ミッシェル・ガン・エレファントのアナログ盤の特記事項覚書
トリビア系の記事です。
※基本的にジャケットが違うだけの盤は取り上げない(収録内容などに変更がある盤で、かつジャケットがCDと大きく違う場合にのみ言及)
●アルバム
◆wonder style
高橋未所持。
・95年に自主製作レーベルから発売されたアナログ盤が存在する。
検索しても情報がほとんど出てこない。
幾つかの作品のアートワーク内に品番などの情報が乗っている他、『TMGE 106』の付属ライナーには辛うじてジャケットとレーベルの画像が掲載されている。
現在中古市場にあるアナログの殆どは2000年にトライアドから発売された再発盤と思われる。
・CDではmonoミックスで収められている表題曲「wonder style」がアナログ盤ではステレオになっているらしいという未確認情報あり。
・2013年にタワーレコード渋谷店の展示スペースSpaceHACHIKAIで行われた企画展「SHIBUYA RIOT!」では、今作のテストプレス盤LPが展示されていたらしい。
◆cult grass stars
高橋未所持。
・「dallas fried chicken」が「devil impression version」なる別バージョン。
・CD未収録曲「back to 57」を収録。曲順としては「dallas fried chicken」の後に挿入されている。この曲でギターを弾いているのはウエノ氏らしい。
・アートワークが全面的に異なる2枚組仕様。
・1996年に自主製作レーベルから発売されたオリジナル盤と2000年にトライアドから発売された再発盤の二種がある。
どうやらオリジナル盤に関しては数百枚しか刷っていないらしく、入手はおろか市場で見ることすら難しいと思われる。現在ネット上の中古店やオークションなどで販売されているものは殆どが再発盤(でも再発でも結構高い)。
◆High Time
高橋所持。
・タイトルが『is this High Time?』に変更されており、実質別作品の扱いになっている。(ただ厳密に別のアルバムとして扱っている場にはあまり遭遇したことがない…)
・曲順がCD盤とは完全に別物になっている。「キャンディ・ハウス」「スロー」の2曲は未収録。(ということは「キャンディ・ハウス」のtexas styleバージョンは未アナログ化?)
・「bowling machine」は「motor pool version」なる別バージョン。
別テイクと思しき内容で、更にCD版で全編に被っているボウリングのSEが無い。CD版に入っている「ストライーク!」「ガーター…」の掛け声もなく、代わりに軽めのシャウトが入っている。
・「blue nylon shirts」は「from balcony」なる別ミックス。
CD版(”from bathroom”)でボーカルにかかっていたエフェクトが外されているほか、全体のミックスもやや異なっている。
ただベスト盤に「blue nylon shirts」が再録される(『TMGE 106』『THEE GREATEST HITS』)際には何故か必ずこのバージョンが選ばれているため、アナログを入手しなくても聴ける。
2023年現在、上記2曲のCDバージョンは恐らく未アナログ化。
・「Baby, please go home」は後に『TMGE 106』に収録された編集バージョンとは編集の仕方がかなり異なる。
イントロの音合わせが全面的にカットされており、いきなりドラムのフィルインの部分から始まる。アウトロも「wave'33」のイントロ部分でフェイドアウトする処理がされている。
また、この曲がアナログ化される際には必ず「wave'33」がカットされているため、2023年現在「wave'33」を含んだフルバージョンは未アナログ化のままと思われる。
・1996年にリリースされたオリジナル盤と2000年にリリースされた再発盤の二種が存在。どちらもトライアドからリリースされたもの。
中古市場では再発盤の方が数が多いものの、『cult~』ほど生産枚数を絞らなかったらしく、オリジナル盤もたまに見かける。
