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#41 お守りさん/くろさわかな

【往復書簡 #41 のやりとり】
月曜日:及川恵子〈A3用紙に、詰まっている〉
水曜日:泖〈壊れても傷ついても〉
金曜日:くろさわかな〈ずっしりのお守り〉

ずっしりのお守り

わたしは「もの」に対してあんまり興味がないみたいで、なにか欲しいと思っても、テンションが最高潮なのは買う直前。手に入った後は「まあこんなもんか」と徐々に興味が薄れていってしまいます。
ものの扱いも丁寧とは言い難く、しつけが厳し目の家庭だったらめちゃくちゃ怒られることでしょう。整理整頓、使った後のメンテナンス、不要になったら捨てる……などなどなど、うまくできないことは山のよう。

「お守り」としてなにかを大切に持っているというのは、日頃から「もの」に対してしっかり向き合っているんだろうなと思います。罰当たりなことに、わたしはお寺や神社でお守りを買っても無くしてしまう。じいちゃんばあちゃんが亡くなった時、三途の河の渡し賃として一緒に焼いた10円玉も、お守りにしようと持っていたはずなのにどこかにいってしまいました……。ごめんなさい……。

そんなふうに「もの」に対して無頓着なわたしですが、出かけるときはいろいろなものを持っていかないと心配です。財布、携帯、鍵、ハンカチ、ティッシュ、メイクポーチ(メイク直しあまりしないのでほぼほぼ使わない癖に)、予備のマスク、除菌シート、airPods、充電バッテリー、絆創膏、生理用品、エコバッグ、名刺、手帳、ペンケース、クリアファイル……。「まれに必要になるもの」がどんどん増える。リュックはずっしりパンパンです。

この習性が身についたのは、おそらく子どもが生まれてから。なにかあったとき、自分だけの問題ならいいけれど、子どもが関わってくるとなるとその損害を最小限にしてあげなくてはならないという責任ができてしまったからです。出かけるときはマザーズバッグにおむつや着替え、その他必要なものをガンガンいれて非常事態に備える。子どもよりも重くて大きいバッグを持ち歩くのは本当に大変でしたが、あれはある意味「お守り」だったなあと思います。

今や子どもも大きくなって、もうおむつも着替えもミルクも持ち歩かなくてよくなりました。それでも未だにずっしりバッグなのは、それが「わたしのお守り」の形になってしまっているのかもしれません。


くろさわかな


追伸。
最近、娘と「ハイキュー!!」にハマっています。
読んでいると、宮城最高だな!ってなります笑。

漫画だけでなく、画集まで買ってしまいました。

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