見出し画像

【試し読み】vol.10 『クトゥルフと帝国』の時代|えくすとら

本記事は、公式アプリ「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」にて、有料プラン加入の方向けに公開中のアプリ限定コンテンツ、「クトゥルフ神話TRPG えくすとら」の試し読み記事です。

#コラム


■文:蓮見かるほ/アーカム・メンバーズ
■画:米田仁士

 『クトゥルフと帝国(以下「帝国」)』とは、1920年代~1930年代の日本を中心としたソースブックです。当時の時代背景、文化、交通、土地柄について、ゲームプレイをより楽しくする情報がぎゅっと詰まっています。今回は「帝国」で紹介される1920年代日本の魅力やプレイのヒントを紹介します。

「クトゥルフ神話TRPG えくすとら」Vol.10
クトゥルフと帝国

1920年代日本の生活
 1920年代当時、日本に住む一般的な探索者の暮らしはどのようなものだったのでしょうか? 少し遠回りになりますが、歴史的な背景から触れましょう。
 当時の日本は文明開化から数えて約60年が経ち、本格的に近代国家として認められるようになりました。特に大きかった要因は日清・日露戦争への勝利でしょう。一方で軍備増強のために掛けられた重税は平民を苦しめ、さらに1923年には関東大震災が発生して東京は壊滅的な被害をこうむりました。しかしトータルで見れば、こうした出来事を補ってなおエネルギーのあった時代です。事実、関東大震災から急速な復興を遂げた東京は人口が急増。文化活動が急速に花開きました。
 国力が強まり暮らしにゆとりができたことから、裕福な華族でも貧乏な貧民でもない「中流階級」が生まれたのもこの頃です。男性であれば会社に勤め、仕事帰りに大衆食堂でカレーライスやオムレツなどの洋食を口にする。若い女性であれば洋装で街に出かけてウインドーショッピングを楽しむこともありました。当時生まれた企業や産業には現在まで続く老舗も少なくありません。100年前の「今」は、現代の暮らしとも通じるところがあるわけです。

「クトゥルフ神話TRPG えくすとら」Vol.10

続きは公式アプリ「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」にてご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?