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スプリンターズステークス2024

1.コース分析(高松宮記念との違い)

予想記事を執筆するにあたってまず何から記述していこうか悩んだが、周りの予想とか論評を見るにあまりコースの話してる人がいなかったため、その方面から馬の評価に繋げていこうと思う。

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1200m中京と中山の違い
中京は他のどの1200コースの中でも最も直線が長い。
また、3角から4角にかけてのコーナーが急なため、スピード持続力に長けた馬は勝つことが難しく、内目をロスなく立ち回り、直線で瞬発力を発揮することに長けた馬が勝つことが出来るコース。
反対に中山は最後の直線が短く、緩いカーブを下りながら入るコースのため、脚は溜まりにくく瞬発力を発揮する馬よりもスピード持続力に長けた馬が勝つことが多いコース。
そのため中山と中京では血統による相性が異なっている。
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上記は今年の高松宮記念を予想するにあたって書き残していた走り書きメモ。かなりわかりやすく簡潔にコースの違いについて記述していたので流用することに。コースの話はおしまい

2.種類別出走馬血統評価

というわけでここからはスプリンターズステークス2024に出走予定の馬たちをA(持続力タイプ)、B(瞬発力タイプ)、C(両刀)に分けてそれぞれ評価していく。土曜現在、中山は雨が降り続けているため、渋った馬場に強い馬には+αで印をつけていこうと思う。

トウシンマカオ 牡5歳 タイプ【A】雨→ややプラス
トウシンン~マカァァウッッ!!!!🤏😎
母父スペシャルウィークの持つマルゼンスキーはNijinsky×Buckpasserでかなり持続力要素強めの血統。
またシラオキの牝系に入るフロリースカツプは在来牝系で瞬間的加速力には乏しい要素の血である。
さらにユキノマーメイドは前述のNijinskyとBuckpasserのクロスも発生しているため、母方の血のみでNijinsky×Buckpasserの多重クロスを発生させていることになる。
牝系の奥に眠るHabitatは父Sir Gaylordで持続力に寄っていくTurn-to系の血。
以上のことから高松宮記念ではなくスプリンターズS向きの馬と言える。
在来牝系の要素で、ある程度の道悪ならこなせる上に荒れた内側を立ち回ることもできるため、内枠を引いてしまったがさして悲観するほどではない(前が壁!だけはやめてね)。
持続力スピードの血統を持つ馬は瞬発力スピードの馬に比べて斤量の影響を大きく受ける傾向にあるため前走から1キロ増える分がどうかというところ(多分大丈夫だとは思うけどね)

ウインマーベル 牡5歳 タイプ【A】雨→終わり
阪急杯を道悪の中、制するもここでは相手弱すぎ問題が発生している上に2着の馬にタイム差なしハナ差での勝利は能力的に疑問が出る評価。
そのため道悪適正自体はあまり高くないと考えられる。
ミスプロ直系の種牡馬に母父フジキセキの組み合わせはフジキセキの牝系が強調される傾向にある。
フジキセキの持つIn Realityはミスプロと組み合わさると軽いスピードの持続力血統になる(例:ロードカナロア、Crafty Prospector等)
さらにNijinskyの血も加わるためパワーが必要な高速馬場向きの血統になっている。
以上のことから高松宮記念ではなくスプリンターズS向きの馬ではある。
また前述の通り、持続力スピードの血統を持つ馬は瞬発力スピードの馬に比べて斤量の影響を大きく受ける傾向にあるが馬自体が年齢とレースを重ねて58kgを背負わせられることに慣れてきたと考えられるためトウシンマカオと比べると斤量問題は特に気にしなくてよさそう。
個人的には晴れ良馬場が絶対条件かなと思う。当日の天気次第

オオバンブルマイ 牡4歳 タイプ【A】雨→プラス
父ディスクリートキャットはStorm Cat直仔で渋った馬場に強く、母系にあるUnbridledはミスプロ×In Realityで
前述の通り、軽いスピードの持続力血統になるため早い馬場にも対応可能。
Unbridledの持つ早熟要素をディープの晩成要素でバランスよく打ち消しているような印象の血統構成。
他の馬と比べるとテンが遅く、後ろから間に合わせるような競馬が必要になるため、今の中山で好走するためには重馬場である必要がある。

