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[ギターレビュー]D'Aquisto DQ-JZ Jazz Line

以前所有していたYamahaのAEX-500は、センターブロックがあるのでフルアコではなかったが、フルアコのようなメロウな音作りができる良いギターだった。

擦り合わせをしたことで弾きやすさも申し分なかったし、トーン回路の増設によってサウンドもかなり好みに近づけられたのだが、生音が大きく家で弾ける時間が限られてしまうという問題があって手放してしまった。

手放したは良いものの、その後定期的にフルアコの音が欲しくなってしまう。何度かフルアコを買おうとして思いとどまってきたが、友人が1本手放す予定だというので譲ってもらうことにした。

D'AquistoというメーカーのDQ-JZ Jazz Lineというギター。荒井貿易がライセンスを受けて2015年頃まで国内生産していたものらしい。販売当時の定価は¥300,000。

電装系はフロントハムバッカー一つ+ボリューム+トーンというシンプルな構成。フラットワウンド弦を張っているが、生音はほぼアコースティックギターのような音で、ピックアップから拾われる音もボリューム、トーン10の状態では意外とブライトで元気なサウンドが出てくる。甘いメロウなサウンドにするにはボリュームとトーンを結構絞って調整していくことになる。なお、生音はやはりアコースティックギター並みに大きい

ボディはラミネートのメイプルで、テイルピースやピックガードはエボニーで作られている。サウンドや演奏性への影響は多分ほとんどないだろうが、高級感があって良い。ブリッジは弦の張力によって固定するタイプ。位置の調整がシビアでかつ弦ごとの細かい調整ができないので、こんな構造でオクターブ調整は大丈夫なのだろうかと思ってしまうが、意外となんとかなるものだった。

指板もエボニーだが、同じエボニーでもこちらはかなり目が詰まった黒黒とした材が使われている。フレットは意外とワイド。セミアコ・フルアコは割と技巧的な演奏が難しい印象があったのだが、弾きにくさはあまり感じられない。

フルアコらしくボディはそこそこ厚みがあるので、長時間座って弾いていると若干脇腹あたりが痛くなってくる。

入手してから四ヶ月ほど経つが、問題が二つあって今のところ残念ながらまだ使いこなすことができずにいる。一つ目の問題はスキル的な問題で、このギターに合うようなジャジーな演奏の能力が足りていないこと、二つ目の問題はやはり音が大きくて弾ける時間が限られていることだ。とはいえ念願の初のフルアコなので、時間をかけて弾きこなせるようになっていきたいと思う。

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