見出し画像

コーチングを通してみんなの可能性を期待、自らの在り方を問う。

「最初は懐疑的だった」とコーチングコースを学び始めた時の感想を話してくれた石本尚史さん(以下、ネオさん)。今では仕事はもちろん、家庭やボランティア活動、副業としてなど幅広く活用し日常に活かしています。懐疑的なところから活用に至るまでの過程には何があったのかを語ってくれました。

Co-Ative Story Vol.16 石本尚史さん
プロフィール:外資系IT企業役員、法人営業23年、うち管理職6年、某日本企業社外取締役6年、これらの経験を通したビジネスマネージメント、組織マネージメント、人材開発と、その中で培ったcoachingを副業として提供。将来的にはコーチングを使って、ハンディキャップを持つ方々をエンパワーしていきたい。


―今日はよろしくお願いします。まずは、コーチングをいつから学び始めたか教えてください。

2020年7月から学び始めて、2021年の9月にCPCC(注:CTIの認定資格Certified Professional Co-Active Coach)を取得しました。


―ちょうどCTIがオンラインを始めた頃ですかね。

そうです。だから、私はオンラインしか経験したことがないです。


―幾つかのスクールの中でC T Iを選んだ理由はなんだったのですか?

CTIを含めた3つのコーチングスクールの中から選ぼうと思って悩んでいました。CTIを選んだ一番の理由は、対面が中心であることだったんですよ。それで、始めてみたらオンラインしかなかったって言うオチだったんです笑


―ネオさん(石本尚史さん)が学び始めた2020年7月からオンラインに変わりました笑。

はい。そのままオンラインで卒業しました。

CTIに決めたのは3つの決め手があったのですが、その1つは対面でした。


―そうですか。。残り2つの決め手はどんなものがあったんですか。

1つは、会社が未来志向などを提唱していた時に、CTIのコーチング研修を受けていたことです。

もう1つは、ビジネスレベルのコーチが多く通っている印象を持っていました。どちらかと言うと、学生さんや若手の受講者が多いところよりも、もうちょっとシニアなところの方がいいかなと個人的には思ったんです。後から考えてみると関係なかったんですが、その時はそう思いました。


―入口としては、そんなポイントを持っていたんですね。ちなみに、会社でもコーチングの研修を受けたうえで、「もっと学んでみよう」と思ったのはどんな理由だったんですか。

まず、今から6年前にマネジメントの役割を持つようになりました。その時に、会社がコーチングのプログラムを作って、マネージャー全員へ展開していったんです。オンラインと対面の講座を通して、ビジネスコーチングを学びました。

その後、コロナになって時間ができて、何を学ぼうかと思った時に、マネジメントをやっていくうえで、もっと体系立ててコーチングを学びたいなと思ったんですよね。どんなに会社でコーチングを習っても、僕がアドバイスモンスターだったので、もうちょっと違う形でできないかなと思って、外部でコーチングを学ぼうかと。それとその頃は、副業の話もよく出ていました。だから、一つの手段であり、仕事の延長線上で役にも立ち、今の仕事と被らないというのがコーチングがいいかなと思ったきっかけでした。


―もう一つ、「コロナで時間ができたので学んでみようと思った」というところを聞いてみたいです。ネオさんは、学ぶことに対して意欲的だなと感じたのですが、そこにどういう意識があったのでしょうか。

学ぶことには、意欲的ですね。意欲的だと思うし、自分の能力を作ることは、人生の多くの時間を使う仕事の楽しさが増えることに繋がると考えています。そして、自分に対しての直接的な投資なので、自分の収入にも返ってきます。また、学ぶことによって人生の可能性や人脈が増えるなどといったこともあるので、余暇を寝て過ごすくらいだったら学ぶ方が楽しいなと思います。


―知的好奇心が旺盛ですね。

知的かどうかは別としても、好奇心はあります。感覚として、人がやっていて楽しそうだなと思うことを、自分がやっていないと損しちゃうと思うタイプなので笑。


―ははは。そういう思いもあってなんですね。そんな中で始まった基礎コース。初めはどんな印象でしたか。

正直、体の感覚などの感覚的なところは、体が拒否していましたね。すごく懐疑的だったなって、そんな感じです。


―そうですか。今までの研修や学びの中でもユニークなものだったんでしょうか。

そうです。ユニークだし、使わない筋肉みたいな感じで、すごく気持ち悪い。景色が気持ち悪いというより、その居場所の居心地が悪い感じでした。


―なるほど。そんな居心地の悪さを感じながらも、学びが続いていったんですよね。続けていけたのにはどんな理由があったのですか?

