オトコのくせに


私には1人だけ従弟がいる。
母の弟の息子だ。

もう30位にはなっているだろうけど、
覚えている限り、顔を合わせたことは無い。


名前は辛うじて聞いたことはあるけど、
叔父夫婦も別れてしまったので、苗字が変わっているかもしれないし

とにかく、付き合いは全くない。


私の両親は私が7歳の時に離婚している。

私の父には妹が一人(未婚)
母には弟が二人(未婚行き方知れずとバツイチ)
というわけで、親世代は誰一人婚姻状態の人間がいない。

で、私が未婚40で、妹がバツイチ子供2人。

従弟こそは幸せな婚姻生活を迎えてほしい。
そうしないと一族全滅じゃ。


勝手な親戚から、勝手な希望を託されているとは知る由もない。


そんな一族唯一の希望の星が小さかったころ。


私とは直接付き合いはなかったが、もちろん祖母が健在のときは
遊び来ていたらしい。

で、よく祖母が口にしていたのは
「男のくせに、よーしゃべる。気に食わん。」だった。

祖母は子供嫌いではなかっただろうけど、孫に関心がなく、
いわゆる世間一般の祖父母のような可愛がりかたは
私や妹に対してもなかった。

そもそも、祖父とも仲がよくなかったらしく
母曰く、母は祖父と祖父の母(私から見たひーばー)から可愛がられて
祖母は長男ばかり可愛がっていたと。


分かりやすく超あまあまな父方の祖父母と曾祖母と違い
母方の祖母のドライさっていうか、孫への関心のなさに
子供ながら違和感があった。

でも、まぁ悪い人じゃもちろんないんだけど。
子供のころは優しくない祖母が苦手だった。


そんな祖母は、末っ子の孫にもそっけなかったようだ。

孫だから、子供だから、ということは全ておいておいて
よくしゃべる男が嫌いだったようだ。



どんな男の子だったのか唯一の従弟の情報が、
よくしゃべる以外に、私には皆無だ。




私唯一の甥っ子、2歳もよくしゃべる。
たまーに買い出しで叔父さんに車を出してもらって
出かけるんだけど、まぁー車内でしゃべるしゃべる。


意味もわからんのに、ひたすらオウム返ししたり、
私や叔父さんの名前を呼び続けたり。

くろい (白い車指さしてますよ) とか
おばちゃんの車に乗りたいな(免許ないですよ) とか
油飲みたいな(死んじゃいますよ) とか
ドンキへ行ったことがあります(おー完了形マスターしてる) とか

とかとかとか

ずーっとしゃべってて、さすがにこれは
可愛さ余って、うっとおしい。

成長著しいのは大変喜ばしい、ではあるものの
私はとうとう言ってしまった。





「おしゃべりな男は嫌われるよ。」




「いーやーだぁぁぁぁぁー」と、2歳でもちゃんと反論きた。


「じゃー嫌われないようにするにはどうしたらいいの?」の問いかけには
さすがに目を丸くするばかりで返答はなかったが。



そうです。
口を動かす前に、脳を動かしてください。



ずっとしゃべりっぱなしのおしゃべり怪獣さんまより
ポイントポイントで、シュパっと決めてくれる松本人志が
好みなんです。

でも、上沼恵美子の漫談はずーと面白いな。

これもジェンダーバイアスですか??
「おとこのくせに」はおいておかないと、この時代。



しゃべるのは脳の発達にも重要だと思いますけど、
加減も大事ですよね。

おしゃべり(相手の興味のない事を一方的に話す、オタク脳的なやつ)は
どの世代でも、時代でも、どんな文化圏でも嫌われやすいと思いますよ。


まだ2歳という可愛さは、寛容さに有利に働きかけられますが、
いつまでももちません。

早めに加減を覚えて欲しいものです。


まぁーこればっかりは無理な話だけど。

祖母が気持ちが分かったような…。
よーしゃべる子供には、よーしゃべるという感想しか持てないほど
よーしゃべってたんでしょうね。


従弟は、周囲に嫌われない程度には加減を覚えられたでしょうか???


一族の希望の光(2歳の甥っ子)が新たに誕生しましたが、
現状、期待薄です。





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