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【試し読み】vol.12 シナリオ「Disco Inferno ディスコ・インフェルノ」|えくすとら

本記事は、公式アプリ「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」にて、有料プラン加入の方向けに公開中のアプリ限定コンテンツ、「クトゥルフ神話TRPG えくすとら」の試し読み記事です。

#シナリオ

※シナリオ内容のネタバレを含みます。閲覧の際はご注意ください


文:七峰きざし/アーカム・メンバーズ
イラスト:戯屋べんべ

 都内にできた高級ディスコ。ここでは身分、階級、人種はおろか、種族すらも差別されない。
 舞台は1986年日本。日本はバブル景気の真っただ中である。それぞれの理由でディスコ「インフェルノ」に訪れた探索者は、その中で巻き起こる奇想天外な事件の数々に翻弄(ほんろう)される。

1. はじめに
 このシナリオは“新クトゥルフ神話TRPGルールブック(以下“ルールブック”)”に対応しており、探索者3~4人向けにデザインされている。プレイ時間は探索者の作成を含まずに3~6時間程度だろう。
 舞台は1986年の日本、都内のとある場所にできた高級ディスコだ。物語はほとんどディスコ内部で完結するもので、探索者は積極的にディスコ内部を調査する必要がある。
 トーンはB級ホラーのようなもので、どうあれ最後はどんちゃん騒ぎになるだろう。シナリオ内での時間経過ごとにイベントを用意しているが、キーパーは好きなタイミングでこれらを発生させてもよい。
 また、多くの情報はNPCとの対話によって得られる可能性が高い。他者に話しかけることに抵抗のない探索者は、このシナリオにより適しているだろう。

2. キーパー向け情報
 ディスコ「インフェルノ」のオーナー、居庵経人(いあんのりと)は人狼だ。普段は人間の姿だが、月を見れば獣の姿に変わってしまう。
 居庵は人間社会に溶け込むための努力はしてきたが、居心地の悪さを拭えないでいる。ある時、居庵はアメリカにある「studio54」というディスコに着想を受け、誰もが自由であれるディスコ「インフェルノ」を作り上げた。「インフェルノ」の経営理念は、身分、人種、種族に関係なく、ふさわしい者が入場できるというものだ。客は日本人、外国人、富裕層、貧困層、人間、まれにゾンビ、ミイラ、原人、クトゥルフの奴隷、吸血鬼などである。
 ある時「インフェルノ」のうわさを聞きつけて1人の吸血鬼がやって来た。彼は諸星フミヤという名前で、ニャルラトテップの化身「月に吠えるもの」を信仰するカルトの司祭でもある。この混沌を極めるディスコに目を付けた諸星は、居庵の個室に魔道書『暗黒の大巻』を置いた。この魔道書には月に吠えるものの力が宿っており、それを手に取った居庵は月に吠えるものの宿主にされてしまった。
 これに呼応したニャルラトテップは、「インフェルノ」に満月のオブジェ「シャールノスの月」を生み出す。人狼の居庵は、この月を仲間とともに本物の月を見ることができない自分への神からの贈り物だと信じ込んだ。
 シャールノスの月は人々の欲望を吸い取り成長している。まもなく「門」として地球とシャールノスをつなぐ。そして、ニャルラトテップの宿主となった居庵は、完成したシャールノスの月を見ると、内に眠る月に吠えるものに変身してしまう。
 まもなく「インフェルノ」は、文字どおり地獄の様相になる。探索者は「インフェルノ」を中心に巻き起こるさまざまな事件を追いながら、月に吠えるものの顕現を阻止しなければならない。

「クトゥルフ神話TRPG えくすとら」Vol.12

続きは公式アプリ「クトゥルフ神話TRPG ルールブックPLUS」にてご覧ください。

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