見出し画像

企業会計基準公開草案第80号「中間財務諸表に関する会計基準(案)」見て気になったこと(みなし取得日)

ASBJから2023年12月15日に公表された企業会計基準公開草案第80号「中間財務諸表に関する会計基準(案)」等の解説文が2023年12月21日にリリースされてました(最近はあっという間に解説がアップされますね。)。

https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20231215_manual.pdf

基準案含め気になったのが、みなし取得日の規定で「決算日等には、期首、中間会計期間の末日又は中間会計期間の期間内で適切に決算が行われた日を含む」はかなりがんばったなって印象です(これで期首みなしが基準ではっきり記載されたなと思います。ただ、「適切に決算が行われた日」って何をもって適切に決算が行われたと判断するんでしょうか・・・)。

子会社を取得又は売却した場合等のみなし取得日又はみなし売却日
20. 中間連結財務諸表を作成するにあたり、支配獲得日、株式の取得日又は売却日等が子会社の中間会計期間の末日以外の日である場合に、当該日の前後いずれかの決算日等に支配獲得、株式取得又は売却等が行われたものとみなして処理することができる。この決算日等には、期首、中間会計期間の末日又は中間会計期間の期間内で適切に決算が行われた日を含む。

BC17. 改正後の金融商品取引法では、決算日は年度末と中間会計期間末となるため、本会計基準において四半期決算日をみなし取得日として認めないこととした場合、四半期会計基準に基づいた会計処理と異なる結果となることがある。これは、従来の四半期での実務が継続して適用可能となる取扱いを定めるという本会計基準 BC8項の基本的な方針と整合しないこととなるため、整合する取扱いを定めることが考えられる。ここで、子会社の資産及び負債は、支配獲得日に時価評価して連結することとしており(連結会計基準第 20 項及び日本公認会計士協会 会計制度委員会報告第 7 号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」(以下「資本連結実務指針」という。)第 2 項)、みなし取得日の取扱いは容認規定とされている(連結会計基準(注 5)及び資本連結実務指針第 7 項)ことから、改正後の金融商品取引法において四半期決算が廃止されても、年度又は中間会計期間より支配獲得日に近い特定の期日に決算が行われる場合には、当該決算日をみなし取得日とすることが否定されるものではないと考えられる。これらを踏まえ、みなし取得日の決算日には、中間会計期間の期間内で適切に決算が行われた日を含むこととした(本会計基準第 20 項参照)。これにより四半期会計基準において認められていた四半期決算日がみなし取得日に含まれることとなる。ただし、取得とされた企業結合におけるみなし取得日は、企業結合の主要条件が合意されて公表された日以降としなければならないとされていることに留意する必要がある(企業会計基準適用指針第 10 号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」第 117項)。

中間財務諸表に関する会計基準(案)

ちなみに、みなし取得日の規定をまとめるとこんな感じでした。
微妙に基準の変遷が垣間見れますね。

〔注解9〕支配獲得日、株式の取得日又は売却日等が子会社の決算日以外の日である場合の取扱いについて(第四の二の1及び2、第四の五)
支配獲得日、株式の取得日又は売却日等が子会社の決算日以外の日である場合には、当該日の前後いずれか近い決算日に支配獲得、株式の取得又は売却等が行われたものとみなして処理することができる。

連結財務諸表原則注解 最終改正:平成9年6月6日

(注5) 支配獲得日、株式の取得日又は売却日等が子会社の決算日以外の日である場合の取扱いについて
支配獲得日、株式の取得日又は売却日等が子会社の決算日以外の日である場合には、当該日の前後いずれかの決算日に支配獲得、株式の取得又は売却等が行われたものとみなして処理することができる。

(現行)連結財務諸表に関する会計基準(企業会計基準第22号)

7. 連結会計基準(注5)では、支配獲得日、株式の取得日又は売却日等が子会社の決算日以外の日である場合には、当該日の前後いずれかの決算日に支配獲得、株式の取得又は売却等が行われたものとみなして処理することができるとされている。この場合、支配獲得日は、当該決算日をいうものとする。
また、この場合の決算日には四半期決算日(四半期会計基準第16項)又は中間決算日が含まれる。なお、支配を獲得したとみなした日は、企業結合の主要条件が合意されて公表された日以降としなければならない(結合分離等適用指針第117項)。
ただし、連結会計基準が適用される企業結合は、現金を対価とした株式の取得により支配の獲得が行われることが想定されているので(結合分離等適用指針第31-2項)、株式交換などの企業結合のように一定の法的手続を踏まえて実施されるとは限らないことから、連結損益計算書に与える影響が乏しい場合には、主要条件が合意されて公表された日よりも前に支配を獲得したとみなした日を設定して処理することができる。……

連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針(会計制度委員会報告第7号)

(4) 株式交換日が株式交換完全子会社の決算日以外の日である場合の取扱い
117. 株式交換日が株式交換完全子会社の決算日以外の日である場合には、連結会計基準(注5)に従い、株式交換日の前後いずれかの決算日(みなし取得日)に株式交換が行われたものとみなして会計処理することができる。この場合、第38項の企業結合日をみなし取得日と読み替える。ただし、みなし取得日は、企業結合の主要条件が合意されて公表された日以降としなければならない。

(現行)企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針(企業会計基準適用指針第10号)

子会社を取得又は売却した場合等のみなし取得日又はみなし売却日
16. 四半期連結財務諸表を作成するにあたり、支配獲得日、株式の取得日又は売却日等が子会社の四半期会計期間の末日以外の日である場合には、当該日の前後いずれかの四半期会計期間の末日に支配獲得、株式取得又は売却等が行われたものとみなして処理することができる。

52. 企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」の注5において、支配獲得日、株式の取得日又は売却日等が子会社の決算日以外の日である場合には、当該日の前後いずれかの決算日に支配獲得、株式の取得又は売却等が行われたものとみなして処理できることとされている。また、2008年(平成20年)3月改正前の日本公認会計士協会会計制度委員会報告第7号「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」第7項では、「この場合の決算日には中間決算日が含まれる」とされていた。したがって、四半期連結財務諸表の作成においても、中間連結財務諸表での取扱いと同様、子会社を含む企業集団の経済実態を適切に反映させるため、この決算日には四半期決算日を含むこととした(第16項参照)。
ただし、取得とされた企業結合における「みなし取得日」は、企業結合の合意公表日以降としなければならないとされていることに、留意する必要がある(企業会計基準適用指針第10号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」第117項)。

(現行)四半期財務諸表に関する会計基準(企業会計基準第12号)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?