半人半妖はいつか夢を見るだろうか？

私は悪夢を見ない
というか見なくなった

彼女に出会ってからだ
彼女は夢を食べる妖怪とのハーフであり
所謂、半人半妖

半人半妖といっても彼女は
カレーが好きだったり、低気圧弱かったり
機械音痴だったり、おしゃれが好きだったりと
普通の可愛らしい女の子である

彼女は人の悪夢を食べ、良い夢に変えるという
私が悪夢を見なくなったのは彼女のおかげだろう

夢を食べているということは食費がかからないから
便利なもんだと思ったがそうでも無いらしい
私の煙草と同じと言ったら彼女は怒るだろうな

彼女は夢が見たいという
曰く、たくさん寝れるが夢を見たことがないらしい
普段夢を見る私からすれば
夢なんて見てもおもしろくないと思うのだが
見たことがなければどんなものか気になるのだろう
半人半妖と聞くと
『かっこいいもの』と『不思議な能力がある』
そんな素敵なものと良いイメージが先行するが
やはり私達が知らない不便も多いのだろう

彼女が初めて夢を見る時
それは幸せな夢であることを願う

普段私たちは悪い夢を食べてもらっているのだから
むしろ幸せな夢を見てもらわないと困るくらいだ

私は最近、彼女の夢を見る
いつか彼女が笑って｢夢を見た｣と言う日を
このままずっと彼女と私達が幸せな日々を送る事を
彼女との幸福な時間が永遠であることを

悪夢を食べる半人半妖に、最大級の感謝を
私達を夢で癒してくれる彼女に、幸せな日々を

親愛なる天ヶ瀬むゆに
心からのありがとうとおめでとうを