1-2. ダウ理論とビットコイン(暗号通貨)相場 [後編]

さてダウ理論の後編を書いていきます

前編はこちらです→ ダウ理論とビットコイン相場前編

原文4.平均は相互に確認されなければならない
複数の平均的指標が存在する場合、その両者に同じシグナルが見られないなら明らかにトレンドとして捉えることは出来ないと考える。もっともシグナルが同時期に出現する必要はないものの、直近においてシグナルが発生していればトレンドとして捉えるべきであり、且つ可能な限り同時期に近ければ確定的としている。

なんだか小難しい日本語です。
これは、「他の市場と見比べよ」という意味のようです。

例えば株式投資の場合でゲーム株を例にあげると、特定のゲーム株の上昇時には、同セクターの他のゲームも大きく上がっていることが多く、大口の資金が流入していることを簡単に見てとることができます。
単一のチャートでのトレンド転換が起こった場合よりも、セクター全体のトレンド転換や、マザーズ指数や日経平均なども同時にトレンド転換した場合のほうが信憑性が高いということを指しています。

私自身は、暗号通貨の相場を金相場や米国株式と見比べてみたりしているのですが、普遍的な勝ちパターンはまだ発見出来ていません。イーサが上がっているならアルト全体強いよね、みたいなアレでしょうけど、まだまだ正直いって歴史が浅い相場ですし、未来を読み解くのは難しいですね。

原文5. トレンドは出来高でも確認されなければならない
市場の終値の変動をダウは重視するが、同様にトレンド発生の確認手段として出来高の推移も重視する。
例えば上昇局面においては値上がり時に出来高が増加し値下がり時には出来高が減少、下降局面においては逆になる。主要トレンドに従って取引する投資家が多数派であり、二次トレンドや小トレンドで利益を得ようとする投資家は少数派であると考え、それが出来高の多少に反映するとする。

下げトレンドの終了と出来高の上昇を見ていきます。

日足で見ていくと、去年の暮れから、何度も「底打ったアアア!」という歓喜相場を見てきました。しかし振り返ってみるとどうでしょう、上昇するにつれすぐに出来高が落ちていき、上げ疲れると買い方が一気に現物を手放し、ダブルトップを形成して落ちていく場面がひたすらに繰り返されてきました。

今回の反転においても、今の段階でも、出来高がギュイギュイと伸びてくる感じにならなければ、また落ちていってしまう可能性があると考えておくほうが良いでしょう、とダウ先生は言っています。

※ビットコインの場合、現在世界で一番出来高が多い取引所である、BitFinexの出来高を見ています。

原文6. トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する
現在の市場で発現しているトレンドは、明確にトレンドの転換シグナルが現れるまで継続し続けるとする。トレンドに従った売買によって多くの投資家は利益を得るのであり、トレンドに逆らった売買で利益を得るのは難しい。

さて、最後になりましたが、私が最重要と考えるダウ理論の6個目です。

この原文を読んで長い間戸惑っていたのは、「明確な転換シグナル」ってなんやねん?!っていう部分です。人によって尺度が違うので解釈を落とし込む必要があります。

年初以降のビットコインの相場においては明確な転換シグナルは下記の2種類が存在すると解釈しています。

6-1. 1時間以上の足での高値更新、安値更新[時間足レベルの短期的な転換シグナル]

ビットコインの相場においては1時間以上(私は4時間足を見ている)の足で高値更新や安値更新が観察されると、明確に投げや買いが殺到してトレンド転換していくことがあります。

4時間足の押し安値ラインは、下げ相場においては割ったらアカンラインとも呼ばれます。人によって多少解釈が違うフィボナッチよりも、誰の目にも明らかレジスタンス・サポートラインなのでブレイクすると本当に大きく動くラインといえます。

高値安値の更新には、ヒゲも含めて考えるのかと良く聞かれますが、ビットコインの相場においては、全てのヒゲを含めたほうがいまのところ勝率が高いです。(株や先物などと比べて、短い時間足を見てトレードしている人が多いためと推察しています)

6-2. ウェッジ形成後の長い陽線、陰線(ブレイクアウト)[日~週レベルの転換シグナル]

2つめがウェッジの形成と、そのブレイクアウトです。図を見ていただくとわかると思いますが、三角形が大きいほど、またブレイクアウト時の陽陰線が長いほどその後の価格変動が過激なことがわかると思います。

これは値動きの激しいビットコイン特有のものです。他の相場ではこんなに頻繁に激しいブレイクアウトは見ることはありません。

先日話題になったチャネルブレイクアウトやドテンと呼ばれる手法は、裁定トレードでやろうとするとこんな感じでチャートの中にピザ型の三角形を探してエントリー&決済していけばうまくできます。短い足でも応用可能ですのでお試しください。

最後に、先日のブレイクアウトはもしダマシじゃなければとても凄い上昇力があると解釈しています。一度押し目はつけると思いますが、4月は上目線で行っても間違いではないでしょう。

ここまで書いてきたダウ理論に関する情報をすべて統合すると、この後に出来高が増え続けて、2月20日の高値である11,800ドルを一瞬でも超えることが出来た場合、本当にビットコインに春が来たと解釈する人が増えてさらなる上昇がはじまると考えることができます。

1章、ダウ理論編はここで終わりです。最後までお読みいただきありがとうございました!

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