UMA(未確認動物)は日本語⁉

UMAとは”Unidentified Mysterious Animal”という英語の頭文字を
並べた言葉です。
Unidentified=アンアイデンティファイド(未確認の)
Mysterious=ミステリアス(謎の)
Animal=アニマル(動物)
という言葉で現在では未確認動物あるい未確認生物を意味する
で使われています。
発音の仕方は、”ユーマ”、”ユー・エム・エー”、”ウーマ”などです。
最近はいろいろな記事で見かける言葉で、一般的にも広く浸透してきているようです。

でもこの言葉は日本国内でしか通じません。
なぜなら”Unidentified Myserious Animal”という言葉自体、
英語には存在しません。
「えっ⁉、でも英語でしょ!」って言われる方もいるでしょう。
確かに英語ですが「和製英語」、つまり日本人が作り出した英語なのです。
コンセント(outlet)、サラリーマン(business man)、ホチキス(stapler)みたいな
日本でしか通じない英語(?)です。

英語圏ではUMAのことを Hidden Animal=ヒドゥンアニマル
あるいはCriptid=クリプティッドと言います。
ちなみにアメリカの大学では「未確認動物学」という科目を持つ学校
もあるようで、Cryptozoology=クリプトズーオロジーと呼ばれています。

このクリプトズーオロジーという言葉から察せられるようにクリプティッドやヒドゥンアニマルというこれらの言葉は学術的意味合いが強いようで
一般的には怪物を意味するモンスター(monster)が使われるようです。
Loch Ness Monster=ネス湖の怪物とか Flatwoods Monster
=フラットウッズの怪物が例となるでしょう。

さて、話をUMAに戻します。
この言葉が使われるようになったのいつからでしょう?
また、この言葉を考え出した人は誰なのでしょう?
実はこれ、わかっているんです。

まず、この言葉が世の中に登場した時期は1976年です。
スポーツニッポン新聞社 出版局から発刊された
『UMA―謎の未確認動物』という本で初めて使用されました。
題名がそのものでUMAという言葉とその意味を述べていますね。
そして、この本の著者は動物研究家の実吉達郎氏です。
つまりこの言葉を広く世間に広めた人物は実吉達郎氏である
というわけです。

ここで実吉氏を「この言葉を広く世間に広めた人物」と述べたのは
理由があります。というのは、厳密に言うと、UMAという言葉を
考え出したのは実吉氏ではないからです。

では実際にこの言葉を考え出した人は誰でしょう。
それは南山 宏氏です。南山氏は謎や不思議関係の著書を多数持ち
長年にわたり月刊誌「ムー」で「南山 宏のちょっと不思議な話」
というコラムを連載中です。

UMAという言葉が誕生したいきさつは次のようなものだったそうです。
1970年代、実吉氏は未確認動物に関する著書を作成するにあたり、
彼らを現す適切な言葉がないことに頭を悩ませていました。
当時の日本も海外と同じく、「怪獣」「怪物」といった呼び方しか
なかったのです。

実吉氏は、当時TVや映画に登場していた「怪獣」「怪物」といった存在と
未確認生物を混同されたくなかったのでしょう。
彼は知人であり、当時「SFマガジン」の編集者だった南山氏に相談しました。

南山氏は、その際にUFO(Unidentified Flying Object)=未確認飛行物体から
ヒントを得て、UMAという言葉を提案したといいます。
こうしてUMAという言葉が誕生したのです。

蛇足ながらUFOは間違いなく英語です。
最近ではUAP(Unidentified Aerial Phenomenon)=未確認航空現象と変更
されていますが。

さて再びUMAに戻ります。
UMAという言葉の使用に対し、提案した南山氏は少し距離を置いています。
彼自身は自らの著書の中では、この言葉を使わないと断言しています。
それは単純に、この言葉が和製英語であるためだからだそうです。
彼は自著では主に"ヒドゥンアニマル"を使用しています。

以上がUMAという言葉が日本語であることの説明でした。
個人的にはこのUMAという言葉は好きですね。

というのも文中に出てきたように、従来、ネッシーやヒマラヤの雪男、
ビッグフットなどは「怪物」「怪獣」といった表現をされてきました。
この表現はTVや映画に登場する「架空の存在との混乱」を生むものでした。

しかし「UMA」という言葉の誕生と浸透により、こうした混乱から
解放され、「未確認動物」「未確認生物」という「動物」「生物」
といった概念で話ができるようになりました。

この部分を考えると、海外の様に「monster」で一括りにされるよりも
発展しているのではないかと個人的には考えています。

もっとも最近では「シャドーピープル」「スレンダーマン」
「ナイトウォーカー」といった「怪人系」の存在もUMAの中に
入り込んできており、再び過去の「架空の存在との混乱」が生じ始めている
ような気がしないでもありません。

私個人の見解では、彼らは「心霊現象」や「都市伝説」といった、
あくまでもエンターテイメントの世界の存在だと思っています。

じゃあ、線引きをどこにするのか?と言われると難しいですが、
「モスマン」や「フラットウッズ・モンスター」がギリギリ妥協できる
ラインかなぁ。

とは言え、できる限り広く寛容な心を持ってUMAに接していきたい!
と思っています。











この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?