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「ストーン効果法」 ~オーディオとダイナミックレンジ編~

「ストーン効果法」がまたまた進化しました!!先月(12月)あることをしたところ、高音が一段と伸び、それに加えてトランジェント(音の立ち上がり)とヌケが良くなりました。具体的に言うと、ギターやベースの弦が弾ける音がより一層明瞭精細になり、ピアノの響きや各楽器の音もスピーカの50センチぐらい手前に抜け出てきて、そこで演じられているかのように聴こえます。女性ボーカルに至っては、目をつぶると本当に目の前で歌ってるかのようで、気持ち悪いぐらいです(そこにいないのが不思議なくらい!?)。また、アタック音が凄まじく、シンバルの「シャーン」という音が飛び出してきて思わずよけそうに(?)なったり、ドラムのリムショットなどは、そこを思い切り叩いているかのようで、このあとの記事とも関連しますが、ボリュームを上げるとスピーカが壊れるか、棚が壊れるか、と心配になるぐらい真に迫ってきます(笑)。筆者の勝手な主観ですが、現時点でストーン効果法の最初の投稿時より十倍は良くなっていると思います。ですから、「音が百倍良くなる!(十倍×十倍)」に訂正した方がいいかなとも思っています(!?)。何をしたのか?は、有料記事(追記しました!)か、ヤフオクに出品しているストーン効果法の「使い方ガイド」の写真をご覧ください。

https://auctions.yahoo.co.jp/list3/23764-category.html(⇒「その他」カテゴリー)

さて、今回は前回の周波数特性(f特)と並んで、オーディオの音の良さのもう1つの基準となるダイナミックレンジについて書きたいと思います。これは、f特が音の高低の範囲を示すのに対して、音の大小の範囲を示したものです。分かりやすく言うと、最も小さい音から最も大きい音までの範囲がどのくらいあるか?ということです。音楽用語で言うと、ピアニッシモ(pp)からフォルテッシモ(ff)まで出せる音の大きさの「幅」ですね。音の大きさはデシベル(20log(倍率))という単位で表しますが、人間の耳は最大120デシベル(ダイナミックレンジにして、なんと百万倍!)まで耐えられるそうですから、凄いですね!スピーカはそんなに入れたらコーンがぶっ飛んでしまいます。昔(今も?)高域再生用のベリリウムリボンツィータという大変高価なスピーカがありましたが、これが過大入力に特に弱く、数十デシベルの入力で壊れてしまいます。筆者の友人などは、壊すまいとボリュームを抑え気味に使用していましたが、あるときソースを切り換えるため、うっかりボリュームを上げたままケーブルをつなぎ換えたところ、瞬間的なトランジェントノイズで壊れてしまいました。そのときの友人の落胆した顔が今も忘れられません(…)。みなさん、ケーブルのつなぎ換えには気を付けましょう(笑)。

原音再生を考えた場合、生の音(原音)とオーディオ再生の音の決定的な違いはダイナミックレンジではないでしょうか?なぜなら、周波数特性は同じにできてもダイナミックレンジは同じにできないからです。もちろん、フォルテッシモの小さい楽器などの再生では原音のダイナミックレンジにかなり近づけられますが、これとても同じにはできません。それは、オーディオ再生にはノイズレベル(雑音)があるからです。いわゆる「SN比」(信号対雑音比)と呼ばれる、静けさ(?)の度合いが関与するため、ダイナミックレンジは小さくなってしまうのです。最近ではデジタル化されてノイズレベルが下がり、ほぼ同等と言える大きさにまで向上しました。しかし、オーケストラなどフォルテッシモの大きいソースを再生するのには自ずと限界があります。所詮、大ホールで演じられるオーケストラの音を小さいリスニングルームで再生するのは無理があるのです(周りへの影響を考えた場合・・)。まあ、オーディオのダイナミックレンジがどれだけそれに近づけられるか、がオーディオ再生の腕の見せどころではないでしょうか。

