「ナグ」

 Gレコ本放送時(現在TOKYO MXで再放送中)、法皇の名前が公式サイトで出たあたりの時期に以下のようなことを書きました。

 法皇様の名前が「ゲル・トリメデストス・ナグ」ということでノレドと同じ名字なのは当然、偶然ではないでしょ。
 血縁関係かどうかは不明だけど仮に血のつながりがある場合、彼もクンタラということになるのでそれは無いと思う(そうだとすると法皇の地位には就けないだろうしクンタラであることを隠していたという仮定もノレドがクンタラであることが周知な時点で成り立たない)。
 「ノレドを養子にとった」というのがシンプルに納得できる答えのような気がする。

 その後、何らかの形で二人の関係が明かされるのかな、と微かに期待していましたが最後まで本編では触れられないままでした。本編で触れられなかっただけでどこかのインタビュー等では普通に話されてたりして、とも思いましたが軽く検索したところそのようなことも無い様子。
 単なる偶然で片づけることもできますがそれでは面白くないので考えられるパターンをいくつか挙げて自分だけでも納得させようと思います。

・パターン1 「血縁関係」
 同じ名字ということで真っ先に浮かぶのが両者が血縁関係にあるというケース。
 しかしこれは過去に書いた通り考えにくい。クンタラ出身の人間が法皇の座に就くのはよほどのことがないと難しいでしょう。傑出した人物であればあり得なくはないのかもしれませんが劇中の描写(特に後半)を見る限り彼にそのような才覚や手腕があるようには思えませんでした。

・パターン2 「ノレドは養子」
 これも以前に考えたケース。
 劇中ではノレドの家族について一切の描写がありません。これを「ノレドには(実の)親がいない」と捉えると序盤に見られたノレドと法皇の近いようで遠いような不思議に距離感も理解できます。
 少なくともパターン1よりは説得力があるのではないでしょうか。

・パターン3 「ノレドは孤児院出身」
 養子説の派生。
 キャピタル・タワーを祀るスコード教にキリスト教に代表される実際の宗教のような中絶に関する戒律があるのかどうか不明ですが宗教施設が福祉施設も兼ねているということは世界各国で見られるものですし、あってもおかしくはないと思います。

・パターン4 「たまたま同じ名字だった」
 ここで言う「たまたま」とは単なる偶然だった、ということではなく世界観にリアリティを持たせるためにあえて「たまたま同じ名字のキャラクター」を登場させたのではないか、というものです。
 アニメに限らず小説やドラマなどでは見る側が混乱しないように主要な登場人物の名前には同じものを使わないというのが暗黙の了解というか、言うまでもない大前提としてありますが実際には同じクラスや職場に同じ名字の人間が2、3人いることなんてザラです。本来、同じ名字のキャラクターが出ない(と誰もが思っている)ところにあえて同じナグ姓を持つ二人を出し、両者の関係には一切触れないことでリギルド・センチュリーという架空の世界に立体感を出した・・・というのはちょっと苦しいですかね。

・パターン5 「話数の都合上カットされたが設定はあった」
 こんなんではなく。
 「ナグ」に何か意味があるのかも、と思い検索してみたところナグ・ハマディ写本というものがヒットしました。これだけだとなんてことはないのですがこの文献に記されている内容の中にヘルメス思想に関するものもあるそうです。
 ヘルメス思想の由来になった「ヘルメス・トリスメギストス」がヘルメス財団と法皇の名前のモチーフになったことは想像に難くないですがその二つがスコード教で繋がっているという点からは、ただ単に名前をとっただけでなく、そこに何らかの意味がある(あった)んじゃないかと勘繰ってしまいます。
 『ナグ家はヘルメス財団(レイハントン家)からスコード教を通じて地球人を間接的に管理・統制する任を与えられていた』、なんて妄想をするのも楽しいですね。

とまぁこんなところですか。
ありそうなのはパターン3か4ですが個人的にはパターン5も面白いかな、なんて。
もしどこかで答えが出てたらこっそり教えてください。


#Gのレコンギスタ #Gレコ #富野由悠季

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