FM PiPi たじみふるさとWalker [ 7 ]

[ 2020.04.28放送 ]第四週 1/2 - Powered by Vrew
書籍の紹介 ①

多治見ふるさとWalker

「今月のゲストは、東海クロスメディア株式会社 代表取締役 公益財団法人日本生産性本部 地方創生カレッジ総括プロデューサー三輪知生さんです。今日もよろしくお願いいたします。」

「お願いします。」

「さて、三輪さんはこの度、本を出版されたという話をお聞きしましたが」

「はい、そうです。」

「タイトルをご紹介お願いします。」

「「岐阜発イノベーション前夜」というのがメインタイトルですね。」

「「岐阜発イノベーション前夜」大変、失礼な質問をさせて戴いていいでしょうか?イノベーション大賞の審査員をされている三輪さんですけれどもイノベーションというのは、具体的にどういった意味なのか教えて戴いてもよろしいですか?」

「そうですね。地方創生もそうですけれど、使われているけれども、その意味というのは、なかなか皆さん一般的過ぎて、…なんですが。従来ですね、イノベーションっていうのは特に日本では、「技術革新」って訳されてきたんですね。技術が新しくなって、目覚ましい進歩を遂げる、みたいな理解が一般的だったんですけれども、実は、それ自身がちょっと認識を改めなきゃいけない。そんな所から、実は本でも書いているんですけれども。技術に偏重した変化ではなくて、世の中に新しい価値を生み出して技術を生み出して、ではないです。新しい価値を生み出して、市場に普及すること。そこまで含めないといけないんですね。技術を革新するだけではイノベーションって言えないんです。そこの辺なんです。日本のメーカーさん特に、IT機器のメーカーさん、皆ドンドン、ドンドン経営が悪くなってきますけれどもイノベーションという意味では、とっても先進的な技術革新をやってきたわけです。」

「はい。」

「ただ、それはじゃあその会社は、どうなってきたか。ドンドン皆、合併しないととか、海外の組立工場の会社に買い取られるとかですね、実は、イノベーションをやってきたつもりが、一番後退してしまったっていう。そんな事例もあるように、」

「はい。」

「実は、技術革新ではない。そういう意味では、分かりやすい事例がありまして。」

「はい。」

「ダイソンの掃除機って皆さんね、メディアで聞いて、」

「はい。」

「結構、皆買いに走ったんですけれども、あそこの掃除機はですね、実は、技術的に言うと、サイクロン式って言ってすね、これ、従来からあった技術なんですよ。」

「はい。」

「だから技術革新ではない。でも、イノベーションとして認識されるのは、すごい売れましたよね。」

「はい。」

「そこなんです。それは何故、じゃあ売れたかっていうと、「吸引力が変わらないたった一つの掃除機」って言ったんです。」

「はい。キャッチコピーですね。」

「そう。「えっ、すごい!」って皆、思った。」

「はい?」

「おそらくね。そこが一番のポイントなんです。実は、あれはイギリスのメーカーですけれども、イギリスでは、その宣伝はやってはいけない。」

「あっ、そうなんですか?」

「そう。人を煽るから。「たった一つの掃除機」で」

「あ〜。」

「吸引力は変わらないんですよ。だけど、技術的には、実はサイクロン方式というのは昔からある。でも、日本のメーカーはあまり採用して来なかった。」

「はい。」

「何故か?吸引力が、高くないから。」

「あ〜。変わらないとは言ってても高いとは、言っていないんですね。」

「そうです。日本の従来の掃除機は吸引力が高いんです。」

「はい。」

「ウワーって吸うの。はい。でも、フィルターがあってゴミを溜める袋があるじゃないですか。詰まってくると、だんだん落ちてくる訳、吸引力。」

「はい。」

「実は、技術的なデータで見ると、サイクロン式はず〜っと変わらないけれど、ず〜っとその吸引力と比べて低いのね。」

「あ〜。」

「だから、吸引力としては低いけれど、フィルターもそういうバッグもないから、変わらないの。」

「はい。」

「だから、「たった一つの掃除機」って言った時に皆、飛びついたのね。」

「わ〜。」

「それがイノベーションなんですよ。だから、技術の革新は、」

「はい。」

「極端な話なくても市場に浸透させる。その代わりデザインが、とってもモダンで、今時の掃除をする女性がメインじゃないですか。男性もしますけれど好んで買うような、色使いとかデザインとかセンスに訴えて、市場に浸透した。これこそがイノベーションなんです。」

「は〜。」

「逆説的に言うと、必ずしも技術革新は要らない。」

「なるほど〜。」

「それが真のイノベーション。市場にどれだけ浸透するか、という所。そこが、そもそもまぁ、イノベーションという言葉を知らない、知っているではなくて。知っている人ですら陥っている、実は、迷路があるっていうのを、そこから書き出してるのが、この本なんです。で、「小さな会社を『収益体質に変える』事業のつくり方」っていうのがサブタイトルなんですけれども、企業が大企業でも中小企業でも、そういう様に技術偏重でどうしても陥りがちな罠、そういうものを脱却すれば誰にでも、イノベーションって起こるんですよ。でも、それには「三つの壁」があるっていうのが。」「また、「三つの壁」が…。」

「そうなんです。」

「出てきました。」

「はい。一体何なんでしょうか?」

「イノベーション、技術革新、まぁ技術もなくてはいけないですけれども、必ずしも、最新である必要はないんです。そういう意味では、あぁしたい、こうしたい、こうであったらいいなという「想い」が、まず必要ですね。妄想から始まるかもしれません。構想まで行くかもしれません。計画に立てるかもしれません。でも、実際は現実問題、それが実現できるかどうか。「現実の壁」というのが、一つあるんです。ここに突き当たって、イノベーションに限らず創業でも、新しい企業さんが創業したい私ラーメン屋やりたいのとか喫茶店がやりたいのと言っても、では、美味しい紅茶はどうやって仕入れるのとか、何席で喫茶店を作るのって言い出した瞬間に、え〜そんなこと言われてもって。でも現実って、そこじゃないですか。仕入れでどこの、まぁコーヒーだったらコーヒー豆紅茶だったら葉を入れるかっていうのもそうだし。いっぱいあるから、ではどういう差別化をして、やるかって。それ大事でしょ。そういうのが「現実の壁」にあるんです。それが一つ目。はい。二つ目が、そうは言っても、お金がなければ何もできない「資金の壁」が立ちはだかる訳です。こんな新しい技術開発、そもそも技術開発要らないのかもしれないけれども、しなきゃいけないし。先ほどの話、席数は、何席ないとダメとかいった場合には、先立つものが必要ですよね。「資金の壁」。これは二つ目の壁として、イノベーションとか、創業に必要な立ちはだかる壁ですね。そしてもう一つが、「市場の壁」です。自分がどれだけ拘ってお店を創っても、同じようなお店が前からあれば、「あ、こっちの方が美味しいわ」とかって、比べられるし。お客さんっていうのは、移り気だし。なかなか今時は何でも情報がインターネットで取れるから、いくら自分の思い入れが伝わっても飽きられちゃったりする。いわゆる「市場の壁」なんです。この「三つ壁」があって、どうしてもイノベーションとか創業というのは、うまくいかない現状があるって事なんですね。これを突き破っていかないといけない。じゃあどうしましょうという様に、この本は進めていきます。」

「はい。」

「読んでほしい。」

「はい、本日はですね、三輪さんの著書であります「岐阜発イノベーション前夜」という本の紹介をして戴いております。」

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