あとがきにて

昨年ブログ上で連載していた『カレンダーガール』のあとがきを書いている。紙媒体(というか所謂『同人誌』)にまとめる予定なので、そのおまけ的なものだ。

自分はあの時、何を考えながら書いていたのだろう、といってもだいたい、何も考えていなかったか、締め切りに追われていたか、その両方だ。特に後者はいつもいつもぎりぎりまでネタ出しをサボりながら遊び呆けていたので、締め切り直前になって慌てていた記憶しかない。そのため、必死でインスピレーション元や発想の種を思い返し、あとがきのネタをひねり出している。それらしいことを言っているようで何も言っていない文章が並んでいたら察して欲しい(まあ、お金を取るものであるからには読み物として面白くしようとは思う)。

とはいえ、自分で設定した締め切りを破ることなく、文章量こそ想定していたよりややライトになってしまったものの、無事12ヶ月間の連載を完遂できたことは、素直に嬉しいし、ちょっとだけ自慢だ。

連載中も、連載後も、ふとしたきっかけで『カレンダーガール』のことを話題にしてくれる人がいて、書く、公開する、続ける。という行為の力を(僕のそれなんて微々たるものではあるけれども)実感する。

正直に言おう、僕は小説を書いていて楽しいと思ったことはまず無い。少なくとも書いている最中は。すばらしいアイデアを思いついた、とか、自作を読み返して(それがナルシスティックだと理解しつつも)感動したり、といったことはあるにせよ、だ。

しかし、誰かの話題に上ったり、感想を聞けるというのはとても嬉しい。それが副次的なものであり、あくまでも主目的ではない、と己れに言い聞かせつつも。

既に今年1月からは『世界の終わり頃』という新連載を始めている。前回とはがらっと毛色を変えてみたが、『面白いものを書いている』という自負は変わらない。楽しんでいただければ幸いだ。貴方にとっての拙作が、誰かに語りたくなる、語り合いたくなるようなものであることを願う。

投げ銭してくれると小躍りしてコンビニにコーヒーを飲みに行きます。