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長野県立大学安藤理事長が語る「脱ふつう」part4


長野県立大学ソーシャル・イノベーション創出センターでは、大学内外の様々な人や資源を結び付け、社会課題の解決や新たな取組みを生み出す土壌づくりを支援しています。この記事では「学生コーディネーター」として活動するメンバーが、地域での様々な取組みをご紹介します!


長野県立大学理事長の安藤理事長インタビューVol.4。テーマは「安藤理事長の義憤」です。



安藤理事長の活動源泉


内田:安藤理事長の活動の源泉をお聞かせ願います。

安藤理事長:私はいろんなことやってるけれども共通していることは、日本からもう一度イノベーションの流れを起こしたいという思いなんです。

なぜそう思うかというと、私が育ったソニーというのは、井深さん、盛田さんという二人の創業者に引っ張られて、世界で「Most Innovative Company」という名前を欲しいままにしていた時代があって、私はそれを体験してきたわけなんですね。

だからこそ現在「GAFAM」と言われているように世界ではAppleやAmazon、Google、Metaみたいなアメリカの巨大テック企業がどんどん出てきているのに、そのなかに日本の企業が入っていない事が悔しいんですよ。もっとどんどん出てきてほしいと思っているんです。

日本をもう一度復活させるためには、戦後、雨後の筍のごとく出てきたように、もう一度井深さんと盛田さんのようなアントレプレナーを育てなければいけない。そして、もっと若い人たちがリスクとか考えずに、世界の人たちと正々堂々と、対等に渡り合いながら世界を変えていけるような環境を整えなければならない。

そういう思いがあり「一般社団法人Japan Innovation Network」をつくったり、「長野県立大学」の設立に参画したりしたんです。私は日本を変える一番大きな要素は何かというと、やっぱりアントレプレナーシップだと思っているので、そういうような人材を育てる環境、エコ・システムを作る。自分でもそういう人材を見つけてどんどん投資をしてサポートするということを、今、一生懸命やってます。



現在の苦労と喜び


内田:現在の活動をしていて、苦労したこととうれしかったことを教えていただけませんか。

安藤理事長:苦労したことはですね。日本は島国ですから、どうしても若い人の経験値が限られちゃうというところですね。

ヨーロッパなんか汽車に乗ってちょっと旅行するうちに言葉も変われば習慣も変わると。だから多様性ということが普通に経験できるわけです。日本は日本人ばかりで、日本語だけしかしゃべらない。そして今は円安なので海外行くのもままならない。そういう点では、日本は結構ハンディキャップを持ってるんだなと思うんです。

やっぱりアメリカみたいな経済的にも元気な国は、大企業のトップもどんどん海外から来た人が就任するし、女性の管理職の割合が増えていてグローバル化が進んでいるのが目に見えます。時代も人間も変わってくるのは当たり前なんだから日本だって長い目で見たらいつかそういう時代が必ず来ます。だから今を生きる私たちは変わっていく未来に対して今のタイミングで何をすべきかを考えて準備をすべきだと思うんですよ。

そういう思いがあるから本学では、海外研修を必修にしたりしているわけなんだけど、それを日本全国にっていうとまだ難しいですね。

逆に嬉しいことは何かというと、本学の学生が海外研修を通して行く前とは人が違ったように成長して帰ってくることですね。入学した時の学生の状況と比べて、たかだか1年半とかそこらで、もう別人のごとく大人になるわけですよね。

やっぱり環境が人を作る。その環境を早く変えてあげて、そういう環境を変えればこんなにも成果が出るんだってことは、我々の大学が立証してると思ってるんですよ。それが私の嬉しいことですね。

だから、こうやれば必ず成果は出るということを信じて、日本をもう一度「Japan as No.1」と言われたころのように世界で存在感を高めていく。ぜひこれから日本人がもっと誇りを持って、世界で頑張れるような、そういう環境をどんどん作り、そのような流れを加速したいと思ってます。


長野県立大学の海外プログラムの渡航先

インタビューアーの学び


ここまで読んでいただいて、読み手のあなたはどんなことを感じましたか?
私はやはり、外に出ていき環境にもまれる事がアントレプレナーシップを養ううえで重要なのだと思いました。

そしてそれは海外留学のみに限った話ではないと思います。例えば、本学では「地域丸ごとキャンパス化」という活動に力を入れており、地域に学生が飛び込み様々な挑戦をすることを応援しています。学校という組織に縛られずに地域に飛び出すことで、学生たちは地域にもまれながら力強く成長していっています。

「Get out of the box」という言葉があるように今いる環境から1歩外に踏み出すことがアントレプレナーシップの基本だと思います。日々変化を求め、昨日とは違う今日を過ごす。このような小さな一歩の積み重ねが、遠くへ行くための唯一の方法なのだと思います。

今後もこのnoteでは学生の挑戦を中心に様々な記事を掲載していきます。ぜひ面白そうだと思った人にアポイントをとり会いに行ってみてください。そういった1歩がきっとあなたの力になると思います。

Part1:https://note.com/csi786/n/n82fc751d5db2

Part2:https://note.com/csi786/n/na5ee72f81384

Part3:https://note.com/csi786/n/ne8492edc7d1b

Part4:https://note.com/csi786/n/n838e3c20f619


書いた人:内田大晴長野県立大学グローバルマネジメント学科6期生2004年北海道生まれ。長野県立大学入学後、地域と関わるいくつかのプロジェクトに参加し、地域で活躍するパワフルなプレイヤーにあこがれを抱くようになりました!学生コーディネーターとして、自分が大好きな「挑戦している人が周りにいる暖かい環境」を育んでいきたいと考えています。現在はライターを目指して修行中です。

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