ビクターザウィナー セ6歳 タイプ【A】雨→ややプラス
オーストラリア産馬。High Chaparralは欧州産Sadler's Wellsでゴリゴリのパワー血統。
Grand Slamは父Gone Westでミスプロ×セクレタリアトの米国の軽くて速いスピード要素。
母父Cape CrossのGreen DesertはDanzig系の中でも持続力強化型に分類される血で欧州の短距離で非常に強い。
日本ではメジロダーリングがこれに当たる(高松宮記念14着2回5着1回、スプリンターズS12着1回2着1回)
牝系ではSecretariatが入ってくるため牡系のGone Westの部分でSecretariatのクロスが発生している。
さらに3代母のNight and Dreams(父Fappiano母父Great Above)以降の血は米国系の持続力スピード要素強めの血が集まっている。
そのため牡系のサドラーと合わせて欧州持続力の血統になっている。
このタイプの馬はコーナーリングが急な中京は間違いなく合ってないし、逃げ馬である点を加味しても高松宮記念ではかなり買いづらい馬だったのだが3着に粘りこむ能力の高さを証明した。
中山ではさらに適正が向いてくるため抑えておきたい1頭。
外枠発走も問題ない。

ムゲン セ6歳 タイプ【A】雨→プラス
FappianoとGone Westで持続力要素を一定持ってはいるが
Star Wayのクロスが発生していたり、Sir Gaylordの血を持っていたり
ビクターザウィナーと違ってオーストラリア要素が豊富な血統構成。
母方にノノアルコ(ダイユウサクの父、ヒシアマゾンの母父)という非常に珍しい血を持っており、この血はやたら中山と相性が良いため血統的には少し面白い部分がある。
雨が降ると一定評価可能。

サトノレーヴ 牡5歳 タイプ【A】雨→プラス
父ロードカナロアはミスプロ×In Realityとミスプロ×Secretariatで軽い米国の持続力スピードを持ちながらStorm Catでパワーの要素を保管している。
母父サクラバクシンオー持続力を増強させるようなイメージがある上に、母系奥にはマルゼンスキーも内包しているため舞台適正自体はかなり高い。
ただ超高速馬場に対応できるかは悩ましい部分があるため、馬場はやや渋ってくれた方がこの馬向き。

ナムラクレア 牝5歳 タイプ【B】雨→プラス
血統表を見るとスプリンターぽさはあまり感じられないが、
ミッキーアイルのステラマドリッド(My Bupers牝系)はハーツクライと同じ快速牝系。
この血はいかなる牡系の馬でも軽いスピードの方向性にするほど強いが、年齢が上がってくるとその血の要素は段々と薄くなる。
牝系のCoup de Genie(Machiavellianの全妹)はミスプロ×ヘイローの配合でRibot系の血を持っており、
牝系のNatalmaは Northern Dancerの母、つまりデインヒルの父父母にあたる。そのためナムラクレアは去年の高松宮記念勝ち馬ファストフォースが持つデインヒルの近親でもある。
一見、中距離タイプ強めな血統に見えるが、ミッキーアイルの要素が強めに出て1200においての瞬発力型の馬になっていると考えられる。
母父Storm Catは改修が進み欧州色が強まった今の日本の渋った馬場に強い要素となっている。
ミッキーアイルの持つディープの血は晩成型であるため5歳になった現在のほうが成長力も見込める。
以上から高松宮記念に向いている血統を持つ馬であり、スプリンターズS向きではない(それでも去年は3着に入るほどの強さ)
ただ、去年の京都牝馬Sは持続力タイプ向きのレースながら久々に走っての2着と高評価できる内容のレースはしている。
雨中の競馬になった場合、馬格の大きな馬は上滑りする恐れがあるが馬体が小さいこの馬はその点で有利。今の中山で勝つためには渋った馬場で後ろからグランアレグリアするしかない。

ルガル 牡4歳 タイプ【B】雨→プラス
父ドゥラメンテは牝系の血をブーストする要素が強い。
母父New Approachは父Galileo、母父Ahonooraの欧州瞬発力スピード血統。
道悪もこなせる上にGalileoの持つAllegretta牝系は凱旋門賞馬を多数輩出するほどタフな馬場に強い。
前述のStorm Catも持っていることも渋った馬場ではプラス評価。
多少の道悪はこなせるがナムラクレアに比べて馬格が大きい分、水たまりができるほどのド不良馬場になってしまうと上滑りする恐れがあるためその場合は多少割引き。
瞬発力タイプなので内~中枠が欲しかったがナムラクレアよりは外を回せる要素があるため外枠はそこまでマイナスにならない。
この馬もナムラクレア同様、高松宮記念向きでありスプリンターズSで勝つことは難しい。最低でも雨が絶対条件になってくるだろうし、怪我明けで能力を十分に発揮できるかも問題になってくる。

