選手に成功体験ではなく自らの失敗を伝えてほしい!

前回の続きで今回は2について。

『選手に成功体験ではなく自らの失敗を伝えてほしい!』

これはNYヤンキースのキャッシュマンGMの言葉。

ホークスの大道典良コーチがヤンキース傘下のタンパへ研修に行った際に言われたと著者に記している。

私はGMの言葉に日本の指導者における体罰等の諸問題が凝縮されていると感じる。

日本における指導の多くが「成功体験」に基づいているかと。そして、成功体験を伝える指導者を求める風潮も少なくない。

その典型がプロ野球であり大相撲であるかと。

プロ野球界で実績を残した選手が引退した途端、いつ指導者としてユニフォームを着るのかと話題になる。
大相撲に至っては確か関取を20場所以上務めなければ年寄(親方)を襲名出来ない。

しかし、その成功体験が選手やチームに合わないことだってある。
この場合、指導者の指導力を問われるよりも選手の実力の問題にされてしまうケースが多いのでは?

成功体験を語るとはある意味自慢話である。それが指導と言うのならば、ほぼ全ての指導が"偉い人の上から目線"ということになる。

「俺はこの道の成功者。だから俺の言う事を聞け!」

これが指導の根底にあるならば、指導者としての勉強は必要ない。気に入らないなら体罰や暴力等で圧力をかけ、"この道の成功者"である指導者に甘い社会構造が出来上がるのも納得である。

「昔の名前で出ています」

そんな歌謡曲があったな。

しかし、昔の名前だけでは指導者として活躍出来ない文化が構築され、失敗を語れる指導者が増えないと日本は終わるな…。

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