発売日表記の文字が非常に小さいため確認しづらいが、ジャケット裏の品番(オリジナルがCOJA-9157、再発盤がCOJA-50343)とトライアドのロゴ(再発盤はロゴが『Chicken Zombies』前後の作品から使用されはじめた髑髏モチーフの独自ロゴになっている)で判別できる。
・アートワークがCD盤と全面的に異なる。CD盤のアートワークに使われているビデオの別カット?ライナーは元から入っていない。
◆Chicken Zombies
高橋所持。
・曲目等に表記はないが、「COW 5」はCD版とはテイクの異なる別バージョンが収録されている。メンバーのシャウトが響くガレージ色の強いアレンジが施されており、風のSEも入っていない。
2023年現在、CDバージョンは未アナログ化のままと思われる。
・アートワークがCD盤と全面的に異なる。ジャケットの元ネタはThe Who『Odds & Sods』。この写真はリリース当時販促ポスターなどにも使われていた。
インナーにもCDには使われていなかった写真(ジャケットと同じ格好でグラウンドで暴れるメンバーの様子)が使用されている。
・恐らく今作から2000年再発はなし。
◆GEAR BLUES
高橋所持。
・CD盤の歌詞カードに掲載されているメンバー写真をあしらった内袋が付いた、2枚組LP仕様。
・曲目等には表記はないが、「ダニー・ゴー」はCD版と同じテイクの完走後に、口笛を軸にした静かなセッションの様子が収められているロングバージョンが収録されている。
ただ、近年になってリリースされたベスト盤『THEE GREATEST HITS』にこのバージョンが収録されCD化されたらしい。よってこの音源はアナログを入手しなくても聴くことが出来る。
CDバージョンに関しては海外盤LP(後述)でアナログ化されている可能性がある。
・なお、上記の「ダニー・ゴー」のLPバージョンに関しては『TMGE 106』に掲載されている楽曲リストにはなぜか未掲載。このリストは他にも抜けがいくつかあり、先述の「dallas fried chicken」のdevil impression versionも掲載されていない。
その割には「COW 5」のCDバージョンとLPバージョンは分けて掲載されており、リストに於ける別バージョンのカウントの基準がよくわからない。同一のテイクを基にしたバージョン違いはカウントしないとか?でも同一テイクの別編集と思しき「世界の終わり」のバージョン違いは二つとも掲載されているしなあ…(ただ単純に忘れている可能性も高いか…)。
◆RUMBLE
高橋所持。
・別バージョンでアナログに収録されていた楽曲も全てCDと同じバージョンで収められている。そのため「君に会いにゆこう」「スピーカー」(CD版)の2曲はこれが初アナログ化。
◆Rodeo Tandem Beat Specter
高橋未所持。
・ジャケットがCD盤と異なる、二枚組LP仕様。
・CDとは曲順が異なっている(2つのインスト曲の収録位置が違う)。
・曲目等に表記はないが、「リタ」はCDとはアレンジが異なる別テイクが収録されている。そのため2023年現在、CDバージョンは恐らく未アナログ化。
・今作を最後にLPにおける別バージョンの収録は途切れる。
●シングル
特記なき項目は全て7インチ盤。
◆キャンディ・ハウス
高橋未所持。
・赤いカラーヴァイナル仕様。
・カップリングに「automatic (blue hawaii version)」を収録。CD版とは別テイク。このバージョンは一切再発されたことが無く、また生産数も少ないようで中古市場で高騰が続くアイテムの一つとなっている。
・アートワークがCD盤と全面的に異なる。
・シングル盤収録のライブ音源2曲は未アナログ化。
◆リリィ
高橋所持済(現在手元に無し)。
・B面はCD盤とは異なり「スロー」が収録されている。音源はアルバムと同じ。
・アートワークがCD盤と全面的に異なる。また、裏ジャケットにレコードを取り出しやすくするための切り込みが入っている。
・CD盤収録の「君に会いにゆこう」は『RUMBLE』のLP盤でアナログ化。「automatic (super KARAOKE)」は未アナログ化。
◆ゲット・アップ・ルーシー
高橋未所持。
・12インチ盤。
・「スピーカー」はイントロの前にスタジオのエンジニアの指示?の声が入った音源が収録されている。(テイク自体はCD版と一緒?)
