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#WDPDTW読書会 1983 Week 39:フレッシュな人とプリンス

Tudahlさんのを1週間分ずつ読む#WDPDTW読書会で聞いたことのメモと感想です。2023/09/30配信分。September 28, 1983

とうとうプリンスは、サンセット・サウンド・スタジオでの録音作業を切り上げて、ミネアポリスに戻り、映画撮影に入る段階になりました。9月28日には、スタジオ1が使用されていますが、プリンスはとくに作業しなかったもようです。

1983年6月ごろからパープル・レインの準備は始まっていたと思いますが、とくに8月3日のファースト・アベニューでのライブから9月にかけては、怒涛の2か月でした。8月21日の節でDuaneさんが書いていますが、「プリンスは24日間ぶっ通しでスタジオにいた」のです。短めの日もありましたが、15時間くらい平気でいることもしばしば。読んでいるだけで疲れました。

これでひと段落ではなく、撮影もあり、他にもまだ曲を作るので、ミネアポリスに帰っても10月は10月で忙しくなりそうです。

今週の読書会は、本の内容も確認しましたが、メインはゲストのお話でした。


高校生が企画したプリンス展

Week 39のゲストはJesse Jenkinsさん。Newark(ニュージャージー州)で開催されているイベントのことをお話してくれました。このイベントは、読書会で数週間前から紹介されていました。高校生が企画したプリンス展となります。Jesseさんは高校生のサポートをしたということでした。

お話を聞いていると、参加した高校生が、プリンスのことを自分で調べて、考えて、自分の意見を持って、展示を作っていっている様子が伝わってきました。有名人をただ褒めるだけの展示ではなく自分の視点をしっかり持っているところが立派です。

Jesse Jenkinsさん:ペイズリー・パークでのお仕事(短期間)

Jesseさんのことをよく知らないまま読書会動画を見ていましたが、どうやらペイズリー・パークで働いていた方のようです。リハーサルにも参加していて、プリンスに、ちゃんとグルーブ作らないとだめだよと言われて、どうしようもないからクラップして踊ったというようなことをお話していたと思います(たぶん)。

Jesseさんは、ミュージシャンではありませんし、でも、プリンスからコンタクトがあり、プリンスと一緒に仕事をしたというのですが、どんな仕事だったのでしょう。

読書会のスライドショーを見直すと、今回お手伝いしたプリンス展のものと思いますが、紹介文が載っていました。お仕事は、ペイズリー・パークのライブ(Paisley Park After Dark)についてビデオ・レビューすること(YouTubeでのレビュー?)、ペイズリー・パークのスタジオツアー(2015/11/7にヨーロッパのジャーナリスト5人が来たときにパーク内を案内した)、リハーサルの際のテレプロンプターを含むとのことです(テレプロンプターで何をするかというと、リハーサルのときにセットリストに従って歌詞を用意して、表示する係のようです)。読書会の動画を見直して、お仕事内容がわかったので、かっこ内に追記しました。

#WDPDTW 1983 Week 39 スライドショー
#WDPDTW 1983 Week 39 スライドショー

Jesse Jenkinsさん:インタビュー動画など

Princevaultを見てみると、Jesseさんは、Youtubeで3rdEyeGirlのLive Out Loudのレビューをしていて、その時、プリンス側から音源ももらったということがわかります。

読書会プレイリストに入っている、マイケル・ディーンさんのポッドキャストを聞くと、Jesseさんが、2013年から2015年くらいにプリンスと関わった話を聞くけるので、経緯がわかります。

Live Out Loudのレビューをした頃のJesseさんのYouTube動画。まだ高校生くらいでしょうか、本当に若いです。2013年2月と3月の動画ですが、3月の動画は、SXSWのライブに招待されたときの感想を話しています。


私はリアルタイムで3rdEyeGirlのストリーミングのリリースをチェックしていませんでした。2012年末頃から、いろんな動きがあったのですね(KID
さんのサイト参照)。

