きみのお金は誰のため

「きみのお金は誰のため」田内学 著 東洋経済新報社
ISBN:978-4-492-04735-4
この本に登場するボスの言葉に則り、あえてアマゾンのリンクは貼らないおとにした。

 「お金は天下の回りもの」
金銭は一つのところにとどまるのではない。失うし、手に入れることもある。貧富の差は固定しないという意味で励ましに使う、働かないとお金はもらえないと叱咤にも使うことわざである。
 この本を読んだ時に浮かんできたことわざである。このことわざではお金を富としてとらえ、お金が目的となっている。
 しかし、この本ではお金=富ではない。お金は富のための手段なのである。と認識させられる。

 この本では中学生の主人公ぼく、銀行員の七海さん、投資家のボスの3人が主な登場である。内容は、お金の役割をボスが話し、主人公ぼくなりに解釈した結果が結末に描かれる。
だいぶざっくりな、紹介であるがネタバレ防止のためここまで。

 この話でボスを介して著者が伝えたかったことは、お金は貯めるのは意味がない、価値あるものを得る、生み出すための手段であるということだと思う。相手から得たものに対する対価を示す手段であり、お金を手元に得るだけで満足するのは、自分ひいては社会のためにならない。
まあ、手段の目的化はよくないということです。

 陸上で動物を狩り、海辺の貝や魚を食べる縄文時代から稲作文化の伝わった弥生時代へ移り変わった頃より穀物と海産物との物々交換から始まり、通貨の生まれる流れ、投資とは税金の目的は。身近な物事や近代史を織り交ぜ
ボスとぼく・七海の会話を通して説明されている。
お金自体には価値がない、手段である。生きていくうえで取られるお金(税金など)は悪ではない、理由がある。お金を使う目的を理解し、お金を手段として有効活用しましょう。ということです。

 難解な専門用語は一切なく、読みやすかった。通勤時間2日分 2時間程度で読めた。
 お金を富のための手段であるととらえることで、人生における選択の幅が広がる、税金や金融商品の見方・仕組みを考えるきっかけになることを教えられた本である。この本を読むことで、自分にとっての富を考えるきっかけとなり、FP3級の勉強が楽しく感じられた。富のための手段と仕組みを学ぶものだからね。



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