1-1. ダウ理論とビットコイン(暗号通貨)相場 [前編]

1月からの下落相場において、ダウ理論を知っていた方とそうでない方ではかなりの差が出たと思います。

ダウ理論さえ知っていれば他を覚える必要がないという猛者がいるくらい重要だと考えています。

学生の頃、数学が得意な友人が公式は導けるから覚えていないと自慢をしていて妬ましく思っていた記憶がよみがえります。

さて、ダウ理論は6個の理論から構成されていますが、ビットコイン相場において特に重要なのは6番目の「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」というものですね。

それでは6個の理論をWikipediaを参考にしながら順番に見ていきましょう。

原文1. 平均はすべての事象を織り込む
政府が発表する経済統計や企業の業績・更には自然災害の様な予測不可能な事象に至るまで、需給に関するあらゆる事象は全て市場価格に織り込まれる。市場価格はあらゆるファンダメンタル(材料)の反映であるという考えであり、その意味で効率的市場仮説の主張に基づいた考えとも言える。

→ 多くのトレーダーの方がビットコインのチャートはダマシが少なくテクニカルが効いていて儲けやすいと言っているのを見たことがあると思います。

ファンダメンタルズを気にするのも楽しいですが、あなたが見つけたそのニュースは既にあなたより先に知っている人がいて既に価格に織り込まれているのである、とダウさんは言っています。

よくタイムラインで「ビットコイン上げてる!何かファンダあった?」って投稿をしている人で利益を上げているひとは今はほとんど居ないはずです。

悲しいことですが、最重要なファンダメンタルズとして、暗号通貨にはまだ実社会での利用シーンがないのです。これが増えたとき、ビットコインは最高値をつけると思います。

原文2. トレンドには3種類ある
ダウ理論では、価格変動の分析において市場動向(トレンド)を重視する。そのトレンドを以下の3つに分類している。
主要トレンド:1年~数年のサイクル。
二次トレンド:3週間~3ヶ月のサイクル。
小トレンド :3週間未満のサイクル。
これらのトレンドは互いに独立しているのではなく、二次トレンドは主要トレンドの調整局面であり、小トレンドは二次トレンドの調整局面として捉えられる。

上記は株式や先物のトレンド期間ですので、新興株やビットコインなどのデジタル世代の資産はサイクルが短いと考えるのが妥当です。

ビットコインの長期トレンド・二次トレンド

また、ビットコイン相場の歴史は2014年からと非常に浅いものですので、主要トレンドは月足か週足で判断するしかありません。

上記が2013年以降のビットコインのチャートです。2013年末に1,000ドルを付けた後、1年間下げ続けて200ドルぐらいまで下落し、その後2017年末に20,000ドルまで上昇しています。

この図を根拠に年内に3,000ドルまで下げると言っている人がたまに見かけますが、可能性はゼロじゃないと思っておいてもいいでしょう。

ただ下げたとしても急に下げるハズはないこともわかり、過度に恐れる必要もないことがわかります。今後もビットコインの主要トレンドは半減期である4年サイクルになってくる可能性もありえます。


原文3. 主要トレンドは3段階からなる
また、主要トレンドは買い手の動向によって3つの段階からなるとしている。
先行期 :市場価格が下落し全ての悪材料は織り込み済みと判断した少数の投資家が、いわゆる"底値買い"をする時期。価格は、下落しているか底値圏で上下している。
追随期 :市場価格の上昇を見て追随者が買いを入れる時期。価格は、上昇局面にある。
利食い期:価格が充分に上昇したところを見て、先行期に買いを入れた投資家が売りに出て利益を確定する時期。価格は既にその前から上昇局面にあるものの、その上昇する値幅は小さくなっている。

わかりやすいチャートがあったので例示を草コインにします。(XPの12月から4月のチャート)

まさに先行期で仕込んで、バズらせて追随期を作って、一斉利食いにより下落しています。利食い期がいつだったのかというのは相場が終わったあとでわかることですが、相場の形成中でも出来高に注目すると早めに気がつくことができます。

ビットコインの相場について振り返ってみると、9月頃が追随期で、12月が利食い期だったといえます。

「主要トレンドは3段階からなる」に関しての続きは、後述するエリオット波動理論の章に譲ります。

エリオット波動理論はダウ理論を応用した理論ですので、トレードに活用する際には上記を理解した上でエリオット波動を数えていくとよいでしょう。


後編に続く(ダウ理論4~6)


最後に

これを書いていて、本当にビットコインは投資初心者がテクニカル分析を学ぶのに良い教材だと思いました。どんどん勉強して、一緒に株式トレーダーにも勝てる知識を身に着けましょう!


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