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されど+優しい

◎大学生になり、
「自分がされて嫌なことはしない」
「自分がされて嬉しいことをする」が
いつも成り立つわけではないことを
学んだ。

◎良かれと思って、
こと細かく指示を聞いたら
「そんなことぐらい、自分で考えて」
と叱られたり。

目の前の友人は
今は干渉されたくないんだろうな…と
決めつけて、
素通りしたところ
「薄情だね」と
悲しそうに笑わせてしまったり。

◎私の尺度が
目の前の相手と違うたび、
どうにか関わらない方法も考えてみたりした。

でも、そんなものは未来で
何の役にも立たないことが多く、
面倒くさくて逃げたくなるけども

その都度、
相手との関係性の中で
探っていくしかないと、
やっと諦めをつけられそうだ。

◎なんだか暗い雰囲気が漂っているが、
本当は嬉しいことを話したかった。
「私が知らないヤサシイことは
まだまだたくさんあった」ということ。

20年も生きていれば、
ヤサシイはもう、
わりかし味わったのかな、
と生意気にも感じていたが。
あまりに馬鹿馬鹿しかった。

◎お刺身の大葉を
分ける人に出会った。

3人と3枚のお刺身と、1枚の大葉。
お刺身は
1人1枚でよしとして…

目の前の先輩は、おもむろに
大葉も3等分にした。無言で。
当たり前のように
3人のうちのひとりの、
私にも分けていただく。

なんだかこれは、
ものすごくヤサシイことの
ような気がした。
多分、大げさなんだろうけれど。

◎お刺身を分けるとき、

①大葉食べてもいいよ~と、
自分は食べず相手に全て譲る人と

②よっしゃ!
じゃんけんで勝った人が大葉ね!
と張り切る人と

③すいません!私、大葉食べます
と宣言する人、
にしか出会ったことがなかった。

大葉1枚を分けようというアイデアに、
そもそも
たどり着いたことがなかった。

◎でも、その先輩が
「美味しいものは
何でもみんなで分けたいじゃん」と
食事前にお話していた様子と重なって。

これぞ、文句のつけようがなく、
まさに有限実行だなぁ…と
妙に納得してしまった。
(先輩にご飯の取り分けを
全てお願いしながら。笑)

◎これまで、
言葉と行動が一致していると
反省できていた事柄も、

実はもっともっと
言葉に忠実になれていれば、
実際は行動が
中途半端だったものも
多かったんだろうな…と、

頭の中が咄嗟に
自省モードに切り替わった。
(多分、顔には出ていないはず笑)

◎「たかが」大葉1枚で。
そう、
「たかが」大葉1枚で。

けれど、それを
「されど」大葉1枚と読み直して、

目の前の出来事に
容赦なく意味づけし続けたら、
もっともっと
ヤサシイものに気づけるのかもしれない…と。

不思議と
このことばかり考えてしまう。

そう、「たかが」大葉1枚で。


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