最初の頃は正直、始めちゃったから止まれないという感じだったかもしれないですね。


―そんな状態から、ご自身の中で変化があったから続いたのでしょうか。

基礎や応用コースは、正直お金を振り込んだ勢いでやっていた感じですね。だから、上級コースへ進んだ当初は、全くもってコーアクティブなやり方を体現できていなかったなって。頭では理解できるけれども、体現できていなかったと思います。上級コースのメンバーと最初に会った時に僕がやっていたことは、メンバーからすると多分「この人一体、何を学んできたんだろう」ってくらい、どちらかと言うとロジックとかそういう方にいたように思います。


ーじゃあ、アドバイス的なことや論理的なスタンス、言い回し、そんな感じが強かったのではないかと。

そうですね。そういう感じだと思います。


―自分でもそういう関わりをしていることには気づいていたんですか。

気づいていた…部分もあると思いますね。気づいていたんでしょうね、恐らく。

だけど、逆側がうまくできなかったんだと思います。


―気づきながらも、なかなかできなかった?

そうですね。最初にビジネスコーチングを習ってそれをずっとやってきたし、それでチームを回していたし、そこでの成功体験があったから、そこを否定するのがなかなか難しかったんだと思います。


―そんな中、上級コースでご自分の関わりが変わる経験もしたと思うのですが、そこには何があったのですか。

いやぁ、一番はやっぱり周りのメンバーです。確かに上級コースになると、それまで習ってきたことの一つひとつがよりつかめていくところはあります。でも、習うだけだったら、そんなに深まらないかなと。

やっぱり同じように学んでいるメンバーが深まっていくのを見て、自分もそっち側へ行きたいなっていう思いが強くなりました。周りがみんなそうなると、自分だけ取り残されている感じがすごく嫌でした。一番後ろを走っていたイメージがありますね。みんなにも「自分が一番後ろを走っている感じがする」って言っていましたね。その頃から、追いつきたいなって感じになっていったんだと思います。そういう意味で、周りの仲間の存在はすごく大きいですね。


―周りの仲間にも「自分が一番後ろを走っているような気がする」と言える関係だったんですね。

はい、そうですね。


―あと、社会人として経験も積んで、それなりの肩書きも持っていながら、「周りができるけど自分はできない」みたいな環境に身を置くこともなかなかないことなのかなと思うのですが。

自分としては、肩書きなどはあまり意識していなくて。ただただ、みんなができていることを自分はできていないのが嫌だなって。


―なるほど。そうやって学んで、人との関わり方が変わっていったプロセスの中での自分自身の変化はどうですか。

それはね、結構いろんな角度であるかなと思っていて。ひとつ目は、仕事以外の場が一つできたことです。コーチングは仕事でやっていることと中身も違うし、相対するクライアントも違えば、仲間も全然違う感じの人たち。そういう意味で、違う場所がひとつ増えたうれしさ、喜びがあります。

もうひとつは、他の人と協働するとか、人生に深く関わるとか、本業と目的が全然違うことをやることによって、自分の広がりが多様化している実感がありますね。


―学びに来ている人の目的がそれぞれ違うとか、そういうことですか。

クライアントや仲間と関わることで、自分が持っていない観点とか、人との関わり方だとか、そういうものが「いろいろあるな」と多様化していくというか。例えば、今までなら2〜3種類しかなかった人との関わり方が、一気に増えた感じがしますね。


―一気に増えた感じなんですね。

はい。それと、今までより人の可能性に、より期待している感じがあります。僕は、コーアクティブ・コーチングの中でNCRW(注:コーアクティブ・コーチングの4つの礎の一つ『人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である』)が一番好きなところなんですけど。怒るにしても、褒めるにしても、「まだもうちょっとよくなるんじゃないか」という期待感の元で人と接することが増えた感じがしますね。

