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冥利

「先生、ここが私の心の拠り所なんですよ…。」

わたしの心の穴に、思いがけずそんな言葉をいただき、目が潤み鼻がツンとした。
気付くと、涙が頬を伝っていた。

旦那様と共に、老後はあーしたいな、ここに行きたいな…などと思いを巡らせていた矢先。
「癌が見つかってから、亡くなるまであっという間でした」

すると、隣りに座ってらした、いつも元気印の生徒様。

「8日からお父さん(夫)が、また入院すんねん…。前回手術してんけど、いっぱい広がってたから、そのまま閉じたんやん…。抗がん剤治療しても、減るどころか増える一方…。」

「泣いてたってしゃーない!
笑って過ごさな!」

みんな心の内に色んな思いを抱えてる・・・。

何度もこのnoteで書いてきた、来月90歳になる「ますみさん」。
今は幸せに暮らしてらっしゃって、いつも
「ここに来ることとディサービスだけが楽しみ」って…。

いつも連れて来て下さる娘さんに「愛がないと
、なかなか出来る事じゃないですね…」
と言うと、
「先生、そんな綺麗事では出来ないですよ」って。

実母の介護も大変…。


思いがけずかかった素敵な歌詞の曲。
虚しさで、また涙が頬を伝う…。


私のお教室が、どなたかの憩いの場になっているのなら…。
やってて良かったな。


そんな、涙の一日だった・・・。

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