モシン・ナガン

静寂の中に潜む赤羊
街を警戒しながら歩く猟犬
闇に抱かれ命令を待つ狼
羊は狩られなければいけない
そう教わり生きながらえた
正しいか間違いかの疑問さえ
抱く事は決して許されず
狼の午後は過ぎて逝く
廃道の中で十字を切る赤羊
結末は破滅だと知りながら
己の信仰に従い突き進む
乾いた音を立てるモシン・ナガンに
胸を貫かれ見上げた空は
子供の頃に教え込まれた
終末の世界に何処か似て居た
赤羊を殲滅し尽くしたなら
狼の午後が閉じて逝く

読んで頂き感謝致します サポートして頂いても書く事しか出来ませんが 宜しくお願いします