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希望の夜


「大切なことを伝えたい時には、いつも小学生の時より言葉が足りなくなるわ」

私の好きな小説にある一節で、今の私がそう。
きっと思う気持ちの1/100も言葉にはできないけど、絶対に少しも忘れたくないから、ここに覚書しておくことにする。


2022/11/18
TENDRE『PRISMATICS』リリースワンマンツアー
@大阪BIG CAT

コロナでどうしようもなく鬱屈とした時間に『HOPE』がリリースされて、その一曲にとんでもなく救われた。
これが一度目。

その一年後、自分史上最大にごちゃついた事情に揉まれていた頃、なかでも一番辛かった日の夜にリリースされた『ENDLESS feat.SIRUP』にとんでもなく救われた。
これが二度目。

太朗さんが作ったTENDREの音楽は全部太朗さんの声で歌われる為にこの世に存在していて、だからその音に乗っかった言葉ぜんぶは太朗さんの声であり言葉なわけで。今ずっと当たり前のことだけを言ってるけど、この当たり前の尊さを改めて噛み締めた。
太朗さんの歌、言葉、リズム、旋律、音色、指揮を取って生まれるグルーヴ。
だから、私は太朗さんの音楽が好き。

絶やしてはいけないもの。
そうぽそっと呟いたかと思うと、その言葉の続きを話すみたいにして鳴り始めた『HOPE』。

後奏でサビのフレーズをひとつずつ飛ばして歌うところが好きで、全て言い切らなくても、動詞が無くても結びまで意味が伝わるような感じがしてとても好きで。
そのまま同じメロディーに乗せて太朗さんの言葉に変わって、感動にかまけずに全部を受け取りたくて必死で、耳を傾けてるうちに気が付いたら『HANASHI』に変わってた。ここで泣いちゃったよ

最後に一番伝えたいこと、として歌った『PRISM』。
今回のツアータイトルにもなっている「PRISMATICS」には「鮮やかな」「虹色の」「多彩な」といった想起しやすい意味合いはもちろん、「多面的な」「多面性」といった意味も込められてる。

私たちが毎日当たり前のように選び取るもの、求めるもの、切り捨てていくもの、または好きに選べないもの、無造作に付与されてしまうもの。
そんなどれもこれも、“すべてはあなたのもの すべてはわたしのもの”なんだよな、でもこの曲を良いと思える自分なら、どんな面だって全部愛しいと思えた。

そんなふうにして本編締めて捌けるかと思えば、すぐさま自ら率先してアンコールの手拍子始めちゃうし、アンコールのバンドメンバー全員でのコーラスにハモネプなちい〜!って大引き笑いしちゃうし。
太朗さんも「なちい」とか言うんだ、なんかちょっと嬉しかった。
でも口元に手を当てて笑ってた。素敵だなあ。

チョケっぽくなるけど、太朗さんって人生100回目?とかって思っちゃう。
真剣に疑問に思っちゃう。人の気持ちや世の中のこと、全部お見通し、分かってるみたいに思える。
ありのままで、聡明で優しくて逞しい人。それでいてお茶目な人。私も太朗さんみたいな人になりたい。

TENDREの曲ってどれもタイトルもシンプルで、歌詞も何ひとつ気を衒うことなく丁寧で美しい簡潔な日本語を使って綴られていて、その普遍さをもってして聴く人を誰一人として取りこぼさないようなところが好き。

いつだったか読んだ太朗さんのインタビューでは、あえて時代を感じさせる表現は避けたり、一人称や二人称を入れないようにしているって言ってた気がする。

私は大好きな曲に対して決まって「これは私の曲だ!」というような生みの親的シンパシーを勝手に抱いてしまうたちなので、私の曲にさせてくれるTENDREの音楽がより大事に思える。

音楽を好きで居て良かった。
TENDREを聴いてそう思える自分でいられて良かった。幸福のスパイラルだ。なんて幸せなんだろ!

本当にただの殴り書きになってしまったけど、今夜感じた気持ちはこれでよい気がします。

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初めて太朗さんのワンマンライブに行った夜の記録、なんかクサいかな?恥ずかしいなと思って下書きに残してたけど、2022年のまとめ引っ張り出すタイミングで読み返してみたら当時の気持ちがぶわーーとフラッシュバックしてなんだか愛おしくなってしまったので、あえて編集せずこちらも落としてみる!

2023年も5周年記念ツアー『THIS IS TENDRE』を観られて、
それ以外の場所でもたびたび太朗さんの音楽に立ち会えて良い年になった。

ずっとずっと心の拠り所です。いつもありがとう~~~!

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