画像1

―そういう眼差しやあり方を手に入れた。そして、そのように関わるようになったことが一番の変化なんですね。

はい。そういう気がしますね。


―そういう眼差しやあり方って、きっと相手にも伝わりますよね。コーチングではもちろん、職場や家庭でも意識的もしくは自然に活かされていると思いますが、それによって相手の反応の変化はありますか。

そうですね。どうだろうな。僕は仕事においても、結構厳しいんですよ。求めるものも高いし。なんですけど、なんとなく前よりは理解してもらえているなって感覚はありますね。「厳しく言っているのは、こういう理由だからだ」というのを相手から理解されているような気はします。


―自分がなぜ求めているのか、なぜあなたに依頼をしているのかなど、相手が理解し、納得してできるような関わりをするようになった。

そうですね。期待感みたいなものが伝わる感じかなという気がします。


―目の前のやることが何の為なのかを伝える中に、相手の可能性を信じていることがネオさんの伝え方、あり方から伝わるのでしょうね。

そうですね。チームを率いてリーダーとしてやっていく中で、自分がどうありたいか、チームとしてどうなっていきたいか、そこにいるメンバーにどうなってもらいたいかを考えるようになりました。どんどん前に進むことももちろん必要なんだけど、対極的なところにある「どうありたいか」という視点を持てるようになったことで、前へ進む力が強くなった感じがしますね。何のためにやっているのかって話ですよね。


―仕事以外でもコーチングは行っているのですか?

今は、副業としてコーチングをやることを会社に承認してもらっています。自分の知り合いにコーチングをやることも一つのやり方だと思うのですが、それだと自分の中であまり広がりを感じられないので、全然知らない人に対してコーチングをやりたいなと思っています。コーチングのマッチングのプラットフォームに登録をして、常時6〜10人くらいのクライアントを持って、1セット6回くらいのコーチングを継続してやっています。毎週土日の午前中に1時間×3セットとかやっています。


―結構、ハードそうに聞こえますが。

そうなんですけど、逆に土日しかやらないし、そういう決められた時間の中でやりたいなと思っていたので、その日はまとめてガーっとやる感じですね。


―そうなんですね。コーアクティブな関わりを手に入れたことで、ネオさんの可能性は学ぶ前よりも広がったと思うのですが、いかがですか。

それはすごくありますね。やれることがまだまだあるな、もっとあるなと言うか。


―「自分にはもっとできることあるよね」と。

はい。もっといろいろとかけ算したい感じですかね。それはすごく思うようになりました。


―自分の可能性も見えて来るし、同時にそれはもっともっとできるだろうっていう声にもなっているし。セルフマネジメントも日々やっている感じですね。

そうですね。人としてのあり方なんじゃないですかね。コーチングの場面でもマネジメントの場面でも、相手にもそうだし、自分にもNCRWを持つという話だと思います。

画像2

―自分へのNCRW、自分の可能性に期待するところがすごく強化されたのは間違いないですね。

はい。そこはすごくいい影響をもらっている気がします。


―最後に、そんな可能性も感じているネオさんが、「この先の未来をこんな風にしていきたい」というあたりをぜひ聞かせてください。

僕は、外資系でビジネスをやってきたビジネス側の人間です。だから、コーアクティブ・コーチングは、ある種、対極です。IQとEQの世界のような感じでしょうか。その対極の2つをうまく掛け合わせて、自分のアイデンティティや能力を使い、自分のやりたいことをやっていきたいと思っています。

これまで、障がいを持っていたり、家庭環境が厳しかったり、あとは海外の貧しい国の人たちのボランティア活動をやってきました。その中で、その人たちの可能性をとても強く認識できました。ビジネスで得た経験と、コーチングで得たNCRWな人との関わり方をうまく掛け合わせて、そういう方々を支援することもやっていきたいと思っています。そのために、自分の可能性への期待と同時に、それをやっていくために自分を広げていきたいです。

こうやって話してみると、コーチングを学ぶことで、「自分がどうあろうかと考える」ということに気づくことができたなと思います。


―そうなんですね。対極を手に携えて進んでいったら、どんなことが可能になるのか楽しみですね。

そうですね。すごくおもしろいかなって思います。


―引き続き応援しています。今日はありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?