Plectrum Electrumのアルバムはほぼリアルタイムで買いました。ロックな音と、少し後ろから歌うプリンスの声が好きです。プリンスのリードボーカルもいいなー。アルバムを聴くと、胸がキュンキュンしてしまいます。

この時期に、プリンスは若いJesseさんと向き合っていたのだと知って感動しました。ファン歴が長くなると、過去の作品と比べたり、意見がこり固まって柔軟な気持ちで聞くことができなくなりがちですが、きっとプリンスは、そういう聴き手(だけ)ではなく、新鮮な聴き方をできる人をターゲットに音楽を作っていたんじゃないかと思います。ターゲットにしたというか、新しい音楽を作るには、新しい人との交流が必要だと感じていたというべきかもしれません。その結果がこの時期の音だったのかもしれません。知らんけど。

… creating a new music is like meeting a new friend. 
「新しい音楽を創造する事は新しい友達に会うようなものです」

プリンスの受賞スピーチまとめ;翻訳付き②1990〜1994

1990年の発言です。プリンスは、知れば知るほど意味不明な人ですが、この発言には一貫性がありそうです。2010年代でも同じようにして新しい音楽を作っていたのは、ミュージシャンとしてのプリンスの真実なんだろうと思います。

読書会のチャットでも新人起用についてのコメントを見たことがあります。パープル・レインでも、本格的な映画は未経験のマグノーリさんを起用してますし、回顧録のダン・パイペンブリングさんも若い方でした(きっと、Week 38のゲスト、マイルズさんみたいな人だと、プリンスも楽に仕事ができたかもしれませんが、回顧録ではそういう仕事をするつもりではなかったのでしょう)。マグノーリさんは、状況的にたまたまだったかもしれませんが、その後のフレッシュな人の起用は意識的というか、プリンスのクリエイティビティの必然だったのかもしれません。

新しい友達と会うという感性は、どんなアーティストにも当てはまるかもしれませんが、プリンスは、それを何十年も本気で実践していたのではないかと思います。恐ろしい人です。

Jesse Jenkinsさん:いまや成長してメンターになってる

Jesseさんは、文筆活動をメインとして自分の道を歩み、立派な若者に成長しているようです。

読書会でのJesseさんのお話は、音楽、プリンス、アートへと話題が広がって、深くて広くて、感動してしまいました。Jesseさんは、本を書いたり、ボタン作家でもあったり、自分らしくしっかり生きています。being myself というワードが何度か出てきましたが、自分らしくあるという、プリンス哲学の大きな柱を地で生きていることが伝わってきました。だから、すてきな会話になったのだろうと感じました。

プリンスとのコミュニケーションの話では、プリンスはmutual communication(双方向のコミュニケーション)を大切にしていると何度か言っていたと思います。YouTubeで見つけた若者だけれども、Jesseさんの可能性をプリンスはわかっていて、コミュニケーションをとりたいと思ったのでしょう。

以前はプリンスがJesseさんのメンターでしたが、いまや、Jesseさんがメンターとなって次の世代へバトンを渡そうとしています。

Jesseさんのお話では、Open Bookだったり、どんなメンバーでリハーサルしていたかなど、情報としておもしろい話もポロポロ出てきたと思いますが、そんなことより、本当に素晴らしい若者だったという全体的な感想でおしまいにします。


読書会の動画

https://www.youtube.com/live/smfS5dhbRFI?si=wzEu2_ADNbbrpFpG

https://www.youtube.com/live/smfS5dhbRFI?si=3XQ1Ii_4lJN79IbJ

読書会のプレイリスト

読書会のサイト

https://www.polishedsolid.com/what-did-prince-do-this-week/

https://bookclub.polishedsolid.com/

Duane Tudahlさんのサイト

https://www.duanetudahl.com/welcome

https://www.duanetudahl.com/prince-book


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