿堂入り。

昔から使ったこともなく対面でも得意な相手だったことから、個人的にはあまり影響がないカードなのだがそういう問題ではないほどに酷い措置。

誰も使わないので強化します→強すぎたから1枚制限にするわw でユーザーが納得すると思われているのが問題
そもそもTCG版からレアリティを上げてまで活躍させようとしておきながら、手に負えなくなったからデッキタイプごと消滅させるというのは酷すぎる。素直に失敗を認めて、これこそ弱体化するべきだと思う。

じゃあ「キング・レムリア」や「ルナ・コスモビュー」の立場はどうなる?

一度強化したうえで制限をかけた以上、運営が「我々には調整する能力がない」と告白したも同然であり、そうでないなら「失敗を認めたくない」あるいは「2度の調整はしたくない」などの謎のプライドかと邪推されてしまうのも当然。いずれにせよ今後の方向性について全ユーザーを不安にさせているということを理解しているのだろうか?


おまとめ

「ゲオルグ」以外の3枚は何れも、実装前は運営からもユーザーからも軽視されていたが徐々に強力な戦法が編み出されたことで爆発的に広がったという共通点がある。これがカードゲームの面白さなのではないのか?

運営にも予測できないカードの強さというものは、すなわちユーザーの情熱の賜物である。それをあっさりと根こそぎ奪い取ってしまうやり方はさすがに擁護のしようがない。
せめて強さそのままに枚数を制限して構築を工夫させる面白さに持っていくか、少し物足りないけど依然として選択肢にはなり続ける程度の下方修正を頑張って模索してほしかった。仮に調整が足りなかったならば、さらにもう一度調整を加えれば良いだけである。何度も調整するのは信用に関わる話かもしれないが、自分の切り札が納得いかないままに殺されるよりはまだ好感が持てる。今回はあまりにも極端すぎる。

どうもユーザーとの間に"調整"や"殿堂入り"に対する向き合い方にズレがあるような気がしてならない。
こんなことをしていたら誰もついてこなくなりそう。


おわり

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