バイナリーオプション
バイナリーオプション(binary option)は、為替取引の投資方法の一つです。
バイナリーオプションとは、数秒後、数分後の為替相場を予想して、当たれば投資額が1.6倍~2.4倍、外れれば0円というシンプルな投資のことを言います。
「バイナリー(binary)」とは?
「バイナリー(binary)」は「二進法」を意味します。二進法は「0」と「1」のみですべてが表される世界であり、コンピューターも二進法が採用されています。
バイナリーオプションは「上がるか?」「下がるか?」の二択の投資なので、二進法を意味する「バイナリー」という言葉が使われているのです。
「オプション(option)」とは?
オプション取引のことを意味します。
オプション取引とは
ある商品を
将来の特定の日時に
特定の値段で買う(または売る)権利
を売買することを意味します。
「さっぱり、よくわからない。」という方が多いと思います。噛み砕いて説明すると・・・
例えば
価格が変動する「金」の場合
10万円の価値の「金」を1月1日に「3カ月後の4月1日に10万円で買う権利」をオプション料金5,000円で購入したとします。
4月1日に金の時価が上昇していて、10万円から15万円に価値が上がりました。
買い手は権利を行使して、15万円の価値の「金」を10万円で購入しました。権利の購入価格は5,000円ですから、すぐに売却すれば4万5,000円分儲けが出たことになります。
仮に4月1日に金の時価が下落していて、10万円から5万円に価値が下がっていたとします。
購入する権利を行使して「金」を購入すると、5万円損をしてしまいますから、「権利を放棄する」選択をします。金は買えなかったのですから、はじめに権利を購入した5,000円分だけ損をします。
これが「オプション取引」です。
将来の権利を売買することをオプション取引と呼び、この例えの「金」が「為替(通貨)」に変わったのがバイナリーオプションです。判定時間が数分~数時間と大幅に短くなっただけで、基本はこの例と同じように将来の為替が上がるか?下がるか?を予想して、権利を売買しているのです。
バイナリーオプション = 二進法(「0」か「1」か)の2択でできる外国為替のオプション取引のこと
と説明できるのです。
バイナリーオプションを説明する上で例に挙げられやすいのが
トランプの「High&LOW(ハイ&ロー)」
サイコロの「丁半博打」
ですが、とちらも、
予想が外れれば → 賭け金没収:0円
予想が当たれば → 賭け金倍増:2倍
というシンプルなものです。
バイナリーオプションとFXの違いとは?
ペイアウト(払い戻し)の考え方が違う!
FXの場合は
レバレッジ10倍の場合
1万円でドル(1,000ドル)を購入して 1ドル100円 → 1ドル101円 : 1,000円(10ドル)の儲け
1万円でドル(1,000ドル)を購入して 1ドル100円 → 1ドル102円 : 2,000円(20ドル)の儲け
1万円でドル(1,000ドル)を購入して 1ドル100円 → 1ドル 99円 : 1,000円(10ドル)の損失
と
予想が当たった為替レートの「変動幅」に応じて利益が変わってきます。
バイナリーオプションの場合は
ペイアウト倍率 1.8倍の場合
1万円で「上昇(High)」を選択して購入 1ドル100円 → 1ドル101円 : 18,000円の儲け
1万円で「上昇(High)」を選択して購入 1ドル100円 → 1ドル102円 : 18,000円の儲け
1万円で「上昇(High)」を選択して購入 1ドル100円 → 1ドル 99円 : 10,000円の損失
1万円で「上昇(High)」を選択して購入 1ドル100円 → 1ドル 98円 : 10,000円の損失
と
予想が当たった為替レートの変動幅が大きくても、少なくても、利益と損失は変わらないのです。
0.01銭の値動きのケース
これが仮に0.01銭の値動きでも同じになります。
FXの場合は
1万円でドル(1,000ドル)を購入して 1ドル100円 → 1ドル100円01銭 : 10円の儲け
1万円でドル(1,000ドル)を購入して 1ドル100円 → 1ドル100円02銭 : 20円の儲け
1万円でドル(1,000ドル)を購入して 1ドル100円 → 1ドル 99円99銭 : 10円の損失
バイナリーオプションの場合は
1万円で「上昇(High)」を選択して購入 1ドル100円 → 1ドル100円01銭 : 18,000円の儲け
1万円で「上昇(High)」を選択して購入 1ドル100円 → 1ドル 99円99銭 : 10,000円の損失
レバレッジが違う!
