君は綺麗だ


春馬が旅立って3ヶ月経ちました。書いても書いても書き足りない、彼に贈る追悼文です。


梅雨晴れに
うちひしがれて
回想す
記憶の中の
在りし日の君  


7/18から今日で3ヶ月。

3ヶ月前って私何観てたっけ、何読んでたっけ・・・と振り返ると、今と似てるようで少し違う。
仕事はしてるし、日々の生活に追われているし、変わらず慌ただしい。

だけど私の頭の中では時が止まっていたような気がする。


あの日、部活から帰ってきてポストを確認すると「文學界」の8月号が届いていた。

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小川紗良の寄稿文が載っている、と本人のツイッターの投稿で見かけたので読みたくなり取り寄せたのだ。「きれいなひと」というタイトルで、繊細で、しかし力強く、年齢と女性に対しての想いが書かれており、読みながら大きくうなづいた。

他の特集で気になったのは「危機の神学」と「いまディザスター小説を読む」。さらっと目を通した記憶はある。前者はキリスト教では人は常に危機に晒されている、後者はコロナ禍でパニック小説をどのように読むか、という内容だった。どちらも興味深かったが、前者はそうだそうだ、と賛成しながら読んだと思う。
残りはあとで読もう、と思い、結局そのままになってしまっている。

彼の速報が流れてからは、目を通すのが億劫になってしまった。


え、せかほし、今週も放送してたよね?と帰宅して録画を確認した。速報を知ったのは出先だったから。うそ、うそ、うそ。何度もそう呟いた。


少し事情は違うけど、同じようにきれいでりんという言葉が似合う、故・竹脇無我さん、精神的に弱く、晩年は大変な苦労をされたと聞いている。春馬に関していうと、全然そんな感じがなかったし、まさか彼と同じタイプだったなんて。まさか、まじか、うわ。



他にも、「未来少年コナン」「大河ドラマ 太平記」・・・録画して7月から今に至るまで、ほぼそのままになってしまっている。早く消化しないと、とは思っているのだが。

大本命の「麒麟がくる」が放送再開していなかったのは不幸中の幸いだった。あのメンタルではしっかり観れなかっただろう。翌日の「半沢直樹」でさえ、1話に集中できなくて話の筋をしっかり追えていないのだ。



危機に瀕している時、きっと何も考えたくないのだろう。とにかくその話題を連想させないように、それとは関係なさそうな本を読もうとする。前も書いたが、今回はアニメーターの大塚康夫さんの「作画 汗まみれ」を、途中にせずに最後まで無心に読んだ。
あと、BSテレ東でやっていた「名建築で昼食を」は穏やかな優しい気持ちにしてくれた。


速報から1週間後、母が落ち込んでいる私にメッセージをしてくれた。それがこの内容。

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私はクリスチャンなので、心の拠り所が聖書なんだけど、祈るべきだったし手紙の一つでも書けばよかったんだ、と思った。


どんな世界で活躍していても、生きていくのって本当に大変だから。



今でもおかしな憶測がネットでは出ている。ドラマの小道具に対しても批判が出る、演出家・監督を糾弾する、彼が在籍していたグループの元メンバーに憶測をぶつけて批判したり、嫌な意味で驚くことばかりだ。


真実は彼しかわからないし、それでいいと思う。

でも、彼の心中を思うと心が痛む。

それでいいと思っている。


「たったひとつ 確かなことがあるとするのならば

君は綺麗だ」


少し気持ちが落ち着いた7月の終わりに観た、「コンフィデンスマンJP ロマンス編」の主題歌がとてもグッときたのは本当だから。

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