1/17/2020 ベルセバを久々に聴いた

今のiPhoneに機種変してから音楽ファイルを入れていない(iTunesを触る気がしない)ので、譲ってもらった忘年会の景品のMP3プレイヤーに適当に入れて、たまーに使っている。ここんところは、1年くらいは触ってなかったと思う。たぶん2010年くらいから、好きなバンドの新譜も聴かなくなり、とにかく音楽を聴くことが極端に減った。前のブログを読むと、イギリスから帰国して以来、出会う人々はほとんど音楽絡みの知り合いなくらい、ライブも行ってたし、まあまあ音楽と共に暮らしていたのに。いろいろ理由はあると思う。なので、必然的にすでに持ってる音源をひたすら何度も懐かしんで聴くことになる。

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昨日は天気もよく、音楽聴きながらぷらぷらすっかな、とまずベルセバの赤アルバムを聴いた。ベルセバはデビュー当時に、(伝説の)BEAT UKというフジテレビで夜中放送していた番組で知り、即シングルを買ってから大好きなバンドだ。話が長くなるので割愛すると、私がグラスゴーを留学先に選んだ理由でもあり、バンドと仲良しの日本人の仲間たちと知り合ったおかげで、いろんな楽しい経験をさせてもらった。スペインのでっかいフェスではステージに上げてもらったことも。もちろんグラスゴーでは同じ地域に住んでいたので、スーパーであいさつしたり、クラブで踊りまくってるのを見かけたり、「その辺にいる」感覚を楽しんでたりしていた(コミュニティが狭い)。今思うと、やっぱり日本人のベルセバ仲間たちとの追っかけ旅行とか、ベルセバを通じて国籍問わずいろんな人たちと出会ったことが、一番の財産だ。音楽仲間のつながりパワー、今思い返すと本当にすごい。

春の陽気を感じる冬の日に、電車で聴く赤アルバムは、久しぶりなのもあって、うるうるしてしまった。当時はまだネットでいろんなものを入手できなかったけど、歌詞を調べて解明に挑んでいた。日本語訳がついてたけどあてにならず。leccy billなんて辞書に載ってないので、ホストマザーに聞いてやっと分かったなぁ、とか。ベルセバの歌詞で覚えた単語いっぱいあるなぁ。まあ、いろいろひっくるめて、せーしゅん時代だったんだな。そして、それを「本当に」昔のこととして懐かしがるくらい、年月が経ったのだ。今の自分が当時の延長であることはまだ自覚があるけど、やはりとても遠い。

いろいろ楽しいことあったと言いつつ、心残りはこのライブの現場にいなかったことだ(知りもしなかった!)。渡英したのはバンドの音楽性も変わり始めていた2002年。だいぶ遅かったー。1999年にベルセバが主催したBowlie Weekenderというフェス(ラインナップは主にグラスゴーシーンのバンドだが、The Flaming Lipsやコーネリアスも参加している)。イギリス南部にある遊園地つきの保養施設のような場所を貸し切って、参加者は敷地内の建物に泊まって、夜遅くまでライブを楽しむことができる。疲れたら徒歩数分の部屋に帰って寝てもよし、ビーチでのんびりもよしという夢のような快適なフェスだ。たまに予告なしで誰かがゲリラ的にその辺で演奏しだして、わらわらと人が集まったり。まあフジロックで苗プリに泊まるのと同じだが、百万倍のんびりしている。このスタイルはのちにAll Tomorrow's Partiesとして復活(主催者は別)して、2004年に行った。あーここがボウリーの会場ねと感慨深かった。​

ベルセバを知らない人はもちろん、いわゆる欧米インディーを聴いたことない人には、この演奏もヘボく聞こえるんだろうなーと想像できるし、繊細でなよなよしてんなーて思われるかもしれない。が、今も活動しているし、こんな素敵なフェスを主催できるくらい、割とソリッドなバンドなんだぞ!と言いたい。


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