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服に想いを馳せる

服選びが単調さから脱却しつつある。
着るだけでなく、見ているだけでも、どこか自分でもわくわくするような。そんな気持ちがあれば、無理して流行を追い続けなくてもいいのかなと思う。

輸入古着のお店に行くことが楽しみだ。

アメリカやヨーロッパで作られた瀟洒な洋服やアクセサリーがずらりと並んでいたり、美術品のように飾られていて宝石箱の中を歩いているような気分になる。
ヴィンテージものという価値も合間って、一見とても高価そうに見える。だが、驚くことに1万円ほどあれば2、3点ほど買えてしまう。というのがとても魅力的だ。
想像して欲しい。数十年も前に遠いどこかの国で大切に着られていた服やアクセサリーが当時の輝きを失わないまま、自分の手に届くのだ。

ヴィンテージものの古着といえば、柄が一番見ていて楽しいポイントだ。まだ何年代はこの柄!とわかるようになったわけではないが、この柄なら今ある服でこの組み合わせで…と考えるのが楽しい。

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色味は鮮やかなものが多い印象だが、遠目で見たらグレーに見えるがちゃんと鮮やかな色が入っているものだったり、色自体は落ち着いているが、イタリアの舗装紙のように繊細な柄が入っているものなどバリエーションに富む。(その上、同じ商品が一点もない!)服の色が白黒に偏りがちな人ほど見にきてほしい。柄物と白黒の服は相性がとてもよい。(以前、服が全身真っ黒!とかワンパターン!になりがちな人向けに。という記事を書いたのでそちらも見て欲しい)


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↑イタリアの舗装紙メーカーROSSIの製品。公式webサイトから


ジュエリーに対してはさらに憧れ?というか思い入れ?がある。小学生の時、パタリロ!という漫画に出てくるマライヒに憧れていた。彼は毛皮と宝石を愛する美少年で、登場するたびにファッションセンスにうっとりしていた。作者がビアズリーに影響を受けていたせいか、りぼんとかなかよしにはない耽美な世界観で描かれておりその点でも心奪われていたのだろう。
(パタリロ!は耽美な世界観にギャグを容赦なくぶちこんでいきつつ、教養が身に付くシュールな漫画なので是非読んで欲しい。)

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↑筆者が持っているヴィンテージジュエリー。もっと種類を増やしたい。


まず、イヤリングを買う!という時点でそのときの憧れとか、宝石箱の一部として並んだディスプレイに想いを馳せることになる。手に取って吟味するときも毎回わくわくして、購入した後も、服に合わせてつける時もちょっぴり背筋が伸びる感覚がある。
買いに行けない時も、家にアルフォンス・ミュシャの画集があるのでそこのアクセサリーのデザイン集を時折眺めている。憧れの力はすごい。

私は服を買う。という行動を「憧れに一歩近く」こととも解釈している。せっかく自分のお金で自分の服を買うのであれば、買う前後から着る時までわくわくした気持ちが続いていて欲しい。古着となると、それに「今まで身につけていた人がどういう人だったか」をふと妄想する時がある。単に高い服とか、有名なブランドの服。というだけでなく、「わくわく」する気持ちがもしかしたら一番服の価値を決めているのかもしれない。

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