連載【8】刺繍教室クロスマァムのひよこ時代ー学びと出会いとそれから…
「刺繍の先生になる!」そう宣言したのは1995年7月の終わり頃だったかと思う。しかしその時私はまだ何者でもなく、少しだけ手先が器用なだけの1人の愛好家にすぎなかった。教えるからには責任があるのだから、先ず刺繍をきちんと勉強しなくてはと考えた。当然である。しかし子育て真っ只中の自分には学校に行く時間の余裕はなく、どうしようかと思いを巡らせていた。当時はスマホも存在しておらず、PCもほとんどの家庭にはまだない時代である。調べることもままならない。そんな日々の中、机の引き出しを整