さよなら絶望先生の感想

 現在、マガジンポケットで「さよなら絶望先生」が300話無料配信している。3月末ぐらいからちょっとづつ読んでいて「いったいこれはいつまで無料なんだろうか」とおもいながら読んでいた。(今確認したところ、4月30日までらしい)そして、今期アニメに「かくしごと」があることから、それ繋がりのやつなんだなあ、と思っていた。わかんない、コロナ関係かも。

 昔、キッズステーションで飛び飛びにアニメを見ていたので、話は知っているし、何なら一度単行本を買おうかと思ったことがある。ただ、アニメを見ていたわたしに母が「それ、子供が見るアニメじゃないよね」と一言言ってきたので、幼心に「あっ、これってエッチなの……?」と思っていた節はある。そのため、なんとなく買うのを憚っていた。数年経ち、親に隠したいコミックを買えるようになったが、その頃には絶版(語弊)になり、新品で手に入れることは不可能になっていた。さらに数年経ち、「絶望先生、文庫版とか出ねえかな~~~」などと無責任なことを言っている間に、無料配信となったのだ。

 最悪のオタクを露呈すると、絶望先生のネタバレを知っていた。小学生か中学生だったわたしがまとめサイトを読んだらしい。なんか、こういう記憶多いな……さらに罪を重ねると、ダンガンロンパはプレイしていないが全貌を知っている。最悪すぎる。なんで? 全然記憶にない。涼宮ハルヒもそうだったし、なぜか概要も重要なネタバレも知っている作品がこの世の中に多い。ヱヴァンゲリヲンもそう。大体知ってる。多分、有名すぎるがあまり、いろんな人がネタにするから、正しくない情報の入り方をしているのだと思う。ラジオとかで大人のオタクがネタにする→リスナー層の若いオタクが知る、みたいな。でもダンガンロンパに関しては、公式が戒厳令を敷いているはずなのになんで? そして戒厳令なのか……厳戒令だと思ってた……

 話が逸れた。ともかく、テイストも知っているし、オチも知っているので、何の不安を抱くこともなく、答え合わせをするような気持ちで読むことにした。

糸色望と絶望少女達

 単純に読み進めてみると、母に「大人向け」と言われたる由縁がわかった。木村カエレがメタ的とはいえパンチラ要因にされてるしね。よく考えればOPがイヌカレーな時点でおどろおどろしい感じが母に「大人向け」と断じさせたのだろう。ていうかそもそも連載がマガジンだし。

 ありふれた話をすると時事ネタメタネタを盛り込んだギャグマンガで、鬼灯の冷徹とかポプテピピックとか(そこまで限界に挑戦してないけど)と同じ枠に嵌めることができる漫画です。

 その他の漫画と違う点といえば圧倒的にオチですけど、これもわたしが知らないだけでそういうものなのかもしれないです。ネタバレになるので、後述します。

 時事ネタが満載なので、「あるある~~~」もとい「あったあった~~~」を感じながら読んだ。連載が2005年から2012年なので、今も世間を知らない小娘ですけど、さらに何も知らないクソガキだったので「あ……? ったとおもう!」になることも多々ありました。昔から時事ネタがわかる大人になりたいと思って生きてきた。気持ちの悪い子供だな。そんな大人にはなれなかったし、そんな大人になってもろくなもんじゃない気がする。時事ネタがわかればわかるほど、自分がモノを知っていると自意識過剰になってしまい、気持ち悪い大人になってしまう恐怖がある。気持ちの悪いこともが気持ち悪い大人になるのなら、問題ないことかもしれない……。

 気持ちの悪い感想を言ってしまった。

 それはそれとして、絵がうめえ~~~~~。単純な線とほぼべた塗りなはずなのに、連載が進めば進むほど、絵の構図がすごくなって、なんだ? なんだこれ、すげ~~~。(例:【第二百十三話】戸棚の奥深くのソクラテス)

以下、ネタバレ

 もうつらいからネタバレしますね。こういった文章を書くときいつもなんですが、一番重要なところを書きたくて文章を書き始めるのに、前置きが長すぎてわたしが飽きてしまう。飽き性すぎるので……

 衝撃的なオチというか「オチが付いたのかどうかわからない」「オチがない」と自虐している漫画が、完全にオチたと思わせるという高度なギャグな気がする。高度か? これは私が言いたくて言っているだけでは? いやでも、時事系ギャグマンガのオチ、日常系であればあるほどぶっ飛んだオチにしないとどうにもならない説はある。若者で若輩者で世間知らずのクソガキだから「うわ……新し……」と思ってしまっただけなのかもしれない。

 オチを知っているばかりに、この時事ネタマンガをどうやってオチにまで導くんだ……? と思いながら読み続けた。ただ、オチを知っているばかりに、ああ、伏線……と思いながら読めた。

 気になるのはどう収集をつけるか、と思っていたところ、270話前後から雲行きが怪しくなりはじめ、拳あびるの両目がでたところで風浦可符香が完全に出なくなってから風呂敷をたたみに行った。が、それもこれも、漫画に描いてある通りだと思う。どこまで風呂敷広げんの? と思ってたし、まだ、回収しないの? と思っていた。見透かされた漫画だと思う。

 思っていたより唐突感はなかったし、感想によくあるようにゾッとした漫画だった。よかった。ただ、このゾッを味わうために、伝わるとも伝わらない時事ネタ満載の話を他人に勧めるかと言われたら別の話である。作者も作中で言っている通り、時事ネタはすぐ廃れる。ただ、時事ネタを抜きにした「あるある現象」は数年違ったところで健在なものなので、十分楽しめると思う。

 なにを偉そうに言っているんだ……。死をもって償ったほうがいいのではないか。すみません。

 あと、話の感じだと工藤くんも風浦カフカの一部を受け継いでいるんですね? やば……

 今アニメを見ながら感想を書いているんですが、一話で「赤毛のアンかよ……」って言ってる……。原作ではなかったのに……こわ……。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?