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ゲイル・チャップマン

ゲイルは、プリンスの初期バントのメンバーの1人。

ゲイルがプリンスのバンドをやめた理由

1980年夏
……
ゲイルは、ますます露骨になっていくプリンスの性的表現の詩や大胆なステージでの見せ場と、自分の宗教上の信念が相入れなくなったため、バンドを脱退した。

パー・ニルセン『プリンス大百科』p. 33

普通に、この認識でいました。

2018年のインタビュー動画

twitter にゲイルのことをつぶやいてから、その情報の詳細って、あまり知らないと思い、いろいろ検索すると、インタビュー動画などがたくさん見つかりました。

今回は、こちらの動画(2018年3月26日配信)について、メモをとります。ゲイルの発言をおぼえている限り書き出してみます。

プリンスと会う前に、友達から借りたプリンスのアルバムをとんでもない大音量で聴いていた。すると、天井の方から「プリンスがバンドを探している」という声が聞こえた。

プリンスのいとこ(チャズ)からオーディションのことを教えてもらった。オーディションのあとしばらく(1、2ヶ月くらい)して電話があり、その日に来いというので、車で普通は90分かかるところを60分でかけつけた。

私より先に、アンドレの妹がキーボードを弾いていた。

バンドをやめた理由は、自分のキャリアを求めたから。プリンスのバンドにいると、プリンスのための音楽をすることになる。

やめるときは、プリンスと1時間くら話し合って、理解してもらった。次のリサ・コールマンがすぐに入ったので、やめられた。

バンドをやめたのは、後から思うと近視眼的だった。

ディープキスは、仕事。プリンスはミュージシャンとして、ヘテロセクシュアル色の強い表現をしようとしていた。私はステージでスーパースターとキスするのに何も問題はなかった。オーディエンスのうち、黒人の女の子から、プリンスからはなれて! ○”⚪︎○!と言われた。

キスのリハーサルはとくになかった。バンドメンバーがこのパフォーマンスを嫌がっていた。理由はわからないわ。彼らにきいて。

ポルノの気分にならなければ Head を歌えないなんてことある?

知りたいことがあって、聖書の勉強をした。それをカルトと呼ぶ人もいるかもしれないけれど、カルトとは言わない人もいる。

私は宗教を信じていない。スピリチュアルなものを信じている。

(バンドで女性が1人だけだけれど、問題なかったか?)
ツアーのとき、ゲイルだけ1人部屋に泊まることに文句を言われたが、それなら、化粧や着替えに45分間バスルームを独占したり、生理中は調子や機嫌が悪くなるのを受け入れたりできるなら部屋をシェアしてもいいけれど、脱いだ靴下を私のベッドに置いたりしないでよね、と言い返した。みんなも1人部屋で過ごしたかったのよね。

一人で音楽の道を目指しても、全部一人でするのは大変だった。プリンスのところにいれば、交渉などは誰かがやってくれていたから。ニューヨークに行って、プリンスのバンドにいた、と言っても、プリンスって誰?って言われた。

アメリカン・バンドスタンドに出たとき、バンドメンバーは、プリンスからしゃべるな、笑うな(don't smile)、と言われていた。ディック・クラークに「あちらの美しい女性は?」と紹介しされて、笑顔になってしまったけれど。

コロラドで If I Love You Tonight を録音した。歌っていると、プリンスに「泣いて。泣きながら歌って」と言われた。泣きながら歌うってよくわからなかったけれど、プリンスに口答えなどしないほうがいいことを学んでいたから、うまくいかなかったけれど、しぶしぶやっていた。そのうちプリンスも「泣いて、それから歌って」と言った。私はこのときの歌い方がきらいで、ずっと聴いていなかった。プリンスはいいと思ったようだ。プリンスはあまり褒めないけれど、「オーケー、グッド」と言っているときは満足しているの。

録音しているとき、バンドのメンバーは外にいて、大きな窓から中の様子を見たりしていた。ふとガラスの方を見たら、4つの大きな赤い目のハムが押しつけられていた。私は大爆笑して5分間、歌えなくなった。……誰も赤い目のハム意味が分からないみたいね。赤い目のハムっていうのは、ムーニングってことよ。(一同、大爆笑。ムーニングは、クレヨンしんちゃんのように、おしりをぷりっと出すことのようです)

バンドをやめた後、一度だけニューヨークでのライブがあったときに、プリンスやバンドのメンバーに会いに行った。

2018年のペイズリー・パークでのセレブレーションに呼ばれて、参加した。

感想

このインタビューは、ほぼ40年前のことを語っています。だいぶ記憶が曖昧だったり、当時のことをうまく説明できないようなことが多かった印象です。私はゲイルより歳下ですが、もう昔のことを正確に思い出せません。同窓会で集まったとき、楽しい記憶はあっても、いつの何のイベントかというのは、みんなバラバラなことを言うので、事実はわからなくなります。ある程度覚えているうちに、生きているうちに、話してもらえるのがありがたいです。

私の個人的感想(妄想)になりますが、紅一点でこの時期のバンドにいたゲイル、強くてかっこいいです。ディープキスも、なんなら見せつけてやろうぐらいの気合いがあったのかもしれません(i made out with Princeって言っていたと思う)。

バンドメンバーとはあまり深い親交はなく、寂しかったと言っていましたので、逆に人間関係で嫌な思いをした可能性も少ないと思いました。みんなから大事にされていたなんてことだと嬉しいですが、実際はどうだったのでしょう。

こちらは、コロラドで Rebels というアルバムになる予定のものを録音したときの音源です。

ゲイルのいるときのバンドメンバーの演奏は、オフィシャルのアルバムでは聴けないと思います(プリンスが全部演奏しているので)。こちらのライブはゲイルも入っています。

ゲイルは声楽の教育も受けたようで、声がとてもきれいだと思いました。Youtubeでもわりと最近の歌声が見つかりました。

バンドをやめたあとは、ニューヨークで掃除の仕事から始めて、会社役員の秘書もしたと言っていました。インタビュー当時は不動産業をしているということで、音楽活動はあまりしてないと言っていました。

どうして、宗教的理由でバンドを脱退したという話を訂正しなかったかという件は、他のサイトで見た気がします。誰も、私のところにわざわざ聞きにこなかったのよ、というような回答だったと思います。

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