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#WDPDTW読書会 1983 Week 38:エボニーのインタビュー記事

Tudahlさんのを1週間分ずつ読む#WDPDTW読書会で聞いたことのメモと感想です。2023/09/23配信分。(Sunday, September 18, 1983–Wednesday, September 21, 1983)


マイルズ・マーシャル・ルイスさん

今回のゲストのマイルズさんは、『プリンス・インタヴューズ』の最後の章の、エボニーのインタビューをした方です。

Tudahl本の1983年9月20日の中で、このインタビューの一部が引用されています。プリンスが、The Beautiful Onesについて語っているところです。

ということで、まだ読み終わっていない『プリンス・インタヴューズ』の最後の章、「ブラック・インタヴュー」を急いで読んで、読書会動画をみました。

マイルズさんのインタビューはプリンスの最後のインタビューのひとつで、最重要なものだと『プリンス・インタヴューズ』に書いてあります。読書会では、本人がインタビュー全体を読んでくれました。

とくにプリンスのまねをしているわけではありませんが、プリンスがしゃべったところは、低めのトーンで読んでいました。実際に会話をした人による再現ですからドキドキしてしまいます。動画の1:12辺りからです。

ポッドキャスト(マイケル・ディーンさん→マイルズさんインタビュー)

読書会プレイリストにもありましたが、エボニーのインタビューについて、マイケル・ディーンさんが、マイルズさんにインタビューしているポッドキャストも聞きました。インタビューの様子が詳しく分かります。Joshuaと話したのはスタジオA辺りでした。10分ほどのインタビュー後、Joshuaからプリンスが話をしたがっていると伝えられ、その後プリンスが現れてハグをして、2時間のインタビューとなりますが、それはスタジオBだと言っています。Joshuaのインタビュー後に移動したのかもしれません。スタジオAだったら天井も高そうで広々としていると思います。スタジオBのほうが狭いはずで、より親密な感じがします。

1時間半ほど話して、今度はマイルズさんが緊張しながらピアノを弾いているあいだに、プリンスはいったんどこかに行ってしまって、また戻ってきたみたいです。

このポッドキャストは細々とした裏話がありつつ、マイルズさんのプロ意識と、かなり熱心なプリンスファンとしての気持ちの両方を感じられます。そして、プリンスがしゃべった内容についても、このポッドキャストの中で再確認できます。

Waxpoeticsに書いたマッドハウスの記事

そしてそして、プリンスがマイルズさんと話をする前に読んだという、マイルズさんがマッドハウスについて書いたWaspoeticsの記事があります。長めの記事で内容も濃いものです。

記事を読むと、他のアルバムもそうですが、マッドハウスをずいぶん聴き込んでいて、プリンス情報も、私には判断できませんが、かなり調べ上げて整理して書いているように感じます。プリンスの目に留まったというのも不思議じゃありません。

まとめ

Waspoeticsの記事もポッドキャストも、どちらも中身が濃かったです。

  • Waxpoetics Issue 50にマイルズさんによるマッドハウスの記事掲載(2012年? 2015年?)

  • 2014〜2015年:書籍執筆の検討(回顧録としての契約は2015年11月?)

  • 2015年8月24日:エボニーのインタビュー

  • 2015年8月28日:エボニーのサイトにインタビューの一部掲載

  • 2015年9月7日:Hitnrun Phase One

  • 2015年12月12日:Hitnrun Phase Two

  • 2015年12月22日:エボニーのサイトに全体的にインタビューを掲載

  • プリンスからの要請を受けて記事削除(12月22日か23日頃)

  • 2016年2月16日:Piano & A Microphone ツアー初日の2公演目で、Over The Rainbowを弾く(princevaultでは「tease」となっているので、さわりだけ、ということ?)。前日にヴァニティ(デニース・マシューズ)永眠。

  • 2016年3月18日:回顧録の執筆をアナウンス

プリンス広報が言う削除要請の理由は、オフレコの内容が含まれていたということのようです。プリンスがインタビューで話しすぎてしまったと感じていたのだろうか、と動画(またはポッドキャスト)で振り返っていました。実際、ふだんのプリンスは過去について話すのを嫌がるのに、この時はかなりしゃべってしまっているのです。

マイルズさんは、インタビューのときは、過去のことを具体的にきかないように、ある程度気をつけたとポッドキャストの中で言っていましたので、話を振っていないのに出てきたトピックもあったのでしょう。マイルズさんから質問している過去の話題もありますが、インタビュー記事を読む限りは、The Beautiful Ones(曲)のこと最初に口にしたのはプリンスでした。

かなり勝手な推測ですが、ひょっとすると、プリンスが回顧録の中で書くつもりだった内容とかぶるくらい大事な話題を、インタビューでしゃべってしまった可能性もあると思いました。このインタビューのあと、半年少し経って、プリンスは回顧録を書くと発表しました。インタビューのときには何か準備を始めていたかもしれません。

勝手な推測はまだ続きますが、回顧録のほうの『The Beautiful Ones』を読むと、書籍執筆の計画は、(2014年から始まり)2015年の初頭には歌詞の詳しい解説集という案が出たまま止まっていて、11月になって回顧録という形で動き出したとあります。エボニーのインタビューはこの狭間の8月に行われています。

インタビューでは、回顧録を書くことには、一応、否定の答えでした。

過去の曲のリマスターをする予定があるかという質問に対しては、やりたいと答え、さらに、詳細なライナーノーツをつけたいと追加情報をしゃべっています。これは、回顧録に書いてあった最初の出版計画と一致します。

プリンスがいつも真意を話すわけではないとしても、インタビューで発せられた言葉と回顧録の記載を追う限り、プリンスの考えが変わっていく流れに不自然さがありません。マイルズさんのインタビューが影響したのかどうかは、誰も知ることはできませんが、8月のインタビュー後のどこかの時点で、プリンスは出版の企画を回顧録へ変えたと考えていいのではないでしょうか。

12月になって、プリンスは、8月に行ったインタビュー記事を読み、その中に、回顧録へ書きたいことが含まれていると考えた可能性がもしかするとあるかもしれません。そうだとすると、このインタビューは、プリンスが回顧録で書きたいことを含んでいる、ということになります。削除の理由は、回顧録とかぶることだったのかもしれません。妄想が入ってしまいましたが、このインタビューが、すごい貴重であることは間違いなと思います。

2015年8月のインタビューは、当初、Joshua Weltonに複数人でインタビューすることになっていたのに、マイルズさん1人でのインタビューに変わり、当日は、マイルズさんに話をしたいからといってプリンスが急に現れたということらしいです。Waxpoeticsの記事を読んだプリンスがマイルズさん1人とだけ何かを話そうとしていたことは確かなのではないでしょうか。

マイルズさんのサイト

https://www.mmlunlimited.com



読書会の動画

https://www.youtube.com/watch?v=ofYruIv3oWY&t=4341s

読書会のプレイリスト

https://youtube.com/playlist?list=PL6YE_-qkWwSm_pRxbhhmdrd7_j82mFp0E&si=cFBoVpY__ao75z5a

読書会のサイト

https://www.polishedsolid.com/what-did-prince-do-this-week/

https://bookclub.polishedsolid.com/

Duane Tudahlさんのサイト


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