筆者は、交響曲も好きでよくコンサートへ聴きに行きますが、自宅のオーディオでこれを聴こうとは思いません。前記したように、自宅の小さいリスニングルームでこれを再生するのは、ダイナミックレンジ的に無理だと思うからです。もちろん、ボリュームを絞ればフォルテッシモも再生できますが、ピアニッシモが聴こえなくなってしまいます。昔SNが悪い頃、レコードで交響曲を再生すると、ピアニッシモになったときにスクラッチノイズ(レコード針による雑音)ばかりが目立つのをよく経験しました。現在は、針がないレコード針(?)があるそうですので、スクラッチノイズは発生しないこともあるようですが、あまりにも音が小さいと眠くなってしまいます(それでなくても知らない交響曲は眠くなりますが・・!?)。

以上のような理由から、オーディオ再生では技術的にダイナミックレンジを狭める方法が採られています。それが、リミッターとコンプレッサーです。簡単に言うと、リミッターはフォルテッシモを小さくするためのもの、コンプレッサーはピアニッシモを大きくするためのものです。どの程度狭めるかは楽曲全体を通しての音の大小によりますが、あまり狭めてしまうと音楽的につまらないもの(単調なもの?)になってしまいます。また、オーディオのソース(媒体)によっても異なりますが、物理的に言うと、レコードは音溝の幅の制限から、テープは磁性体の密度による制限からリミッターがかけられています。また、テレビやFMの場合は電波の帯域が広がってしまいますので、これも許容された周波数帯域幅に収まるようリミッターがかけられています。一方、コンプレッサーはあまりかけると不自然になってしまいますので、よほどのピアニッシモでないとかけないのではないかと思われます。いずれにしても、リミッターやコンプレッサーのかけ過ぎは歪を発生させますので、音が悪くなります。かけ過ぎには注意しましょう!(笑)

ところで、ダイナミックレンジといえば音を拾うマイクにもあります。昔筆者が生録をしていた頃、ダイナミックマイクとコンデンサーマイクのダイナミックレンジの違いに愕然としました。「ダイナミック」マイクなのに(?)コンデンサーマイクよりダイナミックレンジが狭いのです。ピアノのような、繊細な音から大胆な音までをたたき出す楽器に対してコンデンサーマイクは欠かせません。また、(f特など)性能的にもコンデンサーマイクの方が優れています。ただし、コンデンサーマイクは扱い方が難しいのです。電源(ファントム電源といいます)を送ってやらないと動作しません。また衝撃に弱いので、動かしながら使うのには向きません。そこで、ボーカルマイクとしては現在もダイナミックマイクがよく使われているのですが、コンデンサーマイクが使われないもう1つの理由として、ライブなどで歌手の唇がマイクに触れると感電するというアクシデントがあったからということです。それで死傷するようなことはないのですが、ビリビリと感じて支障をきたす(?)ことはあったそうです(笑)。ですから、(ダイナミックレンジを重視した)レコーディング時に使用するスタンドマイクとしては、現在もコンデンサーマイクが使われています。

※誤解を招くかもしれませんので追記しておきます。
ここに記したのは当時使用されていた真空管コンデンサーマイクのことで、ファントム電源で高圧を送っていたのでそれが漏れて感電したもので、現在はFET(半導体)になっていますので送出電圧が低く、感電することはありません。なお、衝撃に弱いのは現在も同じで、スタジオ録音等では(振動の影響防止も兼ねて)クッション(ショックマウント)を使用しています。また、ダイナミックマイクのダイナミックレンジも当時より格段に上がっています。

筆者は、ジャズのビッグバンドをマスターテープで聴くのを楽しみにしています。(筆者の)マスターテープはリミッターがかかっていませんから、ダイナミックレンジの広さを実感できるのです。また、交響曲ほどスケールが大きくないので、ボリュームを絞ってもピアニッシモが聴こえなくなることはありません。さらに、この「ストーン効果法」を使えば、ピアニッシモもより一層鮮明に聴こえますから、もちろん眠くなることもありません(笑)。フォルテッシモでも、近所迷惑にならない程度の音量で聴けますから、思う存分楽しめます。本当に生を聴いているようですよ!

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