バイナリーオプションの場合
バイナリーオプションには「レバレッジ」という考え方はありません。
あくまでも、「予想が当たるか?外れるか?」で払い戻し金額が変わってくるオプション取引(権利の売買)だからです。オプション取引がそもそも、本来の取引価格よりも安く取引されるものですので、レバレッジという仕組みがなくても、十分に高額な利益を狙えるのです。
FXの場合
国内FX業者:最大25倍
海外FX業者:最大3,000倍
レバレッジを掛けることで、資金の何倍もの取引ができるのがFX(外為証拠金取引)です。名前に「証拠金取引」とあるように、証拠金に対してレバレッジを掛けてトレードできるのが基本の取引です。FXトレードでは、レバレッジがなければほとんど利益がでません。レバレッジがないFXは外貨預金と同じですので、資金の数%、0.数%しか儲けることができません。これでは魅力的な投資方法とは言えません。
FXは、外国為替証拠金取引と訳されることからもわかるとおりで、「証拠金にレバレッジを掛けて取引することが前提」の投資なのです。
国内FX業者は、金融商品取引法という法律によって2011年からレバレッジ規制が適用され
個人:最大25倍まで
法人:変動制(40~50倍程度)
に制限されたのです。
手数料が違う!
バイナリーオプションの場合
手数料は無料です。
ペイアウト倍率1.9倍なら、100人の投資家がいて、50人が勝ち、50人が負けの場合、投資された資金の0.1倍分がバイナリーオプション業者の利益となります。
※一部スプレッドを乗せてペイアウト倍率を高めている設計のバイナリーオプションもあります。ペイアウト倍率が2.0倍でも、スプレッド(投資家が負けになるレンジ)があるため、その部分がバイナリーオプション業者の利益となるのです。
FXの場合
手数料はスプレッド、もしくは取引手数料という形で発生します。
国内FX業者:米ドル/円 0.3pips~0.5pips
海外FX業者:米ドル/円 0.5pips~1.5pips
が相場となっています。取引手数料は無料のFX業者がほとんどです。
追証が違う!
バイナリーオプションの場合
追証(おいしょう)はありません。購入した金額以上の損失は発生しません。
FXの場合
(おいしょう)があります。
追証とは
レバレッジを前提にしたFXトレードの場合は、資金がなくなりそうな段階でFX業者が強制的にロスカットするのですが、相場の急変動時にはこの強制ロスカットが間に合わずに証拠金以上に損失が出てしまう可能性があります。証拠金以上に損失が出た場合、不足した分をFX業者は後から投資家に請求します。これが「追証(おいしょう)」です。2015年のスイスショックでは、総額19億円の追証が発生しました。
追証は投資家の借金になるので、追証で破産する投資家も少なくないのです。バイナリーオプションには追証がないため、投資(購入)した資金以上の損失が発生しないメリットがあります。
バイナリーオプションとFXの違いまとめ
予想が少ししか当たらなかった場合でも、十分な利益が出せるのがバイナリーオプションです。
FXの場合はレバレッジをかけることで予想通りの変動幅が小さくても、利益を上げることができますが、日本国内のFX業者の場合はレバレッジ規制によってレバレッジ制限がかけられてしまっため、大きく稼ぐことが難しくなっているのです。
また、追証(おいしょう)がないことも大きなメリットです。損をするのは、最大でも「投資した金額(オプションを購入した金額)」の範囲内ですので、FXの追証のように証拠金以上に損をして後から請求されるようなリスクは発生しないのです。損失が限定できるからこそ、お小遣いの範囲内で、収入の余剰分の範囲内でと、安心してトレードを楽しむことができるのです。
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