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嫌われ者の踊り方2

ルプ7のアニメは駆け足で進んでいきますね。
漫画だとやっぱりリーシェ視点からになるから違う楽しみ方になるんですが、アニメ版を見ていると、アルノルトが自分に見えて仕方がない。
悲しさを感じても無意味でしかないのに

「私」の居ない未来。
「私」が欠けた何かしらの集まり。
ギルドだったり、ゲームだったり、サーバーだったり、友達グループだったり。
「私」を失った家。
30年かけて作り上げた仕組みは。
「私」が居なくなった後にも続いていくものだから、私が居ないと機能しないのでは意味がない。

だから、「私が居なくなった未来」を、いつも考えている。
そういう意味ではテオドールも親近感あるんだ。
だから長男くんの台詞が未だに飲み込めないんだ。

私の作った福祉というカラクリは
いつか私以外も扱えるのが当然になるのが理想。
福祉が当然になって不要になるためには、福祉が浸透しないといけない。
数多の手が掛かり、幅が広くなり、情報が得やすくなり、一辺倒な思考をする現代がよりよく変わっていけばよい。

そうなれば私は用済みだ。
歴史に名を刻む必要もない。
あるとしたら、
誰もやりたがらない悪役として淘汰されることくらいだ。

みんなやりたがらない。
悪い選択肢を選んで嫌われてでもより良さを求められない。
なら私が悪役であれば、足りないのは救世主という役だ。こちらはみんなやりたがる。
なら需要が少ない方を埋める、当然じゃない。

けど、喉に魚の骨が刺さるように
長男の言葉が
長男の優しさが
私を離してくれない
私が破滅に足を運ぼうとするのを引き止める

手を
離してくれないか。

私は悪役だ。
優しい君に救ってもらうもんじゃない。
でも聞いてなくても分かるんだよな
だって私が隠してきた異変を、ずっと一緒に暮らしてきたはずの両親や次男よりも早く
一目で見破った。
一年に二度しか帰ってこない身でありながら、理解してしまった。
抱きしめて慰めて泣かせようとする。

離してくれないんだ。

リーシェを愛するように優しく
テオドールに平手打ちをするほど強く
あなたは私の兄をやろうとする。

自分の功績を残さない
残虐非道を流布する私なんかに。

「お前に任せすぎたんだ」と言って抱き包める。
離して
離して
悪役が出来なくなる
悪役はまだ必要なんだよ
必要ない時代になっていないんだ

スターチスの花束を燃やす私は
存在できない

離して。

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