80年代以降のお気に入りシンフォプログレ

プログレッシブロックといえばキングクリムゾンから始まり、結構様々なバンドがこの世にあらわれたと思います。中でも、私は、YesやGenesisに影響を受けたようなシンフォニックでキャッチーなシンフォプログレが好きでして、それも、70年代のバンド(Englandとか)だけでなく、80年代以降のバンドもかなり好きです。なんとなく、その辺の素晴らしいバンド、名盤を紹介したくなりました。


1. Pendragon

ギター・ボーカルのニックバレットによって結成された、英国のポンプロック・シンフォプログレの名バンドです。基本的にはGenesisに影響をシンフォプログレですが、このバンドの特徴は中心人物ニックバレットの、CamelやPink Floydのギルモアさんにに通じるようなたおやかでメロディアスなギターワークと、その風貌からは想像もつかないような甘口の声質から繰り出される超キャッチーなメロディーかなと思います。シンフォプログレって結構割と歌メロがはっきりしないバンドも多いイメージがあるんですが、本当にこのギターのメロディーとボーカルのキャッチーさは群を抜いていて、アルバム、曲の個性がすごくはっきりとしており、聞き終えた際に印象に残る名曲が多いのが個人的にナイスなポイントです。以下、このバンドの個人的お気に入り作です。

1.1 The Window Of Life

画像1

4枚目のフルアルバム。初めて聞いた彼らの作品なので結構個人的に思い入れた強いです。1曲目からして、思いっきりクレイジーダイアモンドリスペクトなイントロで始まるんですが、それがまた素晴らしい出来なので許せます。その後はGenesisのWatcherみたいなリズムで展開していくのですが、そこに乗る歌メロの素晴らしさと言ったら...! マイナーキーのBメロから突き抜けるようにキャッチーなサビ、何もかも素晴らしい名曲です。その後の曲もとにかくギターと歌が最高ですね。個人的には一番好きな作品です。

1.2 The Masquerade Overture

マスク


上で紹介したアルバムに続く5枚目の作品。これまたとんでもなく素晴らしいですね。正直路線的には"The Window Of Life"とは変わりません。つまり、前作がお好きならこのアルバムも必ず気に入るであろうという事ですね。彼らはどうも世間的にはこの2作+次のアルバムが全盛期といわれているようです。個人的には、次作はかなり曲が長くなってしんどいので、この2枚がお気に入りですね。なお、2000年代にはいると急にヘヴィーなアルバムを作り始めます。

1.3 Love Over Fear

画像3

彼らの11枚目のアルバム、今年(2020年)リリースです。2000年代に入ってから、それまでのファンタジックな雰囲気を捨て去り、怖そうなジャケットとやけにヘヴィーな作品を連発しちょっとファンを困惑させていた彼らですが、ここにきて、ジャケットを見てもらってもわかる通り、全盛期路線の作品を出してくれました!というかジャケットに関しては今までの作品で一番いいのでは!内容もヘヴィーなギターなど全く出てこず、昔のように歌うようななきのギターと甘口でキャッチーな歌メロ満載で、冗談抜きに全盛期に匹敵するような名盤だと思います。2000年代に入り彼らに見限っていたファンもこれは絶対聞いてみてもらいたいですね。


2. IQ

圧倒的に検索しにく過ぎるバンド名トップテンに入りそうなバンド名ですが、こちらもポンプロック・シンフォプログレの名バンドですね。サウンド的にはPendragonよりもかなりGenesisよりだと思います。

2.1 The Wake

画像4

ジャケからしてピーターガブリエルの声が漂ってきそうな感じですよね。こちらは2ndアルバムになります。このジャケの通り、基本的にはピーターガブリエル在籍時を思わせるジェネシス的なシンフォプログレサウンドです。これが滅茶苦茶名曲!みたいな突き抜けた楽曲は印象にありませんが、まんべんなくクオリティーが高く、聞き終えた際の満足度は高いですね。また、これは個人的な感覚なのですが、Pendragonを筆頭に、1時間を超えるアルバムを作りがちな80年代以降のプログレバンドが多い中、彼らは基本的に常に50分以内くらいで納めてくれるので最高です。

2.2 Ever

画像5

彼らの4枚目?もしかしたら5枚目かもしれません。自分はチェックできていないのですが、彼らは上述の2ndアルバム以降ボーカルを変え、かなりポップな方向性をチャレンジしていたらしいです。この作品では初期のボーカルを呼び戻し、サウンド自体も初期路線なのですが、そのポップ路線時代を糧にし、シンフォプログレにかなりのポップさを注入することに成功しました。躍動感のあるバンドサウンドにはじけるようなポップメロディーが乗り、個人的にはかなりのお気に入り作品です。

3. Jadis

上述のIQともメンバーがかぶっていたりするらしい、英国のシンフォ・メロディアスなロックバンド。上述の2バンドと比べるとあまりシンフォっぽさはないのですが、メロディアスで躍動感のあるギターとキャッチーな歌メロが素晴らしいバンドですね。

3.1 More than meets the Eye

画像6

1stアルバムのようです、上述の通り、メロディアスなギターがさえまくるキャッチーなプログレです。これ以上に何か言うことがあるかというとあまりないのですが、それは単純に私の語彙力が不足しているだけで、かなり素晴らしいサウンドであることは間違いありません。彼らは基本的にあまり音楽性がぶれないらしいので、これ以降の作品もどんどん集めていきたいですね。

