土曜の夜は

すり… すり… すり…

足を擦ってあるく音が聞こえる。
お母さんが酔っ払って足をあげれない状態で歩いている音。
黒板に爪をたててひっかくと出る「キーーッ」という音より不快な音

テレビに対して、弟に対して、仕事に対して、人の人生に対して、自分の人生に対して、ぶつぶつぶつぶつ何か言っている声が聞こえる
電車の中で大声で話している人達の声より不快な声

土曜の夜。 不快な音が集大成する。
何度「もう我慢の限界」と思ったことか。

なのになんで行動できないのだろう。
こんなにも、毎週毎週涙が出てくるぐらい嫌だと思っているのに。
なんでパッと出ていくことができないのだろう。

家事などやってもらって、たくさん助けてもらっているからえらそうなことは言えないし、一人で暮らしたら今みたいな生活はできないだろう。

だから文句は言わないと決めたけれど、
文句の代わりに涙が止まらなくなった。