日々が過ぎていく
私は完璧主義だ
見た目も言動も中身も全く完璧じゃないから恥ずかしくて人に言ったことはないが
生まれてこの方、自分の身の回りのあらゆる気に食わないことに耐えられず発狂しそうだった
髪の毛の落ちた廊下
謎の食材の入った料理
デザインが統一されていない家具
安っぽい装飾のついた服
どれも耐えられないくらい嫌でしょうがなかったけど、自分の理想を求めるにはお金がいる
そしてうちには生憎他の家よりずっとお金がなかった
だから私は完璧主義の自分を抑えるために今の自分を「捨て」にすることにした
テスト勉強で山を張るとき、この単元は無理、ってまるまる無視するみたいに、自分を見なかったことにした
ダッサくてボロい服、でも大丈夫、これは「捨て」だから
家が汚い、でもこれは仮の姿だから大丈夫
私は本来こんなんじゃない、いま耐えればいつかは、いつかは...
くそが。
いま自分のお金である程度揃えられるようになって、とても満足だ。幸せだ。家はきれいだし、家具もすてきだ。
でもあの頃身につけた目をそらす癖が抜けない
今日も私は何も努力をしませんでした
バカみたいに時間がすぎるのを待つだけでした
恥ずかしくないのか?
いいの、大丈夫、本来の私は違うから。これは仮の姿だから
そんなわけねーだろ。ばかじゃねーの。
いい加減、今のクソみたいな自分が自分自身だと、認めたらどう。
何度も何度も、そう言い聞かせてるのにまだ、脳内の私は、
「違う。私は本当は、もっと、もっと、できる、」
と呟いてやめない
もしかして、
これは、
希望か?
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