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「ストーン効果法」 ~原音再生 オーディオ名盤編~

新型コロナの影響で各種イベントやライブコンサートなどが中止、延期されるなか、音楽界では今後の好展開につながる新企画、新様式が考え出されました。それはインターネットのオンラインを使ったリモートセッションです。もうみなさんもご覧になったと思いますが、世界各地に居るアーティストがそれぞれのスタジオや自宅などから参加して一つの楽曲を演奏するという、夢のようなコンサートが実現されるようになったのです。これは、「災い転じて福となす」ではないですけど、コロナ禍がなかったら実現できなかった唯一のいいことではないでしょうか。演奏する側にとっても、それを聴く側にとっても、ホールの大きさに制限がなく、多人数での参加が見込まれるわけですから、メリットは大きいと言えます。ただ、筆者のオーディオシステムでYouTubeが聴けないというのがちょっと残念なのですが…。今後ぜひとも聴けるようにしたいと思っております。(イヤホンで「ストーン効果法」は使えないので・・!?)

ストーン効果法は現在も進化をつづけておりますが、ストーンを置く位置によっても音質が大きく変わることが分かっており、最適な位置決めには数ミリ単位での調整が必要です。自分で言うのもなんですが、ストーン効果法は奥が深いです。クラシックやジャズなど、聴く音楽のジャンルによっても最適な位置が存在しますので、聴きながら自分の聴感に合った音に調整する、といった楽しみ方もあります。ご自身のオーディオの音を良くしたいと思ってらっしゃる方、ストーン効果法を含めた音質改善のアドバイスをさせていただきますので、ぜひヤフオクに出品しているストーン効果法の「使い方ガイド」(500円です!)をご覧になってください。
https://auctions.yahoo.co.jp/list3/23764-category.html(⇒「その他」カテゴリー)

さて、今回はオーディオ名盤の紹介ということで、オーディオファンが過去に好録音と認めたレコードやCDを採り上げたいと思います。ただし、筆者が持っていないものや、評判ほど(?)好録音ではないと思うものは除外しています。また、音楽のジャンルや楽器もいろいろですので、本稿でこれまで紹介済みのものも除きます。他に、「名盤」とは言えないまでも、筆者の独断と偏見で選んだ、オーディオのテストにも使える好録音のCDを紹介していきます。

まずはじめは、昔ながらのオーディオファンの誰もが持っていると思われるオーディオ名盤の定番、L.A.フォアの「家路」です。これは、1977年にダイレクトカッティングされたレコードで、最初に聴いたときにびっくりしたのが、なんといってもフルート演奏の際の息継ぎの音ですね。あたかも、目の前でフルートを吹いているかのように生々しく入っています。この録音には本当に感動しました!L.A.フォアは、読んで字の如く、ロス・アンジェルス(L.A.)で活躍する4人のアーティストの集団で、ギターがローリンド・アルメイダ、ベースがレイ・ブラウン、ドラムスがシェリー・マン、アルトサックスとフルートがバド・シャンクです。1曲目、タイトル曲の最初に出てくるローリンド・アルメイダのギターの音がすばらしく、続いてレイ・ブラウンのベースの低音、シェリー・マンのメリハリのあるドラムスがリズムを刻みます。そしてそのあと、例のフルートが右チャンネルから出てくるのですが、息継ぎの生々しさもさることながら、このフルートの音色がいいですね。低音の厚みがすばらしいです(アルトフルートのようです)。そのあと、バド・シャンクはアルトサックスに持ち替えてアドリブを演奏するのですが、これもまたいい音ですね。そして、最後にまた例のフルートと弓弾きのベースがゆっくりと出てきて終わります。この演奏には本当に感服してしまいます。他にも、5曲目や7曲目が気に入って聴いていますが、6曲目にローリンド・アルメイダのギターソロが入っています。若干音が右に偏っているものの、これもいい音で録れていますね。実は、このレコードは昔友人に貸したのですが、貸したまま戻って来ず、その友人とも現在連絡が取れずに困っています(…)。後年、CDとなって発売されましたので、現在はそれを聴いてはいますが・・。みなさん、親しい友人でも貸したものはすぐ返してもらいましょう!(笑)

続いては、これもオーディオファンの名盤として名高い、アート・ペッパーの「アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション」です。このアルトサックスの音は、今まで聴いたどのアルトサックスの音よりも生々しいです。これは、1958年の録音といいますから、今から62年前ですね。ステレオの出始めなので左右の2チャンネルモノラルといった感じですが、この左チャンネルから出てくるアート・ペッパーのアルトサックスは、キーを押す音まで聴こえるほど鮮明に録音されています。特に、3曲目の「イマジネーション」がいいですね!まるっきり生を聴いているようです。

アルトサックスといえば、オーディオを始めたころ定番で聴いていたデイブ・ブルーベックの「テイク・ファイブ」を思い出します。このレコードもよく聴きました。ポール・デズモンドのアルトサックスはソフトで音色が良く、この曲にぴったりマッチしてますね。5拍子のリズムに乗って、ピアノ、ベース、ドラムスのアンサンブルも心地いいです。途中からのドラムソロは、自らもバンド演奏の参考にするだけでなく、バスドラの音をオーディオの(低音用の)テストとしても使っていました。