4. Anyone's Daughter

ドイツのシンフォプログレバンド。個人的にはシンフォ系でもトップクラスに好きなバンドです。サウンド的には、Genesis的な温かみのあるシンフォサウンド+UKなども思わせる躍動感のあるアンサンブル+キャッチーで優しい歌メロ、という感じですかね。とにかくメロディーセンスが半端ではなく、各曲ごとの個性がはっきりしているので、個人的には大好きなバンドです。また、基本的にアルバムが45分くらいでコンパクトなので、その辺もよいですね。

4.1 Anyone's Daughter

画像7

バンド名が冠されているアルバムですが、2ndです。1stはGenesisやCamelにめちゃポップな歌メロをぶち込んだプログレサウンドでそちらも名作でしたが、こちらは曲をさらにコンパクトにまとめ、ちょっとプログレハードなんかも思わせる感じです。ただ、曲はコンパクトには纏まってますが、プログレっぽい雰囲気などは随所で感じることができますね。どの曲もヒットしそうなキャッチーな歌メロで満載です。躍動感のあるインスト局から、アルバムのラストが落ち着いたAORっぽい雰囲気になるのもいいですね。かわいいらしいジャケットも非常にマッチしています。

4.2 In Blau

画像8

彼らの4枚目、それまでは英語で歌っていましたが、この作品からはドイツ語歌詞になります。蒼く幻想的なジャケットが印象的ですが、サウンドも同じように透き通った感じでしょうか。基本的にはそれまでのアルバムと同じようにキャッチーな歌メロが満載ですが、以前よりもアコースティックな要素が強いです。この辺がより暖かく優しい感じがしていいですね。そして、ラストの"Tanz Und Tod"これが唯一の長尺曲(13分くらい)なのですが、これが本当に素晴らしく...優しい導入部から躍動感のあるバンドサウンドになった時点でガッツポーズなのですが、その後美しいピアノソロなaども出現し、非常にドラマティックでして....これは至上の名曲です....これは全人類に聞いてもらいたいですね....

5. PABLO EL ENTERRADOR

画像9

アルゼンチンのシンフォプログレバンドです。アルゼンチンというと、メタルを聞く人たちからすると極悪ポンコツスラッシュのイメージが強いのですが、シンフォプログレも存在していたようですね。納付が警官や政治家を埋めているジャケットはあんまりプログレっぽさを感じず正直聞くまではあんまり期待していなかったのですが、いざ聞いてみたらとんでもなく素晴らしいサウンドが飛び出てきてひっくりかえってしまいました。サウンドとしては、温かみのあるキーボードとギターが中心となったシンフォサウンドに、キャッチーで哀愁の効いたボーカルが乗る感じでしょうか。あまり長い曲はなく結構コンパクトにまとまっているのですが、その中でインストパートも短いながらもかなり充実しているのもいいですね。そもそも南米のプログレってあまり強くプッシュされていないような気もするのですが、これはマジで本当に名作だなと思います。Englandなんかを手にするときには同じタイミングで聞いてみてもらいたいような作品ですね。

6. Cast

メキシコのシンフォプログレバンドです。80年代くらいから現在までコンスタントに活動を続け、恐ろしいことに20枚くらいアルバムを出しているようです。自分もまだ半分も集めきれていません。基本的にキャリア前半はジェネシス直系のシンフォで、中期以降はそこにモダンなヘヴィーギターが混ざってくるようです。正直プログレにヘヴィーなギターとかはいらないなと思ったりするのですが、一応全作品集めていきたいですね。基本的に音楽性としてはかなり好きな部類なのですが、一つ苦手な要素がありまして、このバンド、アルバムが基本的にとんでもなく長いんですよね....基本70分近いのがデフォです。

6.1  Landing In A Serious Mind

画像10

彼らの記念すべき1stアルバム。キーボーディストがバンドのリーダーらしく、キーボード中心の壮麗でキャッチーなシンフォプログレです。アルバムがすんげー長いのですが、結構印象的な歌メロやインストパートも多く見受けられ、また、アルバムのラスト曲が普通にヒットしそうな名曲なので、聴き終えた際の印象は結構よいですね。実はドラムとかはちょっとへっぽこだったりするのですが、その辺もかわいらしい感じを演出出来ていて良いです。

6.2 Four Aces

画像11

タイトルからなんとなく察することができると思いますが、4枚目の作品です。個人的には、初期では一番いいアルバムかなと感じています。基本的に1stとやっていることは変わらないのですが、そのまま普通にブラッシュアップされた感じですね、演奏も少し進歩し、曲展開も整理され、メロディーもさらに良くなり、普通に名曲満載でアルバムを聴き終えた時も、ああ、またあの曲聞きたいな...となります。なお、5枚目も基本的にこのアルバムと同じ感じで良かったですね。現時点でCastは7枚目まで聞いたのですが、6、7枚目はかなり壮麗な感じが強まり、ちょっと歌メロが弱くなってしまった印象があります。歌重視のプログレを聞きたいなら個人的にはこのアルバムが一番いいかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?