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『乃木オタ回顧録〜デビュー10周年を迎えるにあたって』#19

2014年師走〜謎の映画「超能力研究部の3人」

2013年3月にリリースされた「君の名は希望」のMVで行われた山下敦弘監督による映画のオーディションで選ばれた秋元真夏、生田絵梨花、橋本奈々未3人の主演映画である。
2014年12月6日についに公開となったこの映画は大橋裕之原作の漫画「シティライツ」を映像化したフィクションパートとこの映画のメイキングパートを混在させた作品でしかもメイキングパートはフェイクドキュメンタリーと称してノンフィクションではないと来ている。
橋本奈々未にとっては2本目の主演級の映画。橋本奈々未推しであった私はもちろん1回は舞台挨拶に、あと2回くらいは劇場に観に行ったかと記憶している。…がそれでも意味のわからない部分が多々ある映画であった。


とある高校の超能力研究部で活動している良子(秋元真夏)、育子(生田絵梨花)、あずみ(橋本奈々未)の3人は日夜超能力や宇宙人、UFOの研究に明け暮れているがスプーン曲げが出来る少年・森の噂を聞きつけその正体を探ろうとする。実は森は宇宙人で…ととんでもない展開になるのだがそんな事はどうでも良くなっていく。
シーンの端々にそのシーンのリハーサルや演技指導の場面が挟まれる。セットやロケ現場でなく背景が木材で組んだだけの書き割りにもなっていない場所での練習風景だったり、秋元真夏演じる良子が地元のヤンキーに絡まれるシーンの演技指導で何度もヤンキーに抗う秋元の映像を流してみたりと、ある意味ストーリーを真っ直ぐ追えない形式になっているのだ。序盤のフェイクドキュメンタリーとしては映画の現場に不慣れな乃木坂の3人をどうアイドルではなく一女優として立たせていくかみたいな事が描かれている。
また、橋本奈々未に関して言えば映画の美術スタッフに美大時代の先輩男性がいて久々の再会、大学時代の思い出話に花を咲かせる。その先輩の彼女がななみんの友人だったりと過去を匂わすようなシーンが描かれている。
ななみんが東京都下の美大に通っていたのは事実なので一瞬信憑性はあるが恐らく作り話であろう。
面白かったのは、秋元真夏が脚本上キスシーンがある事がわかりマネージャーが止めに入りさらに都内からロケ地まで上司がやってきて監督と揉めた挙句よく分からない結論でその上司は帰ってしまうと言うアイドル事務所あるあるな場面には笑ってしまった。
後半どちらかと言えばフェイクドキュメンタリー色は強くなり、撮影現場でうまくいかず秋元と生田が不仲になったり、それを取り持とうと橋本が2人を連れて現場をバックれたり。挙げ句の果てに帰りのバスの中で3人でちあきなおみの「喝采」を熱唱すると言うカオスな映画となっている。
一応、エンディングはこの映画のきっかけとなった「君の名は希望」だったと思う。

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この不思議な映画は一時期まではHuluで観られたが、監督の意向か未だにソフト化される事なく現在見る術はないのではないかと思われる。

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