エイシンスポッター 牡5歳 タイプ【B】雨→プラス
父エイシンヒカリの母キャタリナはStorm Cat×Ribotの組み合わせでゴリゴリの欧州パワー血統。
母方もゴリゴリの欧州タイプなのでオール洋芝の馬場向きの馬(札幌キーンランドC2着等)。
そのため今回の馬場適性は高いとは言えない。

ウイングレイテスト 牡7歳 タイプ【B】雨→嫌
父スクリーンヒーローに母父サクラユタカオーのスピードを乗せて
母方の血(Blushing Groom)で欧州瞬発力要素を補強した血統構成。
斤量59キロを苦にしないのは欧州瞬発力タイプであるため。
7歳にしてトップスピードも落ちているし、舞台適正も高くないためかなり評価は低め。
どちらかというと1200より1400向きの馬。

ダノンスコーピオン 牡5歳 タイプ【B】雨→ややプラス
ロードカナロアのスピードに母父Sligo Bayの欧州瞬発力を乗せた血統構成。
トップスピードに欠ける部分が大きく今の1200に対応できるとは思えない。
この馬も1400以上が最低条件になると思う。

モズメイメイ 牝4歳 タイプ【B】雨→マイナス
母父FrankelにStorm Catで欧州瞬発力タイプの馬。
器用タイプで中京で結果を残しているようにスプリンターズSよりは高松宮記念向きの馬。
来年の高松宮記念は晴れるといいね。

ピューロマジック 牝3歳 タイプ【B】雨→ややプラス
牝系を見るとだいぶ欧州瞬発力タイプの馬に見えるのだが、逃げて勝っている様子を見るに、あまり母方の血は強調されておらず、父方のワンウェポンのみで戦っているという印象。
そのためG1ではレベル感があっておらず、現状では重賞クラス止まりのようなイメージ。
この先成長して母方の血が表面に出てくるようならその時に改めて評価するべき。

ヴェントヴォーチェ 牡7歳 タイプ【B】雨→マイナス
父タートルボウルに含まれるNight Shift、Top Ville、ゼダーンに母父Distant Viewは欧州ミスプロで
ゴリゴリの欧州マイラーのような血を持ちながら母方のクリアーパス(A.P. Indy直系)の要素で距離適性を短くしているようなイメージ。
そのため洋芝適正が高く、オール野芝の今の中山は向いていない。

マッドクール 牡5歳 タイプ【C】雨→ややプラス
欧州瞬発力スピード血統Ahonooraの4×3クロス持ち。
†Darkangel†はNorthern Dancer×Buckpasserで欧州的な持続力に強い配合のトライマイベスト直系。
牝系にはFappianoを持っておりこれは米国系の持続力スピード要素。
以上から持続力と瞬発力両方の要素がバランスよく配合されているため、高松宮記念、スプリンターズS両対応可能である。
より詳細に見ると若干持続力の要素が強めに見えるため中山のほうがパフォーマンスが高い可能性がある。
血統面でビクターザウィナーと被ってる要素が多いため、この2頭は一緒に抑えておきたい。

ママコチャ 牝5歳 鹿毛 タイプ【C】雨→ややマイナス
キンカメ×フレンチの組み合わせは持続力スピードを非常に高める配合。
シラユキヒメの牝系のウェイブウインドは父Topsider、Star de Naskraはサウスヴィグラスの母父である。
そのためダート寄りの血統なため瞬発力要素は薄れている。
ただ年齢が上がった牝馬である分、牡馬よりも硬さは出づらいため若干の溜めの要素は持つことが出来るようになっている。A寄りのCという印象。
道悪もある程度こなせるが良馬場のほうがパフォーマンスが高いのは確か。

まとめ

【タイプA】
オオバンブルマイ、トウシンマカオ、ウインマーベル、ビクターザウィナー、ムゲン、サトノレーヴ
【タイプB】
エイシンスポッター、ナムラクレア、モズメイメイ、ピューロマジック、ダノンスコーピオン、ルガル、ヴェントヴォーチェ、ウイングレイテスト
【タイプC】
ママコチャ、マッドクール

以上、全頭タイプ別血統評価でした。
全頭やるつもりなかったのに気合入ってしまった…

あとは当日の天気と馬場状態を確認して馬券を組みましょう。
この記事が少しでも役に立てれば幸いです。健闘を祈ります。


終わり


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