札幌ミステリー舞台探訪
文:諸岡卓真 記事構成:松本寛大
2020年1月3日(金)21:00-22:00にHBCラジオで特別番組「この札幌ミステリーがすごい!~札幌ミステリー座談会~」が放送されます。北海道ミステリークロスマッチメンバーからは、柄刀一さんと諸岡卓真が参加しました。札幌の演劇シーンで活躍し、ミステリードラマにも出演された江田由紀浩さん、HBCパーソナリティの佐藤舞さん(ミステリー好き!)と一緒に、札幌を舞台にしたミステリー作品について語り尽くします!
こちらの放送をより楽しんでいただけるよう、収録の際に触れた主な作品のリストと札幌ミステリー舞台探訪コースの資料を掲載します。本選びや札幌観光の際にも活用していただけましたら幸いです。
〈追記〉 放送は終了しましたが、放送後1週間は"radiko"のタイムフリーで番組を聴くことができます。
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この札幌ミステリーがすごい!~札幌ミステリー座談会~
HBCラジオ
2020/01/03/金 21:00-22:00
http://radiko.jp/share/?t=20200103210000&sid=HBC
なお、作品リストについては、編集の都合で割愛される作品があるかもしれません。その際はご了承ください。
また、舞台探訪コースの資料は、2019年10月13、14日に北星学園大学大学祭の展示コーナー「アカデミックサロン」向けに作成された資料に、加筆・修正を加えたものです。印刷に適した通常版(約1MB)と、オンライン閲覧に適した軽量版(約540KB)を用意しましたので、用途に合わせてお選びください。
【作品リスト】※著者名の五十音順で並べています。
(国内)
東直己『探偵はバーにいる』ハヤカワ文庫
安生正『生存者ゼロ』宝島社文庫
乾ルカ『メグル』創元推理文庫
内田康夫『孤道』講談社文庫
内田康夫『札幌殺人事件 上・下』角川文庫
内田康夫『十三の墓標』角川文庫
高城高『眠りなき夜明け』寿郎社
佐々木譲『密売人』ハルキ文庫
佐々木譲『笑う警官』ハルキ文庫
佐々木丸美『雪の断章』創元推理文庫
柄刀一『翼のある依頼人』光文社文庫
柄刀一『密室キングダム』光文社文庫
柄刀一『流星のソード 名探偵 浅見光彦 vs.天才 天知龍之介』祥伝社
柄刀一『レイニー・レイニー・ブルー』光文社文庫
西村京太郎『札幌着23時25分』中公文庫
東野圭吾『分身』集英社文庫
松本清張『点と線』新潮文庫/文春文庫
和久井清水(著)内田康夫(原案)『孤道 完結編 金色の眠り』講談社文庫
(海外)
アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』ハヤカワ文庫
札幌ミステリー舞台探訪 モデルコース
【コンセプト】
札幌は多くのミステリーの舞台になっている街です。今回はそれらの中からいくつかの作品を取り上げ、札幌ミステリーの舞台を徒歩で巡るコースを考えてみました。
【コースの概要】
・出発地:札幌駅
・到着地:中島公園(豊平館)
・全長:約4.3km
・所要時間:ゆっくり歩いて約90分
【コースの特徴】
・ミステリーの舞台と同時に、市内の一般的な観光地も回れます。
・場所ごとに違う札幌の雰囲気を味わえます。
・平坦で、かつ、どの位置でも地下鉄の駅に近いので、気軽に散歩することができます。
写真:写真AC
『点と線』松本清張(1958)
・社会派ミステリーの嚆矢
・事件は九州で発生。しかし、事件前後、容疑者は札幌駅にいた!
『札幌着23時25分』西村京太郎(1983)
・重要な証人を東京から札幌まで移送する十津川警部
・ゴールは目前、しかし、札幌駅前でまさかの大事件勃発!
『笑う警官』佐々木譲(2004)
・アパートの一室で発見された女性の変死体が、道警を揺るがす大事件につ
ながる
・クライマックスは旧北海道庁近辺を知っているとさらに楽しめる!
『札幌殺人事件』内田康夫(1994)
・浅見光彦が札幌各地を移動して事件を解決
・北大植物園が遺体遺棄現場に。侵入経路など、作者が現地を細かく取材し
ていることがうかがえる
『雪の断章』佐々木丸美(1983)
・毒殺事件の背景にある葛藤を見事に描ききった傑作!
・主人公の少女と青年の出会いの場所として、大通公園が象徴的に描かれる
『ここから先は何もない』山田正紀(2017)
・地球から3億km離れた地点での密室殺人!?
・ミステリーとSFの見事な融合作品
・宇宙の彼方まで広がる物語の発端は大通公園!
『生存者ゼロ』安生正(2013)
・北海道壊滅!?
・道東から迫る謎の存在。最終防衛ラインは札幌!
・しかし、札幌プリンスホテル前で惨劇が!
『笑う警官』佐々木譲(2004)
・捜査から外された主人公たちが集まる「JAZZ&BAR BLACK BIRD」がある
・実際に歩くと、たしかに隠れ家的雰囲気満点!
『笑う警官』のクライマックスで、HBCの社屋と思われる場所から旧北海道庁方面を眺めるシーンがあります。ラジオでも紹介したこの場面を、HBCのご協力で再現! 主人公達の気分が味わえるかも?
『密室キングダム』柄刀一(2007)
・昭和の札幌を舞台に展開する密室ものの超大作
・探偵役が、狸小路アーケードの時計店である重要な情報を入手する
『探偵はバーにいる』東直己(1992)
・大泉洋主演の映画も有名な人気作
・主人公が通うバー「ケラー・オオハタ」も、主人公の家もすすきの界隈にある
『札幌殺人事件』内田康夫(1994)
・本事件では登場人物が札幌市内の実在の店を訪ねるシーンも
・ツアー中、ここでラーメンを食べるのもいいかも?
『生存者ゼロ』安生正(2013)
・道東から迫る脅威に対して、豊平川沿いに防衛ラインを設定
・広い敷地のある 中島公園に戦力を集結!
『眠りなき夜明け』高城高(2016)
・雑誌「宝石」からデビューした伝説的作家が描くハードボイルド
・バブル期のすすきのの様子が詳細に描かれる
・短編「紳士の贈物」の舞台は札幌パークホテルがモデルであると思われる
『密室キングダム』柄刀一(2007)
・洋館を舞台に、堅牢極まりない三重の密室で殺人事件が発生
・事件が起きる吝(やぶさか)邸は山の手近辺にある設定だが、その建物のモデルは豊平館
・実際に内部に入って、密室の雰囲気を感じてみては?
1/3(金)~1/31(金)の期間限定にて、北海道ミステリークロスマッチ参加作品を無料公開しています。バラエティに富んだ短編小説とミステリーコミックがお読みいただけます! こちらもよろしくお願いします。
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