就労ビザの外国人が入国後にする手続きについて

この記事は日本人の私が、就労ビザで来日した外国人の友人の手続きを手伝った経験を書いたものです。2023年4月ごろの情報であること、市町村によってルールが違うこと、間違いが含まれている可能性があることに注意してください。この記事は外国人でも読みやすいように簡単な日本語で書いていますが、簡単な日本語を書くことに慣れていないため読みにくいかもしれません。その場合はGoogle翻訳などを使ったり、日本人の知り合いなどに聞いてみてください。


印鑑を作る

まず印鑑(ハンコともいう)を作っておきましょう。印鑑はいろいろな手続きで必要になります。銀行口座を作るときや、部屋を借りるときに使う印鑑(銀行印・実印という非常に大事な印鑑)と、普段仕事でつかう印鑑(認印という、なくしても困らない印鑑)の2つを作ることをおすすめします。

印鑑を作る方法は主に3つあります。

  1. 日本に来る前に、日本にいる知り合いや会社の人に作ってもらう
    インターネットでハンコを作れますが、外国に配達できない場合があります。日本にいる知り合いに作ってもらい、入国後もらうという方法です。

  2. 「はんこ自販機」という印鑑をつくる機械を使う。
    はんこ自販機ははんこを15分ぐらいで作れる機械です。はんこ自販機の場所ははんこ自販機のWebサイトに書いてあります。

  3. はんこ屋で作る

あまり多くないですが、印鑑を売っている「はんこ屋」で印鑑を作ることができます。人が手で作る場合は、完成するまで数日かかる場合があるそうです。
なお、印鑑に書く文字はカタカナの場合、アルファベットの場合、漢字の場合があります。どれにするべきかは国や人によって違うため、参考になるサイトをいくつか紹介します。


自分の国でクレジットカードを作る(作れる場合)

自分の国でクレジットカードを作れる場合は作っておきましょう*1。クレジットカードがあると簡単に携帯電話を契約できる場合があります。私の友人はクレジットカードを持っていなかったので、携帯電話番号の契約に時間がかかりました。


役所に行く

役所(市役所・区役所・町役場・村役場)に行き、住民登録をして、マイナンバーが書かれた住民票をもらいましょう。在留カード、パスポート、印鑑が必要です。

①住民登録
在留カードに住所が書かれていないと銀行口座を作ったり、部屋を借りることができません。まず役所に行き、住所を在留カードに書いてもらう必要があります。

会社が部屋を借りていて、住む予定の部屋が決まっている場合はその住所を登録します。しかし、自分で部屋を借りる場合はすこし大変です。もし日本に信頼できる友人や知り合いがいる場合は、その人の住所で住民登録することをおすすめします(シェアハウスする)。この方法が一般的だと聞きました。

信頼できる人がいない場合はマンスリーマンションや、ホテルの住所で住民登録をするそうです。私たちはこの方法を使わなかったため、あまり詳しくないです。市町村によってはホテルなどで住民登録できない場合もあるため、「〇〇市 外国人 住民登録 ホテル」などで検索して調べる必要があります*2。

なお、マイナンバー(個人番号)が書かれた手紙が、住民登録をしたあとに届きます(個人番号通知書)。部屋を借りたらもう一度役所に行き、住所変更をしましょう。

住民登録をするときに電話番号を書く必要があります。役所の人に聞くと、「住民登録をする外国人と連絡できるならば、友達や会社の人の電話番号でも問題ない」と言われました。役所によってルールが違うので、役所の人に聞いてみてください。

②マンナンバーが書かれた住民票をもらう(300円程度必要)
住民登録と同時にマイナンバーが書かれた住民票をもらいましょう*3。マイナンバーは働く場合に会社に伝えなければいけません。しかし、マイナンバーが書かれた手紙が届くまでに1週間ほどかかります。なので、自分のマイナンバーを知るために、マイナンバーが書かれた住民票をもらいましょう。住民票をもらうときに「マイナンバーを記載してください」と言うと、マイナンバーが書かれた住民票を作ってもらえます。なお、住民票をもらうためには手数料として300円程度払う必要があります。

③印鑑登録・印鑑証明書の発行(しなくてもよい)
役所では印鑑を登録できます。登録された印鑑を実印と言います。部屋を借りるときに印鑑証明書が必要になる場合がありますが、必要ないことが多いそうなので省略しても問題ないと思います。私たちの場合は印鑑登録と印鑑証明書の発行をしましたが、結局必要ありませんでした。


携帯電話番号(SIM)の契約

部屋を借りるときや、銀行口座を作る場合には携帯電話番号が必要になります。準備ができたら携帯電話番号(SIM)の契約をしましょう。クレジットカードまたは銀行口座、印鑑、在留カードが必要です。

自分の国で作ったクレジットカードを持っている場合は、簡単に契約できると思います。Softbankとdocomoでは自分の名前が書かれたクレジットカードがあり、在留カードに住所が書かれていれば契約できるらしいです。ただ外国のクレジットカードが使えない場合があるので、必ず契約できるとは限りません。Softbankやdocomo、auなどは店があるので、予約して相談しに行きましょう。

クレジットカードがない場合はかなり大変です。私の友人はデビットカードしか持っていなかったため、Softbankとdocomoでは契約できませんでした*4。私たちが調べたところ、次のような方法があるようです。

①銀行口座を先に作る
私たちが行った銀行(三菱UFJ銀行)では、携帯電話番号がない場合には銀行口座を作ることができませんでした。しかし、三菱UFJ銀行でも会社の人が一緒に銀行に行けば、会社の人の電話番号で銀行口座を作ることができるようです。また、他の銀行では携帯電話番号がなくても銀行口座を作れる場合があるそうです。一度銀行に行き、電話番号がなくても銀行口座を作れるか聞いてみましょう。銀行口座があればクレジットカードがなくても携帯電話番号の契約ができます(口座引き落とし)*5。

