体罰や根性論を根絶するために

ユニセフ『子どもの権利とスポーツの原則』を見て愕然とした。日本でどれだけ守られているとだろうか?

弊ページで度々書いているが、これ程までのスポーツ後進国である日本で五輪開催予定なのだから開いた口が塞がらない。

何故に日本で根性論や体罰が根絶されないのか?マスコミと指導者の観点から私なりに考察してみた。

〈本気で報道したら大会が消滅するかと〉

体罰等の問題ある指導が浮き彫りになっても、マスコミは本気で問題を掘り下げない。それは、新聞社がスポーツの全国大会の多くを主催してテレビ局が中継する。そして、その広告収入でマスコミ各社と広告代理店は儲かる構図が出来上がっている。

もし本気になってスポーツ現場の体罰等の問題を報道すれば、恐らく全国大会の不要論も出てきかねないだろう。そうなれば、マスコミ各社は収入源を失う訳だから本気でスポーツの問題を報道しないのだ。

〈マスコミと報道対象との癒着と馴れ合い〉

添付した記事にもある、阿部慎之助監督による罰走。これを批評する記事を書いたマスコミがどれだけあったか?
政治の世界では『記者クラブ』が問題視されているが、残念ながらスポーツ現場も大差ないかと。癒着と馴れ合い温床で書かれた記事が少なくないはずだ。
サッカーの某指導者が問題を起こした際、その指導者を慕う記者連中がリークした人間を探し始めた。そんなことを耳にしたことがある。
この有様では正しく問題は指摘されないですよね…。

〈指導者の経歴と背景が問題の温床かと〉

部活動の指導者の大半は教員である。その多くが大学を卒業した次の進路が学校だろう。学校しか知らない人間が22〜23歳にして"先生様"である。そして、今の学校現場はUpdateしなくても生きていける所だ。むしろUpdateしては、周りから"前列が無い"などと煙たがれる所だ。
それならば、前近代的な考えから脱却するなど不可能に近い。それが日本の学校なのだから寒気がする。

部活動以外でも言い方は悪いが、アスリートを育てる指導者が"競技バカ"だという現実が少なからずあることは否定出来ないだろう。
競技バカが競技バカを育成して、その育成された選手がやがて指導者になる。指導者に選ばれるの大半が前任の指導者が手懐けた人間だから、負のスパイラルは半永久的に続くのである。これが部活動を筆頭とした日本のスポーツ現場の実情だろう。

以上に挙げたことが解消されない限り、私は日本のスポーツ界で根性論や体罰が根絶されないと確信している。

僭越ながら、最後に私の持論を紹介させていただきたい。

『根性がない人間が根性論を掲げる!』

スポーツの指導で欠かせないことに、見守る、我慢する、相手の立場に合わせて伝える、ことがあると思う。

それが出来る指導力がないから、彼らは根性論になる前近代的な指導に走ってしまうのだろう。

最後までお読みいただきありがとうございます。サポートいただけましたら幸甚です。