その後、オーディオチェックの定番となったのが、ご存知マンハッタン・ジャズ・クインテット(もう1つの「MJQ」とも言われる)の「枯葉」です。これを最初に聴いたときは、それこそアタック音がもの凄く、スピーカが壊れるかと思いました。リミッターが入ってないのではと思うぐらいダイナミックレンジが大きいのです。各楽器の音も良く録れていて、その演奏を聴くとそれぞれのアーティストの力量が分かります。メンバーは、ピアノのデヴィット・マシューズを中心に、トランペットがルー・ソロフ、テナーサックスがジョージ・ヤング、ベースがチャーネット・モフェット、ドラムスがスティーヴ・ガッドの5人です。ルー・ソロフのトランペットは、『トランペット編』に出そうかと思ったぐらい高音が鋭く伸びていて音色が良く、聴いていて気持ちいいほどすっきり(?)します。また、スティーヴ・ガッドのドラムスのアタック音が生々しく、特にバスドラの「ドスン」とシンバルの「シャーン」が凄いです。思わずよけそうになります(笑)。曲目としては、ハンク・モブレーのアルバム「ディッピン」でおなじみの、2曲目「リカード・ボサノバ」が好きです。乗り乗りで、体が動いてきます。このCDは、トランジェント(音の立ち上がり)とダイナミックレンジのチェックに今でもよく聴いています。

筆者は、オーディオチェックの基本は「低音」だと思っております。低音が十分出ていて、響きが良いことがいいオーディオの絶対条件です。低音が良く出てると、不思議と(?)高音も良く出るのです。というわけで、低音のテストを兼ねてよく聴いている好録音のCDを紹介しますと、まずは、ボブ・ジェームスの「フィール・ライク・メーキング・ラブ」ですね。これは、かつてFM放送の番組テーマ曲としても使われたもので、ボブ・ジェームスのフェンダーローズ(エレクトリックピアノ)が軽快なリズムに乗って奏でられる素敵な雰囲気のある曲です。ここでのエレキベースの低音は、ずんずんと良く響いて暖かい感じのする気持ちいい低音と言えます。また、リズムを刻むドラムス(ハイハット)の音もいいです。ついでに(笑)、「THE SWAN」というアルバムも音がいいです。

低音のテスト用としてもう1つお薦めなのは、意外にも(?)ビートルズの「カム・トゥギャザー」です。これは、1969年のリリースですが、当時オーディオ評論家のO氏が絶賛していたのを思い出しますが、ポール・マッカートニーのバイオリン・ベースの音がすばらしく、唸るような低音が衝撃的でした。この曲自体が多少変わっていて、同じようなフレーズが繰り返されますが、このベースが実に良く合っていますね。この低音が際立って綺麗に再生されないと、優秀なオーディオとは言えません。ボーカルもちょっと変わっていますが、ギターやドラムスの音も良く録れています。(この曲は)オーディオのチェックのために作られたのでは、と錯覚するぐらいです(笑)。

他にも、名盤ではないですが、筆者の好みで録音がいいと思うのは、ヴァイブ(ヴァイブラフォン)のミルト・ジャクソンとギターのウエス・モンゴメリーが共演した「バグス・ミーツ・ウエス」です。現在はCDになっていますが、元々は1961年録音のLPレコードとして出されたもので、録音、演奏ともに良く、ミルト・ジャクソンのヴァイブ録音としては、これが一番良く録れているのではないかと思っています。また、ウエス・モンゴメリーのギターも、弦が弾ける音とともに、あのオクターブ奏法が際立つ演奏となっていますね。オクターブ奏法については、最近YouTubeを見てやっと謎が解けました(笑)。左手の薬指で2弦と3弦をミュートしていたのですね!個人的には、7曲目の「デライラ」が好きです。

ウエス・モンゴメリーといえば、お気に入りのCDがあります。「夢のカリフォルニア」というアルバムで、いわゆるオーディオ名盤ではないですけど、録音、演奏ともにいいです。これも、元は1966年録音のレコードですが、現在はCDになっています。2曲目の「サン・ダウン」は、当時FM放送のジャズ番組のテーマ曲としても使われましたが、非常に乗りが良く、聴いていて気持ちのいい曲です。ただ、ボリュームを上げて聴いていると最後にブラスセクションが大きく出てきてびっくりします!?(笑)。このアルバムでは、他にもごきげんな曲が多く収録されていますが、特筆すべきは「サニー」の4ビート・バージョン(7曲目)と8ビート・バージョン(8曲目)が入っていることです。ライナー・ノーツでは、「お好みで・・」となっていましたが、筆者としては、どちらもお好みで(笑)、アドリブも甲乙つけ難いです。

また長くなってしまいましたね(笑)。他にもありますが、また別の機会に・・。

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