・アートワークがCD盤と全面的に異なる。チバ氏の手書き文字をベースにしたインナーが付いている(この仕様は前作「カルチャー」からの流れを汲んだもの)。
◆VIBE ON! / あんたのどれいのままでいい
高橋所持。
・ツアー会場および通販で販売された限定シングル。シリアルナンバー付き。
・ジャケットは青と赤の二種類。ネット掲示板でのTMGEに関する質問専用のスレッドの頻出項目をまとめたサイト(現在閉鎖)の記述によると、会場では青→赤の順で売られており、その後の通販ではどちらも購入できたらしい。
・「VIBE ON!」は後に『TMGE 106』に収録、「あんたのどれいのままでいい」は2枚同時発売のベスト盤『GRATEFUL TRIAD YEARS』を纏めた限定ボックス『GRATEFUL TRIAD YEARS DELUXE EDITION』の特典ディスク『rare tracks』に収録されたため、両曲ともCD化されている。
ただし「VIBE ON!」が一般流通のベスト盤に収録されたのに対して、「あんたのどれいのままでいい」はボックス特典の『rare tracks』以外では再発されていないので若干入手困難気味。
◆G.W.D
高橋所持。
・B面はCD版と異なりThe Boysのカバー「Sick On You」が収録されている。同音源はコンピレーション盤『LONDON NITE 20th anniversary EXTRAX』でCD化済み。
・アートワークがCD盤と全面的に異なる。
・CD版収録の「Jab」は新宿Tiger Holeから3000枚限定でリリースされたJIGHEADとのスプリット7インチ『thee michelle gun elephant vs JIGHEAD』でアナログ化されている。
◆GIRL FRIEND
高橋未所持。
・12インチ盤。
・CD盤は表題曲一曲のみ収録だが、B面に「GIRL FRIEND (THE LOVE GROCER DUB REMIX)」を収録。イギリスのバンドLOVE GROCERによるダブMIX。CD化はされていない。
●その他
◆7inch Vinyl Box
高橋所持。
・1999年1月に発売された7インチシングル6枚組のボックス。ラインナップは以下の通り。
「世界の終わり」
「キャンディ・ハウス」
「リリィ」
「バードメン」
「G.W.D」
「OUT BLUES」
・ジャケットや盤の仕様は統一された規格に変更されている。そのためカラーヴァイナルだった「キャンディ・ハウス」は黒の通常盤に、ジャケ裏にレコードを取り出すための切り込みが入っていた「リリィ」は切り込みが無くなり、ゲートフォールド(見開き)ジャケット仕様だった「OUT BLUES」は通常のジャケットに、それぞれ仕様変更されている。
裏ジャケットから販売用の定型文やバーコードが削除されているため、レイアウトもオリジナルと多少の違いが生じている。
また各盤のジャケットの紙質や印刷の仕様もオリジナルのものとは風合いが異なる。
・ラベルもこのボックス用の統一されたデザインの色違いのものが各盤に使用されているため、オリジナルと同じラベルの盤はない。
・「キャンディ・ハウス」のB面はCDと同じ「automatic (transistor version)」に差し替え。同曲はこれが初アナログ化だが、一方で同曲の「blue hawaii version」は再発の機会を逃すことに。
なお、「キャンディ・ハウス」と同じくCDと7インチでカップリングが違う「リリィ」「G.W.D」の二枚には変更は無し。
・「世界の終わり」のシングル盤は当時アナログがリリースされなかったため、これが初の7インチ化となる。更にシングルのみ収録の別ミックス・編集が施された「smash hits version」は2023年現在、これが最初で最後のアナログ化。
●付録:海外リリース
※この項のみ、例外的に収録内容がCDと同内容でも取り上げます。
◆Thee Michelle Gun Elephant VS The Bristols
高橋未所持。