②家族にクレジットカードを借りる
外国のクレジットカードが使えるかどうかわかりませんが、Softbankとdocomoでは家族のクレジットカードなら使えるようです。楽天モバイルでは他人(第三者)のクレジットカードが使えるようなので、クレジットカードを使っても良いと言ってくれる友人や恋人がいる場合は楽天モバイルで契約できるかもしれません。

③信頼できる友人(日本人など)に契約してもらう
あまり良い方法ではないですが、信頼できる友人が契約者となって電話番号の契約を行うという方法です。Softbankや楽天モバイル、docomoでは契約者を後から変更できます(「〇〇 契約名義の変更」「〇〇 電話番号の譲渡」などで検索するとわかります。なお auでは家族以外の人に電話番号を譲渡できないようです)。ただし、契約者以外の人がSIMカードを使うことを禁止している場合があるため、問題ないか調べてから行いましょう。

銀行口座を作る

在留カードに住所が書いてあり、電話番号を持っていれば銀行口座は簡単に作れると思います。しかし、来日して6ヶ月以内の場合は非居住者(日本に住んでいない人)の銀行口座になってしまいます*6。非居住者の口座で銀行振込をすると、毎回手数料で7000円程度かかってしまいます(「〇〇銀行 非居住者 銀行口座」で検索すると詳しい情報が読めます)。

私たちが行った三菱UFJ銀行では「社印(会社の印鑑)が押してある労働契約書の原本(オリジナル)」をもって行けば、居住者(日本に住んでいる人)の銀行口座を作れるようです。銀行によってルールが違うため、電話で聞いたり、銀行へ直接行って聞いてみるとよいと思います。なお銀行に行く場合は予約して行くことをおすすめします。

部屋を借りる

部屋を借りるためには住所がかかれた在留カード、電話番号、銀行口座、印鑑が必要になります。インターネットで部屋を探す方法もありますが、私たちは店に行って部屋を探しました。

不動産会社はたくさんあります(アパマンショップ、ミニミニ、エイブル、ホームメイト、etc……)。大学の近くなどの外国人が多い地域の店に行けば、外国人に慣れた人がいる場合があります。私たちはミニミニという不動産会社に行きましたが、友人と同じ国の社員がいたためとても助かりました。その人には外国人の入国後の手続きについても教えてもらいました。(参考サイト: ミニミニ国際課 | 外国人・留学生のお部屋探しは 外国語のできるミニミニスタッフにお任せください)。

不動産会社に行ったら家賃と住みたい場所を伝えればいい部屋を教えてもらえます。ただ、すぐに部屋を借りることはできません。不動産会社によって違いますが、部屋を貸しても大丈夫なのかを確認する審査があるようです(保証会社の審査)*7。そのため部屋を借りるまでに2日から一週間程度かかるようです。

役所に行く(2回目・3回目)

部屋を借りた後にもう一度役所に行き、住所変更をしましょう。在留カードに新しい住所を書いてもらえます。またマイナンバーが書かれた手紙(個人番号通知書)が来たらもう一度役所に行き、マイナンバーカードを作りましょう。

参考になるサイト

私たちが手続きを行う際に読んだ記事です。また住民登録する市町村のホームページなども探してみるとよいです。

終わりに

友人の来日前から調べてはいたものの、知りたい情報が全然見つからず大変苦労しました。似たような経験をされた方・これからする方も多いだろうと思い、間違いや問題が含まれるかもしれませんがこの記事を公開することにしました。ただこの記事の内容によっていかなる損害・問題を被ったとしても保証しかねますのでご理解ください。

最後に、手探りで調べながら手続きを行う過程で株式会社ミニミニの方に非常に有益な情報を頂くことができました。私個人の特定を避けるために店舗名・担当者の方の名前は伏せさせていただきますが感謝申し上げます。またSoftbank、docomo、三菱UFJ銀行の方もこちらの無理なお願いを聞いて一生懸命細かな条件などを調べてくださり大変助かりました。こちらも重ねて感謝申し上げます。

脚注

*1 デビットカード・プリペイドカードでは契約ができませんでした
*2 ホテルで住民登録する方法は検索すると結構出てきますが、ホテルで住民登録できない市町村も多そうです。もしこの方法で住民登録する場合は外国にいる間に電話・メールで聞いてみたり、不動産会社に相談したほうがよいでしょう。
*3 銀行によってはマイナンバーを銀行に教える必要があるらしいです。また不動産会社によっては住民票を提出する必要があるらしいので、気になる人はマイナンバーが書かれていない住民票ももらっても良いかもしれません。
*4 ソフトバンクでは「デビットカードや親族ではない人のクレジットカードはシステム上できません」と言われました。またdocomoでも親族ではない人のクレジットカードは使えないこと、外国のデビットカードは使えないようです。ただdocomoではこちらの状況があまり詳しく伝えられなかったため、正しくない情報の可能性があります。
*5 「銀行口座を作る」で書いていますが、非居住者の銀行口座だと口座引き落としができないかもしれません。
*6 銀行の人の説明によれば「振込を行うと、外国に住んでいる人にお金を送るのと同じとみなされ、手数料が多くかかる」そうです。また非居住者の口座だとスマホから残高を確認できないそうです。
*7 保証人(部屋を借りている人が家賃を払わなかったときに代わりに払う人)は親族などに限る場合も多く、外国人の場合には通常保証会社が審査することになるらしいです。保証会社の審査のときに、母国の家族の連絡先が必要になる場合があります。


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