・イギリスにてVINYL JAPANからリリースされた、The Bristrolsとのスプリット7インチシングル。初回プレスのみカラーヴァイナルで、水色の盤とクリアーヴァイナルの盤の2種類があるらしい。
・収録曲は「VIBE ON!」。シングル盤と同一音源。
◆RUMBLE
高橋所持済(現在未所持)。CD盤を所有。
・イギリスのDamaged Goodsレーベルからリリースされた編集盤EP。10インチ盤。CD盤もある。
・アルバム『RUMBLE』とは同名の別作品で、ジャケットも全く違う(ただ、ロゴのフォントやバンドのキャリアを解説する英文など一部の要素はアルバムと同じものが使われている)。裏ジャケットに使われているアーティスト写真は『GEAR BLUES』のアートワークに使われていたもの。
・収録曲は以下の通り。CD盤も同内容。
4曲目の「Bowling Machine」のライブ音源はダブリンでの公演の様子で、恐らくこの盤でしか聴けない音源になっている。
◆West Cabaret Drive
高橋所持。
・アメリカのEstrus Recordsからリリースされた7インチシングル。初回プレスのみクリアーブルーのカラーヴァイナル。
・収録内容は以下の通り。全曲CDと同内容。
◆Plasma Dive E.P
高橋未所持。
・イギリスのDamaged Goodsレーベルからリリースされた編集盤EP。10インチ盤。同内容のCD盤もあり、ジャケットがそれぞれ違う。
・収録内容は以下の通り。CDも同内容。この盤のみの別バージョンが収録されているという話は聞いた事がないので、基本的に日本でリリースされたものと同内容と思われる。
◆Get Up Lucy
高橋未所持。
・スペインのMunster Recordsからリリースされた7インチシングル。ピクチャー盤。A面にはアルバム『RUMBLE』リリース時のものと思しき写真が、B面には『GEAR BLUES』リリース時のものと思しき写真が使用されている。
・収録内容は以下の通り。B1の「スモーキン・ビリー」は『GEAR BLUES』からのカットという記述もあるため、基本的にCDと同音源と思われる。
◆GEAR BLUES
2000年に海外のレーベルから2つのエディションのアナログがリリースされている。全エディション高橋未所持。
・スペインのMunster Recordsからリリースされた盤は10インチの2枚組という珍しい仕様。初回プレスはホワイトヴァイナル仕様らしい。
インナーやレーベルのデザインが国内盤と若干異なる。
・アメリカのAlive Recordsからリリースされたエディションは国内盤と同じ12インチLPだがクリア―パープルとクリアーグリーンのカラーヴァイナル仕様で、更に「ジェニー」を収録した片面7インチが付属する。この7インチも黄色のカラーヴァイナル仕様。
こちらはほぼ国内盤と同じデザインになっているが、レーベルは前面白黒写真に変更されている。
7インチのレーベルは『RUMBLE』期に使われていたロゴを使ったデザイン。
・なお、『GEAR BLUES』はアメリカのSky Dogから海外盤CDもリリースされており、こちらには「ゲット・アップ・ルーシー」と「CISCO」を収録したボーナスディスクが付属していた。
◆番外編:ELVIS
高橋未所持。
・アメリカツアーの会場にて販売されていたらしいカセットテープ。
discogsの記述によるとレコード会社・レーベルの表記等は無いようだが日本製らしく、恐らく日本コロムビアが国内で製造したものと思われる。
ジャケットの裏に「U.S.A. LIMITED」の表記がある。
・収録内容は以下の通り。情報が少なすぎてCDと同一音源なのかも不明。
・このリリースについて触れているメディアが極端に少なく、バンドが活動していた当時から解散ツアーのパンフレットぐらいでしか紹介されていなかったらしい(私も『VIBE ON!』の項で触れた、某巨大掲示板の質問スレのまとめサイトで存在を初めて知った)。現在もdiscogsぐらいにしか情報がない。